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金融 2025年03月期期

三菱HCキャピタルの将来性|有報で見る航空機リース利益最大と11兆円アセット戦略

約11分で読了
#三菱HCキャピタル #有価証券報告書 #有報 #就活 #企業分析 #リース #航空機リース #金融

企業名

三菱HCキャピタル

業種

総合リース・金融

証券コード

8593

対象事業年度

2025年03月期

三菱HCキャピタルの有報分析 要点: 三菱HCキャピタルは売上高2兆908億円・総資産11兆7,623億円の日本最大のリース会社。7セグメント中、航空機リースの利益472億円がセグメント最大で前年比+72.7%の急成長。海上コンテナリース(利益232億円)、環境エネルギー事業も展開し、10年変革計画で「アセットのイノベーター」をめざす。(2025年3月期有報に基づく)

この会社が賭けているもの
1. 航空機リース──利益472億円は全セグメント最大、前年比+72.7%の急成長
2. 環境エネルギー×ロジスティクス──再エネ・コンテナリースで脱炭素社会を支える
3. ビジネスモデルの進化・積層化──リース会社から「アセットのイノベーター」へ

この記事のデータは三菱HCキャピタルの有価証券報告書(2025年3月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。

三菱HCキャピタルと聞くと「三菱系のリース会社」というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし有報を読むと、総資産11兆7,623億円は日本最大のリース会社であり、航空機リースの利益472億円が全セグメント最大、海上コンテナリースの利益232億円もグローバル規模であるという、「地味なリース会社」とは異なるグローバルアセットビジネス企業の姿が数字で見えてきます(2025年3月期有報より)。

三菱HCキャピタルのビジネスの実態|何で稼いでいるのか

セグメント情報とは、企業の事業部門ごとの売上や利益を分けて示したものです。三菱HCキャピタルは7つのセグメントで構成されています。

セグメント売上高構成比当期純利益
カスタマーソリューション9,688億円46.3%368億円
海外地域4,940億円23.6%26億円
環境エネルギー459億円2.2%47億円
航空3,218億円15.4%472億円
ロジスティクス1,361億円6.5%232億円
不動産1,167億円5.6%122億円
モビリティ56億円0.3%31億円

(出典: 2025年3月期有報セグメント情報。売上高は外部顧客への売上高、利益は親会社株主に帰属する当期純利益ベース。日本基準)

航空セグメント|利益472億円はセグメント最大

就活生が最も見落としがちなポイントがこれです。売上高では「カスタマーソリューション」が46.3%を占めますが、利益ではなんと「航空」の472億円がセグメント最大です。前期の273億円から+72.7%の大幅増益であり、航空需要の回復を追い風に急成長しています(2025年3月期有報より)。

航空セグメントは航空機リースと航空機エンジンリースを展開し、セグメント資産2兆4,481億円を保有しています。JSA International Holdings傘下の子会社を含む大規模なリースポートフォリオを構成しています(2025年3月期有報より)。

海外地域の利益急落に注目

もう一つ見逃せないのが、海外地域セグメントの利益が前期166億円→当期26億円と-83.9%も急落していることです。売上は4,940億円と前期比+15.3%増加しているにもかかわらず利益が激減しており、欧州モビリティ事業の業績悪化が影響しています(2025年3月期有報より)。

全体業績の推移

項目4期前3期前2期前前期当期
売上高(億円)9,47617,65518,96219,50520,908
当期純利益(億円)6041,0391,1941,2381,351
EPS(円)47.6873.3883.2186.2994.19
ROE6.7%8.1%8.3%7.6%7.8%
自己資本比率14.1%14.8%14.7%15.1%15.2%

(出典: 2025年3月期有報。日本基準)

売上高は4期前の9,476億円から当期2兆908億円へと約2.2倍に成長しています。3期前に大幅増収となっているのは、2021年の日立キャピタルとの合併効果です。合併後も着実に増収を続け、当期純利益1,351億円はEPSベースでも94.19円と成長しています。ROEは7.8%で改善途上です。

