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損保 vs 生保を徹底比較|東京海上×第一生命でわかる保険業界

(更新: ) 約6分で読了
#東京海上 #第一生命 #損保 #生保 #有報 #就活 #保険業界 #企業比較
この記事でわかること
1. 損害保険と生命保険のビジネスモデルの根本的な違い
2. 東京海上と第一生命の収益構造・海外戦略の比較
3. 損保vs生保のキャリアの違いと面接での活用法

「保険会社」と一括りにされがちですが、有報を読むと損害保険と生命保険は全く別のビジネスです。

東京海上ホールディングス(損保)は保険引受と再保険で利益を上げ、海外M&Aで利益の約50%を海外から稼ぎます。一方、第一生命ホールディングス(生保)は長期契約で集めた保険料を総資産約70兆円(2025年3月期有報)で運用し、資産運用が収益の柱です。

この違いを理解することが、保険業界の面接での差別化につながります。

有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。

結論|損保と生保は「別の産業」

比較項目東京海上HD(損保)第一生命HD(生保)
収益の源泉保険引受利益+再保険資産運用(総資産約70兆円)
契約の期間短期(1年更新が主)長期(終身・数十年)
純利益約1兆553億円約4,296億円
海外利益比率約50%成長途上
主な海外戦略M&A(スペシャルティ保険)子会社(Protective, TAL)
重要指標コンバインドレシオソルベンシーマージン比率
最大のリスク気候変動・自然災害金利変動・長寿リスク

出典: 各社 有価証券報告書 2025年3月期

ビジネスモデルの違い|収益の源泉が根本的に異なる

損保(東京海上): 保険引受×リスク分散で稼ぐ

損害保険のビジネスモデルは「リスクを引き受け、分散させること」です。

要素内容
収益の柱保険引受利益(保険料 − 保険金支払い − 経費)
重要指標コンバインドレシオ(保険金+経費 ÷ 保険料。100%未満で黒字)
契約サイクル1年更新が主。環境変化に料率を毎年調整可能
リスク管理再保険で巨大リスクを分散

東京海上のスペシャルティ保険(サイバー保険、D&O保険等)は通常の保険より高い利益率を実現しています。北米を中心にこの分野を拡大中です(2025年3月期有報)。

生保(第一生命): 長期契約×資産運用で稼ぐ

生命保険のビジネスモデルは「長期契約で集めた保険料を数十年単位で運用すること」です。

要素内容
収益の柱資産運用益(総資産約70兆円の運用)
重要指標ソルベンシーマージン比率(保険金支払い能力。高いほど安定)
契約サイクル長期(終身保険は数十年)
リスク管理ALM(資産負債管理)で長期の負債と運用をマッチング

第一生命の総資産約70兆円(2025年3月期有報)は、日本の金融機関でも有数の規模です。この資産をどう運用するかが経営の最重要課題であり、金利環境が収益に直結します。

海外戦略の比較|両社とも海外に賭けるが手法が異なる

東京海上: M&Aでスペシャルティ保険を買い集める

海外拠点内容特徴
Philadelphia Insurance等(米国)スペシャルティ保険高利益率の専門保険
欧州・豪州・アジア約40カ国で事業展開地域分散でリスクヘッジ
海外利益比率約50%日本の保険会社で最高水準

東京海上は積極的なM&Aで海外損保を買収し、10年間で海外利益比率を急拡大させました。純利益が5年で6.5倍(約1,618億円→約1兆553億円、2025年3月期有報)に成長した最大の要因は海外事業です。

第一生命: Protective Life+TALで生保をグローバル展開

海外拠点内容特徴
Protective Life(米国)北米の生命保険団体保険・年金に強み
TAL(豪州)豪州の生命保険豪州市場でトップクラス
ベトナム等(アジア)成長市場への展開新興国の保険普及率の低さが成長余地

第一生命の海外展開は東京海上に比べるとまだ成長途上です。しかし、国内の少子高齢化で新規契約が減少する中、海外生保市場が将来の成長ドライバーとして位置付けられています。

リスクの対比|有報の「事業等のリスク」に本音が出る

リスク東京海上(損保)第一生命(生保)
最大のリスク気候変動・自然災害金利変動
市場構造リスク国内自動車保険の縮小国内新規契約の減少
運用リスク保険引受リスク(巨大災害)資産運用リスク(株価・金利)
対策海外M&Aで地域分散資産運用の高度化+海外展開

