メインコンテンツへスキップ
就活×有報ナビ
金融

金融業界比較|銀行・証券・保険の将来性

約7分で読了
#金融業界 #有報 #就活 #業界比較 #銀行 #証券 #保険 #みずほ
この記事でわかること
1. 金融業界の3業態(銀行・証券・保険)の収益構造の違い
2. メガバンクの有報で見るべき指標と各社の比較
3. 金融業界の有報データを就活で活用する方法

金融業界は銀行・証券・保険の3業態で構成され、それぞれ収益構造が全く異なります。

製造業やIT業界とは有報の読み方も異なるため、就活生には敬遠されがちです。しかしポイントを押さえれば、他の就活生が踏み込まない深い企業理解ができます。

有報の読み方は有価証券報告書の読み方完全ガイドで基本を押さえてからこの記事を読むと効果的です。記事中の専門用語は用語集で確認できます。

金融業界の3業態|収益構造の基本

銀行の稼ぎ方

収益源内容特徴
資金利益(利ざや)預金を集めて貸出→金利差で稼ぐ金利環境に大きく左右される
非金利収入(手数料)投資銀行業務、資産運用手数料、決済手数料金利に依存しない安定収益
市場運用益債券・株式の運用で稼ぐ市場環境で変動

メガバンク3行(三菱UFJ・三井住友・みずほ)が業界を代表し、合計で日本の銀行業の大部分を占めます。

証券の稼ぎ方

収益源内容特徴
委託手数料株式・債券の売買仲介手数料市場の取引量に連動
引受・売出手数料企業のIPO・社債発行の引受大型案件の有無で変動
トレーディング損益自己勘定での売買益リスクが高いが利益も大きい

野村ホールディングスが国内最大手です。→ 野村證券の有報分析

保険の稼ぎ方

収益源内容特徴
保険料収入契約者から受け取る保険料ストック型で安定
資産運用収入集めた保険料の運用で稼ぐ長期運用が基本
海外事業収入海外保険子会社の収益グローバル展開が進む

東京海上ホールディングスが利益で国内最大手の損害保険会社です。→ 東京海上の有報分析

生命保険では第一生命ホールディングスが国内最大手級で、海外保険事業への積極展開が特徴です。→ 第一生命の有報分析

メガバンクの比較|三菱UFJ・三井住友・みずほ

指標三菱UFJ三井住友みずほ
経常収益約12兆円約8兆円約6兆円
純利益約1.7兆円約1.1兆円約7,000億円
海外比率約45%約35%約25%
CET1比率約12%約12%約11%
強みグローバル(Morgan Stanley提携)リテール効率化法人取引基盤

出典: 各社 有価証券報告書 2025年03月期。会計基準・開示方法の違いにより厳密な比較には注意が必要

三菱UFJの特徴

三菱UFJは規模・利益ともに国内最大の金融グループです。Morgan Stanley(米国)との資本提携、Bank of Ayudhya(タイ)など海外事業が売上の約45%を占め、メガバンクの中で最もグローバル化が進んでいます。

三菱UFJの有報分析

三井住友の特徴

三井住友は「効率経営」が際立ちます。三菱UFJより規模は小さいですが、経費率が低く利益効率が高い。リテールのデジタル化(Olive等)で次世代金融サービスをリードしています。

三井住友銀行の有報分析

みずほの特徴

みずほは法人取引基盤に強みがあります。産業調査部による業界知見が豊富で、企業のM&A助言等に定評があります。一方、過去のシステム障害が課題として残っており、IT投資を大幅に強化しています。

みずほFGの有報分析

金融業界の有報で見るべき3つの指標

指標1: 非金利収入比率|金利に依存しない稼ぎ

銀行にとって最重要の構造指標です。金利環境に左右されない手数料収入の比率が高いほど、収益が安定します。

銀行非金利収入比率読み方
三菱UFJ約45%Morgan Stanley提携で投資銀行手数料が大きい
三井住友約40%決済・リテール手数料が着実に成長
みずほ約35%法人向けアドバイザリーが主力

指標2: 自己資本比率(CET1比率)|金融機関の「体力」

金融機関特有の指標で、リスクに対する自己資本の厚みを示します。バーゼル規制で国際的に統一された基準です。

水準読み方
12%以上十分な余力。成長投資や株主還元の余地
10〜12%標準的。規制要件を十分にクリア
8〜10%規制ギリギリ。経営の自由度が限られる

指標3: 海外事業比率|グローバル展開の度合い

企業海外比率主な海外拠点
三菱UFJ約45%Morgan Stanley、Bank of Ayudhya(タイ)
東京海上約50%欧米・新興国の保険事業
野村HD約40%欧米・アジアの投資銀行業務

金融のグローバル化は加速しており、海外事業比率が高い企業ほど、グローバル人材への需要が大きいです。

金融業界共通のリスクと投資テーマ

共通リスク

リスク内容全社に共通
金利変動リスク金利環境の変化が収益に直結特に銀行
規制強化リスクバーゼル規制、保険ソルベンシー規制の厳格化全業態
サイバーセキュリティ金融データの漏洩・システム障害全業態
フィンテック競合決済・融資でテック企業が参入特に銀行・証券

