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コンサル・SIer4社を有報で比較|NRI・ベイカレント・電通総研・SCSKの違い

(更新: ) 約12分で読了
#コンサル #SIer #NRI #ベイカレント #有価証券報告書 #企業比較 #就活 #DX
この記事でわかること
1. コンサル・SIer4社の「稼ぎ方」の本質的な違い
2. NRI・ベイカレント・電通総研・SCSKの有報データ横断比較
3. キャリア志向別に「どの会社が向いているか」を有報根拠で判断する方法

「コンサルかSIerか」「4社のうちどこが自分に合うのか」──就活生から最も多く聞かれる疑問の一つです。就活メディアでは年収や倍率しかわかりません。しかし有報を読むと、4社は全く異なるビジネスモデルを持つ企業であることが数字で見えてきます。

NRIはコンサル×SI×運用の「三層構造」で年収約1,322万円を実現し、ベイカレントは「純粋コンサル特化」で業界断トツの営業利益率約36.7%を達成しています。電通総研はSAP/ERPという専門領域に絞り込み、SCSKは住友商事系の安定基盤とストック型収益55%、有給取得率95%という独自の強みを持っています。

有報の読み方全体を押さえたい方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。

4社比較で見えた「コンサル・SIerの4つの稼ぎ方」

コンサル・SIerという括りで呼ばれる4社ですが、有報のセグメント情報と利益率を見ると「稼ぎ方」が根本的に異なります。

分類企業稼ぎ方の本質代表指標
純粋コンサル型ベイカレントコンサル特化×高単価×少数精鋭営業利益率約36.7%
ハイブリッド型NRIコンサル→SI→運用の三層構造年収1,322万円×勤続13.9年
ERP特化型電通総研SAP/ERP専門のIT実装コンサル2027年問題の特需
ストック安定型SCSK運用保守・クラウドのストック55%有給95%×残業月22h

出典: 各社 有価証券報告書 NRI・ベイカレント 2025年3月期、電通総研 2024年12月期、SCSK 2025年3月期

この分類を理解することが、コンサル・SIer就活の第一歩です。「コンサルとSIerのどちらに進むか」という問いより、「この4つの稼ぎ方のどれが自分のキャリア志向と合うか」を考える方が本質的です。

コンサル・SIer業界の2つの軸で整理する

有報から見えてくる違いをさらに整理すると、4社は「利益率の高さ、すなわち付加価値の高さ」と「収益の安定性、すなわちストック比率」という2つの軸で特徴づけられます。

  • 高利益率×変動型: ベイカレント──コンサル特化で高単価、営業利益率約36.7%、景気変動の影響あり
  • 高利益率×安定型: NRI──コンサル+SI+運用のバランスで営業利益率約17.5%、ストック比率も高い
  • 中利益率×専門特化型: 電通総研──SAP需要という特需に依存、専門性でリスクヘッジ
  • 中利益率×高安定型: SCSK──ストック収益55%と住友商事系顧客基盤で安定度高い

コンサル・SIer就活の「選び方」は、この軸のどこに自分を置きたいかで変わります。

主要指標比較表

有報データを同一フォーマットで横断比較します。NRI・ベイカレント・SCSKは3月期、電通総研は12月期と決算期が異なるため、数値の単純比較には注意が必要です。

比較項目NRIベイカレント電通総研SCSK
売上高約7,648億円約1,161億円約1,700億円約4,800億円
純利益約938億円約308億円約170億円約350億円
営業利益率約17.5%約36.7%約15%約13%
従業員数(連結)16,679名5,467名約4,200名約16,300名
平均年間給与約1,322万円約1,350万円約1,050万円約750万円
平均勤続年数13.9年4.0年約12年約18年
平均年齢39.9歳31.2歳約41歳約43歳
ストック型収益比率約35-40%ほぼなし一部約55%
親会社独立系(野村HD)独立系電通グループ住友商事
決算期3月期3月期12月期3月期

出典: 各社 有価証券報告書 NRI・ベイカレント・SCSK 2025年3月期、電通総研 2024年12月期

この表から読み取れること:

  1. 利益率の差: ベイカレントの約36.7%は突出。コンサル特化モデルの純粋な成果
  2. 年収の差: NRI・ベイカレントが約1,300万円超。電通総研・SCSKは1,000万円以下〜超
  3. 勤続の差: SCSKの18年に対しベイカレントの4年。同じ業界でも社風が正反対
  4. 規模の差: NRI・SCSKが16,000名超の大規模組織、電通総研・ベイカレントが4,000〜5,000名の精鋭規模

