有価証券報告書は、EDINETという金融庁のシステムで無料で読めます。
「有報を読んでみたいけど、どこで手に入るかわからない」──そんな就活生のために、EDINETの基本的な使い方を解説します。登録不要、完全無料、所要時間は検索から閲覧開始まで約3分です。
有報で何を読むべきかを先に知りたい方は、有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。
EDINETとは?
EDINET(Electronic Disclosure for Investors’ NETwork)は、金融庁が運営する法定開示書類の電子閲覧システムです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営 | 金融庁 |
| 料金 | 完全無料 |
| 登録 | 不要(ブラウザでアクセスするだけ) |
| URL | https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/ |
| 閲覧できる書類 | 有価証券報告書、四半期報告書、臨時報告書、大量保有報告書 等 |
上場企業は有報の提出が法律で義務付けられており、提出された書類は全てEDINETで公開されます。つまり、日本の全上場企業の有報がここで読めます。
有報を検索する手順
手順1: EDINETにアクセス
ブラウザで EDINET にアクセスします。トップページに検索窓が表示されます。
手順2: 企業を検索する
検索窓に企業名または証券コードを入力します。
| 検索方法 | 入力例 | メリット |
|---|---|---|
| 企業名 | トヨタ自動車 | 直感的 |
| 証券コード | 7203 | 確実(同名企業の混同なし) |
| EDINETコード | E02144 | 最も正確 |
おすすめは証券コードでの検索です。「ソニー」と検索すると「ソニーグループ」「ソニー銀行」「ソニー生命」など複数の結果が表示されますが、証券コード「6758」なら一発で目当ての企業に辿り着けます。
証券コードはYahoo!ファイナンスやGoogle検索で「企業名 証券コード」と調べればすぐにわかります。
手順3: 有価証券報告書を選ぶ
検索結果から提出書類一覧が表示されます。複数の書類が並びますが、就活で読むべきは「有価証券報告書」です。
| 書類名 | 頻度 | 就活での使い方 |
|---|---|---|
| 有価証券報告書 | 年1回(決算後3ヶ月以内) | メインで読む書類。企業分析の基本 |
| 四半期報告書 | 年3回 | 最新の業績を確認したい時 |
| 臨時報告書 | 随時 | M&A等の重要事象を確認したい時 |
最新の「有価証券報告書」をクリックすると、HTML形式で有報が表示されます。
手順4: 目次から読みたいセクションにジャンプ
有報は100ページ以上あることが普通ですが、全部読む必要はありません。目次機能を使って、就活で重要なセクションだけを読みます。
就活で読むべき5セクション:
| 優先度 | セクション | わかること | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 事業の内容 | 何をしている会社か | 3分 |
| 2 | セグメント情報 | 何で稼いでいるか | 5分 |
| 3 | 設備投資等の概要 | 何に投資しているか | 3分 |
| 4 | 事業等のリスク | 何を恐れているか | 5分 |
| 5 | 経営方針 | どこを目指しているか | 5分 |
5セクションを読むのに約20分。全部読まなくても、この5つで企業の全体像は十分に掴めます。
→ 各セクションの読み方は以下のガイドで解説
検索のコツ
コツ1: 過去の有報を比較する
同じ企業の2〜3年分の有報を見比べると、「何が変わったか」がわかります。
| 比較ポイント | わかること |
|---|---|
| セグメント構成の変化 | 事業の重心がどう移ったか |
| 設備投資額の変化 | 投資の加速 or 減速 |
| リスク項目の変化 | 新たに認識された脅威 |
| 経営方針の変化 | 戦略の転換があったか |
EDINETでは過去5年分の有報が閲覧できます。志望度の高い企業は最新版+2年前の有報を比較するのがおすすめです。
コツ2: 同業他社を並べて読む
志望企業の有報を読んだら、同業他社の有報も読んで比較します。1社だけ読んでも「その数字が大きいのか小さいのか」がわかりません。
| 比較が有効な組み合わせ | 見えること |
|---|---|
| トヨタ vs デンソー | 完成車メーカーと部品メーカーの投資姿勢の違い |
| ソニー vs 任天堂 | 多角化 vs 集中の経営スタイルの違い |
| 五大商社の比較 | 資源 vs 非資源のバランスの違い |
→ 五大商社の有報比較、IT業界の有報比較、製造業の有報比較
コツ3: PDF版をダウンロードする
EDINETではHTML版とPDF版の両方が利用できます。
| 形式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| HTML版 | 目次からジャンプできる、検索しやすい | レイアウトが崩れることがある |
| PDF版 | レイアウトが正式、印刷に適する | ファイルが大きい(数十MB) |
面接前に手元に置いておきたい場合はPDF版をダウンロードしておくと便利です。
EDINET以外の便利な情報源
有報の原文はEDINETで読めますが、補助的に使える情報源もあります。
| サービス | 特徴 | 使い分け |
|---|---|---|
| EDINET | 有報の原文。最も正確 | メインで使う |
| IR BANK | 財務データのグラフ化。推移が見やすい | 数値の推移を素早く把握 |
| バフェット・コード | 企業比較・スクリーニング | 同業他社との数値比較 |
| 企業IR公式サイト | 統合報告書・決算説明資料 | 有報の補完(戦略の詳細、図解) |
基本はEDINETで有報の原文を読み、IR BANKで数字の推移を確認、企業のIR公式サイトで戦略の詳細を補完する、という使い分けがおすすめです。
まとめ
EDINETは、就活生が使える最強の無料ツールの一つです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| アクセス | EDINETに直接アクセス |
| 検索方法 | 証券コードで検索するのが最も確実 |
| 読み方 | 目次から5セクションだけ読めば約20分で企業の全体像が掴める |
| コツ | 過去の有報との比較、同業他社との比較が企業理解を深める |
「有報を読んだ」という事実だけで、面接官の目に留まります。ほとんどの就活生は有報を読んでいないからです。EDINETを開いて、志望企業の有報を1社だけ読んでみてください。それだけで企業研究の質が変わります。
- 有報で何を読むべきか → [有価証券報告書の読み方完全ガイド]
- セグメント情報の読み方 → [セグメント情報の読み方ガイド]
- 設備投資・R&D費の読み方 → [設備投資・R&D費の読み方ガイド]