共通投資テーマ

テーマ内容代表企業の取り組み
DX/デジタル化店舗削減→デジタルチャネルへ移行三井住友「Olive」、みずほのIT投資強化
アジア展開成長するアジア市場での事業拡大三菱UFJ「Bank of Ayudhya」
ウェルスマネジメント富裕層向け資産運用の強化全メガバンクが注力
サステナブルファイナンスグリーンボンド、ESG投融資全社が拡大中

金融業界の有報を就活で使うテクニック

テクニック1: 「業態の違い」を理解していることを示す

「御社は非金利収入比率が{X}%と、メガバンクの中でも{高い/低い}水準です。これは{投資銀行業務/リテール手数料}の強みが反映されていると理解しています。」

テクニック2: 「リスク管理」への理解を示す

金融業界では、リスクを語れること自体がスキルのアピールになります。

「御社の有報で自己資本比率{X}%と十分な余力を確保された上で、海外事業を拡大されている点に注目しています。リスクと成長のバランスに関心があります。」

テクニック3: 逆質問で具体的に聞く

「有報で海外事業比率が約{X}%と拝見しましたが、新卒入社後に海外拠点で働く機会はどの程度ありますか?」

「デジタル化投資を加速されていますが、{具体的なサービス名}の今後の展開について教えてください。」

キャリアマッチ比較|自分に合う金融機関はどこか?

志向最もマッチする企業理由(有報根拠)
グローバル金融×海外駐在三菱UFJ海外利益比率約50%。Bank of Ayudhya等のアジア拠点が充実
デジタル×リテール革新三井住友Olive(デジタル金融サービス)で個人向けDXをリード
IT×金融の融合みずほ大規模IT投資でシステム統合の経験が豊富。テクノロジー志向
資産運用・マーケット野村證券ウェルスマネジメントが利益の柱。市場に近い環境
保険×グローバル経営東京海上海外保険事業が利益の約半分。損保のグローバルリーダー
保険×資産運用・アクチュアリー第一生命生保のコア業務。数理・統計力が求められる環境
安定的なキャリア基盤メガバンク3行総合金融グループとして幅広いキャリアパスが用意

面接で使える比較ポイント

三菱UFJの面接で使える例

「メガバンク3行の有報を比較して、御社の海外利益比率が約50%と突出していることに注目しました。三井住友はデジタル(Olive)、みずほはIT投資に特徴がありますが、御社はBank of Ayudhyaに象徴されるアジア戦略で他行と明確に差別化されています。」

東京海上の面接で使える例

「損保業界の有報を読み、御社の海外保険事業が利益の約半分を占めていることを確認しました。国内損保市場が成熟する中、グローバル展開で成長を維持する戦略に魅力を感じています。」

野村證券の面接で使える例

「銀行と証券の有報を比較して、収益構造の違いを理解しました。御社は市場環境に直接連動するダイナミックなビジネスです。ウェルスマネジメントの拡大で安定性を高めながら、ホールセールのグローバル展開を進める戦略に共感しています。」

投資方針から逆算した「今から学ぶべき分野」

志望先学ぶべき分野根拠(有報データ)
メガバンク3行グローバル金融・英語力海外事業の拡大、MUFG海外利益比率約50%(2025年3月期)
メガバンク3行デジタル・DX各行ともデジタル戦略・DX投資を経営戦略に明示(2025年3月期)
野村証券資産運用・金融商品知識ウェルスマネジメントが利益の柱(2025年3月期)
野村証券英語力ホールセール(海外)事業の拡大(2025年3月期)
第一生命アクチュアリー・統計学保険数理が事業の基盤、資産運用力が競争力の鍵(2025年3月期)
東京海上リスクマネジメント・英語力海外保険事業が利益の約半分(2025年3月期)
全社共通会計・財務分析力有報を読む力自体が金融業界での差別化要因

まとめ

業態収益の源泉有報で見るべき指標就活のポイント
銀行利ざや+手数料非金利収入比率、CET1比率、海外比率グローバル×デジタルの二軸
証券仲介手数料+引受営業収益構成、トレーディング損益市場環境への感度
保険保険料+運用益コンバインドレシオ、海外比率グローバル展開の度合い

金融業界の有報は会計基準が独特ですが、「何で稼いでいるか」「何に賭けているか」「何を恐れているか」の3軸は他業界と同じです。このフレームワークで読めば、金融の有報も怖くありません。

本記事のデータは各社の有価証券報告書(EDINET)に基づいています。投資判断を目的としたものではありません。

よくある質問

金融業界の有報は他の業界と何が違いますか?

金融業界の有報は会計基準が独特で、銀行は経常収益(利息収入+手数料)、証券は営業収益、保険は正味収入保険料と、売上に相当する指標が業態ごとに異なります。直接的な営業利益率の比較が難しいため、業態別に読み方を変える必要があります。

メガバンクの有報で特に見るべき指標は?

資金利益(貸出の利ざや)と非金利収入(手数料・投資銀行業務)の比率、海外事業の構成比、自己資本比率(CET1比率)の3つが特に重要です。非金利収入の比率が高いメガバンクほど、金利環境に依存しない安定収益を持つと言えます。

金融業界は有報が難しいと聞きますが?

確かに会計科目が独特で初見では読みにくいですが、見るべきポイントを絞れば他業界と同じ要領で読めます。セグメント情報(何で稼いでいるか)、リスク情報(何を恐れているか)、経営方針(どこに向かうか)の3つに集中するのがコツです。

関連記事

次に読む