コンサル・SIer業界全体の利益率比較については営業利益率ランキング、年収比較は平均年収ランキングも参照してください。

各社の「賭けている分野」と強み

各社が有報に示している成長戦略と強みを解説します。

NRI|シンクタンク発・金融IT×三層構造のハイブリッド

野村総合研究所であるNRIは「コンサル→SI→運用」の三層構造が強みです。コンサルで顧客の課題を発見し、SIで解決策を実装し、IT基盤で運用保守を提供する一気通貫モデルは、純粋コンサルや純粋SIerにはない独自のポジションです。

NRIが賭けている3分野(有報 2025年3月期):

投資分野内容キャリアのヒント
DXコンサル需要の取り込みDX人材の採用・育成に注力コンサル×ITを両立したい人向き
金融ITソリューションの深化証券システムSTAR等の業界標準金融×ITの専門性を磨ける
データセンター・海外展開オーストラリア等の事業拡大ストック型収益の拡大

NRIの最大の特徴は金融ITです。証券会社の基幹システム「STAR」は業界標準として採用されており、一度構築されると長期的な保守・ライセンス収益が発生する「準ストック型ビジネス」です。これが平均勤続13.9年という長期就業を支える構造的基盤になっています。

就活ポイント: 「コンサルの視点も持ちながら、実際にシステムを作る仕事がしたい」「金融業界のIT基盤を担いたい」という志向の人にフィットします。三層構造を有報データで語れると、面接での差別化につながります。

詳細はNRIの有報分析をご覧ください。

ベイカレント|ワンプール制×高利益率の純粋DXコンサル

ベイカレントは日本発の独立系コンサルティングファームとして急成長を続けています。有報の数字が示す最大の特徴は「コンサル特化×営業利益率約36.7%」です。SIの下流工程を持たず、DX・IT戦略コンサルに集中することで高い利益率を実現しています。

ベイカレントが賭けている3分野:

投資分野内容キャリアのヒント
DXコンサルティングの深化IT戦略・DX上流案件に特化幅広い業界のDX最前線を経験
コンサルタント人員の急拡大4年で2倍超(5,467名)に成長若手でも早期に大きな役割
ワンプール制の維持全コンサルタントが全案件に対応可能特定業界に縛られない幅広い経験

売上高は4年で約43億円から約116億円へ約2.7倍に拡大(有報データより)。この成長は「人数 × 一人当たり売上」の掛け算で、一人当たり売上約2,100万円という高水準を維持しながら人員を拡大していることが数字の背景にあります。

就活ポイント: 「幅広い業界のDXに関わりたい」「若いうちから高い環境で急成長したい」という志向の人向きです。平均年齢31.2歳という若い組織で早くからキャリアを形成できる一方、平均勤続4.0年という数字は「高い環境とハイプレッシャーで早期離職もある」ことを示唆します。

詳細はベイカレントの有報分析をご覧ください。

電通総研|SAP/ERP特化×2027年問題の追い風

旧ISIDから2024年にリブランドした電通総研は「SAP/ERP導入に特化したITコンサル企業」です。有報の最大の読みどころは「SAP S/4HANAマイグレーション需要という構造的追い風」です。

電通総研が賭けている3分野(有報 2024年12月期):

投資分野内容キャリアのヒント
SAP S/4HANAマイグレーションSAP旧バージョン2027年問題で特需ERP専門家として希少性高い
製造業DX(PLM・IoT)製品ライフサイクル管理の実装製造業のDXに深く関われる
リブランドによる非電通顧客開拓電通グループへの依存を下げる戦略独立系コンサルに近いポジション

SAP ERPの旧バージョンであるECC 6.0のサポートが2027年に終了するため、多くの大企業が次世代版S/4HANAへの移行を迫られています。この移行プロジェクトは大企業で数億〜数十億円規模になるため、売上の約40%を占める電通総研の主力事業にとって大きな成長機会です。

就活ポイント: 「業務知識×ITスキルの両方を磨きたい」「SAPという業界標準技術で専門家になりたい」という志向の人向きです。4,200名という精鋭規模で、大手SIerより小回りが利く組織での裁量ある仕事ができます。一方、SAP以外の技術を幅広く学びたい人にはNRIやSCSKの方がフィットする場合があります。

SCSK|住商系ストック55%×業界最高水準の働き方

SCSKは住友商事グループのIT企業として、「ストック型収益55%」と「業界最高水準の働き方改革」が際立つSIerです。有報の人的資本データが特に充実しており、就活の観点では非常に読みやすい企業の一つです。