損保固有のリスク: 気候変動による自然災害の頻発化は、損保にとって保険金支払いの急増を意味します。東京海上は再保険と地域分散(約40カ国)でリスクを管理しています。ただし、気候変動が加速すれば従来の統計モデルでは予測できないリスクが生じます。

生保固有のリスク: 生保は数十年にわたる長期契約のため、金利環境の変化が直接的に運用収益に影響します。低金利環境では運用利回りが低下し、逆ざや(約束した利回りが実際の運用利回りを上回る状態)のリスクがあります。日本の金利上昇は第一生命にとって追い風です。

キャリアマッチ|損保と生保、あなたに合うのはどちら

キャリア志向最適な業態根拠
グローバルに働きたい損保海外利益50%、約40カ国展開
金融の専門性を磨きたい生保約70兆円の資産運用、ALM
リスク管理に興味がある損保自然災害リスクの定量分析が核心業務
機関投資家的な仕事がしたい生保巨大な資産運用ポートフォリオの運営
M&A・事業開発に関心がある損保海外M&Aが成長戦略の中核
長期的な顧客関係を重視生保終身契約で数十年の顧客接点

就活での活用法

ES: 損保・生保の違いを踏まえた志望動機

東京海上向け:

「御社の有報で海外利益比率約50%、北米スペシャルティ保険での高収益体制に注目しました。M&Aを通じてグローバルに保険事業を拡大する戦略に共感し、海外事業の成長に貢献したいです。」

第一生命向け:

「御社の有報で総資産約70兆円の資産運用力に注目しました。長期的な視点で巨大な資産を運用し、契約者の利益と社会的責任を両立する事業に携わりたいと考えています。」

逆質問

「有報で海外利益比率が約50%と拝見しましたが、今後さらに海外比率を引き上げる計画はありますか?国内損保市場の縮小にどう対応されますか?」(東京海上向け)

「総資産約70兆円の運用において、金利上昇局面で運用戦略はどのように変化しますか?ESG投資の比率目標はありますか?」(第一生命向け)

まとめ

ポイント東京海上(損保)第一生命(生保)
ビジネスの本質リスク引受×再保険長期契約×資産運用
最大の強み海外利益50%+スペシャルティ保険総資産約70兆円の運用力
海外戦略M&A主導で約40カ国Protective Life+TAL
最大のリスク気候変動・自然災害金利変動・長寿リスク
向いている人グローバル×リスク管理志向金融専門×長期運用志向

「保険会社」の面接で損保と生保の違いを有報の数字で語れる就活生はほとんどいません。この記事の比較軸を使って、業態の本質を理解した志望動機を作りましょう。

本記事のデータは各社の有価証券報告書(EDINET)に基づいています。投資判断を目的としたものではありません。

よくある質問

損害保険と生命保険のビジネスモデルの違いは何ですか?

損保は短期契約(自動車保険等1年更新)の保険引受利益が中心で、コンバインドレシオが収益の鍵です。生保は長期契約(終身保険等)で集めた保険料を数十年単位で運用する資産運用が中心で、総資産約70兆円の運用力が収益を左右します。有報を読むと同じ『保険会社』でも全く別のビジネスです。

東京海上と第一生命の最大の違いは?

海外戦略のアプローチが異なります。東京海上はM&Aで海外損保を買収し海外利益比率約50%を実現、スペシャルティ保険で高収益を上げています。第一生命は北米Protective Life・豪州TALを傘下に持ち海外展開を進めていますが、総資産約70兆円の資産運用が収益の柱です。

保険業界の面接で損保・生保の違いをどう語ればいいですか?

有報の収益構造の違いを根拠に語ると効果的です。損保なら保険引受利益とコンバインドレシオ、生保なら資産運用利回りとソルベンシーマージン比率に触れましょう。業態の本質を理解していることが伝わります。

東京海上の純利益が5年で6.5倍に成長した要因は何ですか?

2025年3月期有報によると、東京海上の純利益は約1兆553億円で、5年前の約1,618億円から6.5倍に成長しました。最大の要因は海外M&Aによるスペシャルティ保険事業の拡大です。北米を中心に高利益率の専門保険を買収し、海外利益比率を約50%まで引き上げたことが成長を牽引しています。

損保と生保で会計基準が異なると聞きますが、比較する際に注意すべき点は何ですか?

東京海上HDはIFRS(国際会計基準)、第一生命HDは日本基準を採用しています(2025年3月期時点)。収益の計上方法や利益の定義が異なるため、純利益や売上高を単純に比較することはできません。有報を読む際は、会計基準の違いを前提に各社の収益構造や経営指標の傾向を把握することが重要です。

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