金融業界の有報比較

三菱HCキャピタルは何に賭けているのか|投資と戦略の方向性

有報と中期経営計画(2025中計)から読み取れる三菱HCキャピタルの投資方向です。

投資分野内容読み方
航空機リース利益472億円(最大)、資産2.4兆円航空需要の回復で急成長。次世代航空技術にも投資
環境エネルギー再エネ事業(European Energy A/S)脱炭素ソリューションの総合プロバイダーをめざす
ロジスティクス海上コンテナ・鉄道貨車リース利益232億円。グローバル物流インフラを支える

賭け1|航空機リースで利益最大を稼ぐ

航空セグメントの利益472億円は7セグメント中最大であり、三菱HCキャピタルの成長を牽引しています。航空機リースに加え、エンジンリースも展開。有報では「商品多様化等の成長戦略とグループ内連携のさらなる強化によるアセット回転量・収益性の向上」を掲げ、さらに「次世代航空技術・脱炭素化分野の研究開発を進め、将来の事業基盤を構築」するとしています(2025年3月期有報より)。

就活ポイント: 航空機リースは1機あたり数十億〜数百億円規模のアセットを扱う専門性の高い分野です。航空業界に金融・リースの立場から関わりたい人にとって、日本最大級のプラットフォームです。航空機の価値評価・ポートフォリオ管理・脱炭素技術への投資判断など、専門的なキャリアを積むことができます。

賭け2|環境エネルギー×ロジスティクスで社会インフラを支える

環境エネルギーセグメントは太陽光・風力等の再エネ事業を展開し、European Energy A/S(デンマーク)を通じた海外再エネ事業も推進しています。ロジスティクスセグメントは海上コンテナリースと鉄道貨車リースを展開し、利益232億円(前年比+30.2%)を稼いでいます(2025年3月期有報より)。

さらに有報の中期経営計画では、組織横断の重要テーマとして「水素」「EV」「物流」「脱炭素ソリューション」の4つを設定。2030年度にScope1・2で2019年度比55%削減を目標に掲げています(2025年3月期有報より)。

就活ポイント: 再エネ・水素・EVなど脱炭素ビジネスに金融の立場から関わりたい人に向いています。海上コンテナリースはグローバル物流の根幹を支えるインフラ事業であり、コンテナの稼働率管理や売却益の最大化など、リアルアセットの運用力が問われる分野です。

賭け3|ビジネスモデルの進化・積層化

有報には「10年後のありたい姿として『未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター』を掲げ」、3次にわたる中期経営計画(ホップ→ステップ→ジャンプ)で実現をめざすと記載されています。2025中計(2024年3月期〜2026年3月期)は「ホップ」の位置づけで、「種まき」と「足場固め」がキーワードです(2025年3月期有報より)。

KPI2025中計目標(2026年3月期)当期実績(2025年3月期)ギャップ
当期純利益1,600億円1,351億円△249億円
ROA1.5%程度
ROE10%程度7.8%△2.2pt

(出典: 2025年3月期有報。2026年3月期業績予想はROA1.4%・ROE8.8%)

目標と実績にはまだギャップがあります。カスタマーソリューションでは中古半導体製造装置のリファービッシュ事業やPC-LCM(パソコンのライフサイクル管理)事業など高付加価値ビジネスを推進し、従来型リースからの脱皮を図っています。

有報で投資方針を読む方法

三菱HCキャピタルが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報

有報の「事業等のリスク」から、三菱HCキャピタルの主要リスクを確認します。

リスク項目内容就活での読み方
海外地域の利益急落前期比-83.9%(166→26億円)海外展開のリスクが顕在化。回復の道筋を理解する
アセットリスク航空機・コンテナの価値変動利益の源泉がリスクの源泉でもある
信用リスク・金利変動リース・金融の信用供与リスク金融業の構造的リスクを理解する

リスク1|海外地域セグメントの利益急落

海外地域の利益が前期166億円→当期26億円と-83.9%も急落しています。売上は+15.3%増加しているにもかかわらず利益が激減しており、欧州モビリティ事業の業績悪化が主因です(2025年3月期有報より)。