SCSKが賭けている3分野:

投資分野内容キャリアのヒント
DX内製化支援サービスの拡大顧客企業のDX自走を伴走で支援長期的な顧客関係で深い支援
クラウドマイグレーション事業オンプレからクラウドへの移行ストック型収益の基盤拡大
ストック型サービス比率の向上現在55%→さらに高める方向安定成長の構造的強化

SCSKのストック型収益はITプラットフォームとITマネジメントを合わせて約55%に達し、NRIやベイカレントと比較しても高い水準です。景気後退局面でもSI開発の新規案件が減るだけで、運用・保守の既存収益は維持されるため、雇用安定性につながります。

就活ポイント: 「長く働ける環境でキャリアを形成したい」「住友商事グループの産業ネットワークを活かしたITビジネスがしたい」という志向の人向きです。有給取得率95%・残業月22時間という数字は「数字で嘘はつけない」有報データとして信頼性があります。平均年収約750万円はNRIやベイカレントより低いですが、残業時間あたりの効率では異なる評価になります。

キャリア選択の視点|どの会社がどんな人に向いているか

有報データを踏まえ、4分類のキャリア志向と4社のマッチングをまとめます。

キャリア志向最適な会社有報根拠
高収益×一気通貫×金融IT深化NRI営業利益率17.5%×年収1,322万円×勤続13.9年×三層構造
高成長×高利益率×幅広業界DXベイカレント営業利益率36.7%×平均年齢31.2歳×売上成長23.6%
ERP/SAP専門職×製造業DX電通総研SAP/ERP40%×2027年問題追い風×年収1,050万円
安定×ワークライフバランスSCSKストック55%×有給95%×残業月22時間×勤続18年

合う人・合わない人の整理

NRIが向いている人:

  • コンサルの「考える力」とSIの「作る力」の両方を身に付けたい
  • 銀行・証券・保険といった金融業界のITを深く理解したい
  • 高年収と長期的な安定を両立したい

NRIが向かない人:

  • 純粋なコンサルティングのみをしたい → ベイカレントへ
  • 特定の技術領域で尖った専門家になりたい → 電通総研へ

ベイカレントが向いている人:

  • 入社後すぐに最前線のDXコンサルに関わりたい
  • 様々な業界・テーマを経験してキャリアの幅を広げたい
  • 高いプレッシャーの中で急成長したい

ベイカレントが向かない人:

  • システム設計・実装まで手を動かして仕事したい → NRI・電通総研へ
  • 長期的に同じ企業に腰を据えてキャリア形成したい → SCSK・NRIへ

電通総研が向いている人:

  • SAP/ERPという業界標準技術で専門家としてのキャリアを築きたい
  • 製造業の業務知識とITを組み合わせたコンサルをしたい
  • 精鋭規模の組織で裁量ある仕事がしたい

電通総研が向かない人:

  • 特定技術への依存を避けて幅広い技術スタックを学びたい
  • コンサルティングの上流に特化したい

SCSKが向いている人:

  • ワークライフバランスを保ちながら長期的にITキャリアを構築したい
  • 住友商事グループの産業ネットワークを活かした幅広い業界IT支援がしたい
  • 安定した大規模組織で、着実にスキルを積み上げたい

SCSKが向かない人:

  • 高い年収を最短で実現したい → ベイカレント・NRIへ
  • 最先端のコンサルティング手法を学びたい

注意: 社風や職場の雰囲気は有報ではわかりません。OB・OG訪問やインターンシップで実際の働き方を確認しましょう。有報 OB訪問 質問リストも活用してください。

「今から何を学ぶべきか」|投資方針から逆算

有報の投資方針から、入社前に備えておくと有利なスキルを逆算できます。

会社最もフィットするスキル根拠(有報)
NRIデータ分析×金融業界知識DXコンサル+金融IT特化の投資方針
ベイカレントDX戦略立案×業界横断の仮説思考ワンプール制でDX上流に特化
電通総研SAP基礎知識×製造業の業務理解S/4HANA移行が主力成長ドライバー
SCSKクラウド基盤(AWS/Azure)×業務改善クラウドマイグレーション投資が拡大

面接で使える4社比較の切り口

志望動機での有報活用例

NRI志望:

「御社の有報で、コンサルからSI、運用保守まで一気通貫で顧客を支援する三層構造と、金融ITソリューションが売上の約40%を占める圧倒的な業界地位を確認しました。戦略提案だけでなく実装・運用まで担えるモデルは、顧客に本質的な価値を提供できると考えています。」

ベイカレント志望:

