| この記事でわかること |
|---|
| 1. 主要企業の平均勤続年数ランキング──長く働ける企業はどこか |
| 2. 業界別の傾向と、勤続年数の長短を読み解く視点 |
| 3. 離職率・定着率データを就活で活用する方法 |
「この企業は長く働けるのか」──就活生にとって切実な問いです。口コミサイトの主観的な情報ではなく、有報の従業員データを使えば「数字」で働きやすさを推測できます。
従業員データの読み方は有報の人的資本情報の読み方で詳しく解説しています。
平均勤続年数ランキング
有報の従業員データから、主要企業の平均勤続年数を比較します。
| 順位 | 企業名 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 業界 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | デンソー | 23.1年 | 44.8歳 | 製造業 |
| 2 | 東京ガス | 18.8年 | 43.3歳 | インフラ |
| 3 | 三菱商事 | 17.8年 | 42.4歳 | 商社 |
| 4 | JR東日本 | 16.6年 | 39.2歳 | インフラ |
| 5 | 東京海上日動 | 16.2年 | 41.7歳 | 保険 |
| 6 | ソニーグループ | 15.8年 | 42.5歳 | IT/製造 |
| 7 | トヨタ自動車 | 15.6年 | 40.7歳 | 製造業 |
| 8 | 任天堂 | 14.4年 | 40.2歳 | IT/ゲーム |
| 9 | 村田製作所 | 14.1年 | 40.1歳 | 製造業 |
| 10 | リクルート | 8.5年 | 40.5歳 | IT/サービス |
| 11 | 野村HD | 4.4年 | 43.8歳 | 証券※ |
| 12 | メルカリ | 3.8年 | 36.3歳 | IT |
出典: 各社 有価証券報告書 2025年03月期(単体ベース) ※野村HDは持株会社体制のため、単体従業員177人の数値。事業子会社とは水準が異なる
各社の有報分析: デンソー | 東京ガス | 三菱商事 | JR東日本 | 東京海上 | ソニー | トヨタ | 任天堂 | 村田製作所 | リクルート | 野村HD | メルカリ
平均勤続年数の読み方
長い=良い、短い=悪い、ではない
| 勤続年数 | ポジティブな解釈 | ネガティブな解釈 |
|---|---|---|
| 長い(15年超) | 安定して長く働ける | 人材の流動性が低い。変化が遅い |
| 短い(5年未満) | 若い組織。成長環境 | 定着率が低い可能性 |
業界別の「標準値」を知る
平均勤続年数は業界の構造で大きく異なります。同業界内での比較が重要です。
| 業界 | 標準的な勤続年数 | 背景 |
|---|---|---|
| インフラ(鉄道・ガス・電力) | 15〜20年 | 安定した事業基盤。転勤少 |
| 製造業 | 13〜18年 | 技術の蓄積が重要。長期育成 |
| 商社 | 15〜20年 | 高報酬。ただし激務 |
| 金融 | 12〜16年 | 安定だが出向・転籍制度あり |
| IT/サービス | 5〜10年 | 人材流動性が高い。転職が一般的 |
| ベンチャー | 3〜5年 | 設立間もない。急成長中 |
勤続年数を深く読む3つの視点
視点1: 平均年齢とのバランス
| パターン | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 新卒長期型 | 40歳 | 18年 | 新卒入社→長期勤務の伝統 |
| 中途混合型 | 40歳 | 10年 | 中途採用が活発。多様な人材 |
| 若手活躍型 | 34歳 | 5年 | 若い組織。急成長フェーズ |
視点2: 直近の変化
有報の「主要な経営指標等の推移」を見ると、過去5年間の従業員数の推移がわかります。
| 変化パターン | 読み方 |
|---|---|
| 従業員数が急増 | 中途採用を拡大。平均勤続年数は短くなる |
| 従業員数が安定 | 安定した組織。勤続年数は信頼性高い |
| 従業員数が減少 | 構造改革中。早期退職等の可能性 |
視点3: 離職率の直接開示
一部の企業は人的資本情報として離職率を自主的に開示しています。開示している企業は「自信がある」と解釈できます。
| 離職率水準 | 読み方 |
|---|---|
| 3%未満 | 非常に低い。安定した職場 |
| 3〜5% | 標準的。健全な人材流動 |
| 5〜10% | やや高い。業界特性を確認 |
| 10%超 | 高い。原因を調べる必要あり |
就活での活用法
ESでの活用
「御社の有報で平均勤続年数が{X}年と長く、技術を長期的に深められる環境だと確認しました。{自分の専門}を御社で長く磨き、{キャリアビジョン}を実現したいです。」
面接の逆質問での活用
「有報で平均勤続年数が{X}年と拝見しました。長く活躍されている方のキャリアパスにはどのようなパターンがありますか?」
「有報で従業員数が過去3年で{増減}していますが、組織として今後どのような規模感を目指していますか?」
IT企業への質問例
「有報で平均勤続年数が{X}年と業界としては標準的ですが、長く活躍している方はどのような特徴がありますか?社内でのキャリアチェンジの機会はありますか?」
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| データの見方 | 勤続年数の絶対値ではなく、同業界内での相対位置が重要 |
| 読み解く視点 | 平均年齢とのバランス、従業員数の変化、直接開示の有無 |
| 就活での使い方 | 勤続年数を出発点に、キャリアパスの実態を質問する |
「長く働けるか」は有報の数字で推測できます。ただし数字の読み方を間違えると本質を見誤ります。業界特性を理解した上で、企業を正しく評価しましょう。
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本記事のデータは各社の有価証券報告書(EDINET)に基づいています。ランキングは参考情報であり、投資判断を目的としたものではありません。