有報の中期経営計画では欧州での「主要事業の成長に加え、欧州モビリティ事業の業績回復」を掲げています。海外展開はグローバルアセット企業としての成長に不可欠ですが、地域ごとの業績変動リスクは大きいです。

リスク2|アセットリスク(航空機・コンテナの価値変動)

有報には「当社グループは、国内外において、一般的な動産に加え、航空機等のグローバルアセット、建物等の不動産を保有し、オペレーティング・リース等の形態で、これらを賃貸する事業を行っています」と記載されています。アセットの価値は市況に左右されるため、航空需要の変動やコンテナ市況の下落が利益に直接影響します(2025年3月期有報より)。

航空セグメントの利益472億円は、航空需要が堅調だからこそ実現した数字です。航空需要の減退やアセット価値の下落が発生した場合、利益構造に大きなインパクトがあります。

リスク3|信用リスクと金利変動リスク

リース・金融サービスの中核である信用供与に伴う不良債権リスクがあります。有報では「今後の景気動向や金融情勢によっては、企業の信用状況悪化による不良債権の増加にともない貸倒引当金の追加繰入等が必要」と記載されています(2025年3月期有報より)。

自己資本比率15.2%は金融業として標準的ですが、総資産11.7兆円に対して薄い資本基盤とも言えます。金利上昇局面では資金調達コストが上昇し、利ざやが縮小する可能性もあります。

有報でリスクを読む方法

あなたのキャリアとマッチするか

三菱HCキャピタルの方向性に合う人・合わない人

合う人合わない人
航空機リース・海上コンテナリースなどグローバルアセットに関わりたい人銀行・証券のようなリテール金融に携わりたい人(BtoB中心)
再エネ・脱炭素ビジネスに金融の立場から取り組みたい人知名度の高い企業で働きたい人(BtoBのため一般知名度は低い)
リース・ファイナンスから事業投資・運営へのビジネスモデル変革に関わりたい人国内完結型のキャリアを望む人
三菱UFJフィナンシャル・グループの安定基盤で挑戦したい人

従業員データ

項目データ(2025年3月期)読み方
従業員数(連結)8,380名グローバルアセット企業としてはコンパクト
従業員数(単体)2,102名少数精鋭の組織
平均年齢40.5歳金融業として標準的
平均勤続年数15.3年長期就業の傾向
平均年間給与約1,007万円金融業界として標準的な水準

(出典: 2025年3月期有報「従業員の状況」)

就活ポイント: 平均給与約1,007万円(年収ベース)は単体2,102名の数字です。三菱UFJフィナンシャル・グループの一員であり、連結8,380名とコンパクトな組織です。リース業界はBtoBのため就活生への知名度は低いですが、有報の数字は金融業界としてしっかりとした待遇を示しています。

社風や職場の雰囲気、上司との関係性は有報ではわかりません。OpenWork等の口コミサイトやOB/OG訪問を併用して、実際の職場環境を多角的に確認することをお勧めします。

有報で年収を読み解く方法

有報データから逆算して今から学ぶべき分野

分野根拠(有報)具体的アクション
航空産業の基礎知識航空利益472億円がセグメント最大(2025年3月期)航空機リースの仕組み、航空機の残存価値評価の基礎を学ぶ
再エネ・脱炭素ビジネス環境エネルギーセグメント+組織横断テーマ(2025年3月期)再エネの種類と仕組み、カーボンニュートラルの動向
金融・リースの基礎売上高2兆908億円のリース事業全般(2025年3月期)リースの仕組み(オペレーティング・ファイナンス)、金融分析の基礎

面接で使える有報ポイント

志望動機での活用

「御社の有報で、航空セグメントの利益472億円が全セグメント最大であることを確認しました。『リース会社』というイメージとは異なるグローバルアセットビジネス企業としての実態に強い関心を持ち志望いたしました。10年変革計画で『未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター』をめざす御社で、アセットの価値を最大化する仕事に携わりたいと考えています。」

逆質問での活用

「航空セグメントの利益が全セグメント最大ですが、新卒が航空機リース事業に関わるまでのキャリアパスを教えてください。」

「有報に記載の『ビジネスモデルの進化・積層化』の中で、リース・ファイナンスから事業投資・運営へ転換した具体的な成功事例を教えてください。」

「海外地域セグメントの利益が大幅に減少していますが、今後の海外戦略で最も注力している地域はどこですか?」

「2025中計の『ホップ』から次の『ステップ』への移行で、新卒社員に期待する役割はどのように変わりますか?」

BtoBのため就活サイトの情報が限られるリース業界だからこそ、有報の数字で企業理解の深さを示すことが差別化のポイントになります。有報を面接で活用する方法も合わせて確認してください。

まとめ

項目三菱HCキャピタルの特徴
最大の強み航空機リース利益472億円(セグメント最大)+海上コンテナ利益232億円
最大の賭け航空機リースの成長 + ビジネスモデルの進化・積層化
成長ドライバー航空需要回復 + 環境エネルギー + ロジスティクス
最大の課題海外地域の利益急落(-83.9%)、ROE7.8%は目標10%に未達

三菱HCキャピタルは「三菱系のリース会社」というイメージとは大きく異なるグローバルアセットビジネス企業です。航空機リースで472億円の利益を稼ぎ、海上コンテナリースで232億円、再エネ事業にも取り組む姿が有報から読み取れます。

2021年の三菱UFJリース・日立キャピタル合併で誕生した日本最大のリース会社は、10年変革計画で「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」をめざしています。ROE7.8%は目標10%に未達であり、この変革の成否が今後のキャリアの魅力を左右します。「なぜリース会社か」を有報のデータで語れることが、面接での差別化につながります。

本記事のデータは有価証券報告書(EDINET)に基づいています。投資判断を目的としたものではありません。

よくある質問

三菱HCキャピタルの有報で最も注目すべきポイントは?

航空セグメントの利益472億円が全7セグメント中最大という点です。「リース会社」というイメージとは異なり、航空機リースがグループの最大の稼ぎ頭であることが有報から読み取れます(2025年3月期有報)。

三菱HCキャピタルとは何の会社?

2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルが合併して誕生した日本最大のリース会社です。総資産11兆7,623億円で、航空機・海上コンテナ・再エネ・不動産など多様なアセットビジネスを展開するグローバル金融企業です(2025年3月期有報)。

三菱HCキャピタルの将来性は?今後どうなる?

中期経営計画で当期純利益1,600億円・ROE10%を目標に掲げていますが、当期実績は1,351億円・ROE7.8%で途上の段階です。航空機リースの成長、環境エネルギー事業の拡大、ビジネスモデルの進化・積層化が成長の鍵です(2025年3月期有報)。

三菱HCキャピタルの年収水準は?

有報によると単体の平均年間給与は約1,007万円(2,102名)です。金融業界としては標準的な水準で、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員です(2025年3月期有報)。

三菱HCキャピタルの強みと課題は?

強みは航空機リース(利益472億円でセグメント最大)、海上コンテナリース(利益232億円)などグローバルアセットビジネスです。課題は海外地域の利益急落(前期比-83.9%)とROE7.8%(目標10%に未達)です(2025年3月期有報)。

三菱HCキャピタルの面接で有報の知識はどう活かせる?

航空機リース利益がセグメント最大という利益構造と、リース会社からアセットのイノベーターへの変革を語ると効果的です。BtoBのため一般消費者に馴染みが薄い企業だからこそ、有報の数字で理解の深さを示せます。

三菱HCキャピタルの企業研究で見るべきポイントは?

7セグメントの利益構成(航空が最大)、海外地域の利益急落の原因、中計KPI(純利益1,600億円・ROE10%)に対する進捗の3点が重要です。リース業界は就活サイトの情報が少ないため有報が貴重な情報源です。

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