「御社の有報で営業利益率が約36.7%と業界断トツの水準にあることに注目しました。SIの下流を持たずコンサルに特化することで高い付加価値を実現するビジネスモデルは、自分が高める専門性が直接事業価値に反映される環境だと理解しています。」

電通総研志望:

「御社の有報でビジネスソリューション事業(SAP/ERP)が売上の約40%を占め、2027年のSAP旧バージョンサポート終了という業界構造的な追い風を受けていることを確認しました。業務知識×ITスキルのSAPコンサルタントとして、製造業のDXを支援したいと考えています。」

SCSK志望:

「御社の有報でストック型収益が55%を占める安定した収益基盤と、有給取得率95%・残業月平均22時間という人的資本データを確認しました。長期的にITスキルを磨ける環境で、住友商事グループの産業ネットワークを活かしたDX支援に携わりたいと考えています。」

逆質問で使えるデータ

「有報で[各社の特徴数値]を確認しましたが、新卒入社後の最初の配属ではどのような業務・プロジェクトに関わる機会が多いですか?」

「NRI・ベイカレント等の競合他社と比較したとき、御社が最も優れていると考える点は何ですか?有報の数字では[各社の強み]に表れていますが、現場感覚ではいかがでしょうか?」

有報データを面接で活用する方法は有報の面接活用ガイドでさらに詳しく解説しています。

まとめ

ポイントNRIベイカレント電通総研SCSK
稼ぎ方の本質三層構造×金融IT純粋コンサル特化SAP/ERP専門ストック安定型
最大の強み年収1,322万円×勤続14年利益率36.7%×急成長2027年問題追い風有給95%×残業22h
成長戦略DXコンサル×海外人員拡大×単価維持S/4HANA需要ストック比率向上
向いている人一気通貫×安定高収益高成長×幅広DXSAP専門家長期×ワークライフ

「どの会社が良い・悪い」ではありません。有報を読めば、4社はそれぞれ異なる「賭け方」で成長していることがわかります。自分のキャリア志向──高利益率で急成長したいのか、安定した基盤で長期就業したいのか、専門技術を磨きたいのか──と、どの「稼ぎ方」が合うかで選びましょう。

本記事のデータは各社の有価証券報告書(EDINET)に基づいています。各社の決算期・会計基準が異なるため、数値の単純比較には限界があります。投資判断を目的としたものではありません。

よくある質問

コンサル・SIerの4社でどこがいちばん自分に合う会社か知りたい

有報から読み取れる4社の本質的な違いは「稼ぎ方」です。高成長・高利益率でDXコンサルに特化したいならベイカレント(営業利益率約36.7%)、コンサルから実装・運用まで一気通貫で安定して働きたいならNRI(年収約1,322万円・勤続13.9年)、SAP/ERPの専門職として製造業DXに携わりたいなら電通総研(2027年問題で追い風)、ストック型収益の安定基盤でワークライフバランスを重視するならSCSK(有給取得率95%・残業月22時間)が候補になります。

NRIとベイカレントの違いは何ですか?

有報の数値で端的に言えば「安定高収益型(NRI)vs高成長純粋コンサル型(ベイカレント)」です。NRIは売上約7,648億円・営業利益率約17.5%・平均勤続13.9年のコンサル+SI+運用の三層構造。ベイカレントは売上約1,161億円・営業利益率約36.7%・平均勤続4.0年のコンサル特化型です。NRIは実装まで一貫提供できる安定成長型、ベイカレントは少数精鋭×高単価で急成長中の純粋コンサル型という選択です。

SCSKは激務ですか?残業や働き方は?

有報の人的資本データでは、SCSKの有給取得率は約95%、残業時間は月平均約22時間(2025年3月期)と記録されています。IT・SIer業界の平均を大幅に下回る水準で、2013年からの経営主導の働き方改革が数字に表れています。平均勤続年数は約18年と業界でも突出しており、定着率の高さが有報から読み取れます。

電通総研の将来性はどう見ればいいですか?

有報で示されている最大の成長ドライバーはSAP S/4HANAへの移行需要です。SAP ERPの旧バージョン(ECC 6.0)のサポートが2027年に終了するため、多くの企業が移行を迫られる「2027年問題」が電通総研のビジネスソリューション事業(売上の約40%)に追い風となっています。ただしSAP特需がピークを過ぎた後の成長ドライバーについては、有報の経営方針から継続的に確認する必要があります。

コンサル・SIer就活で有報をどう活用すればいいですか?

この4社を有報で比較することで「なぜこの会社か」の論拠が生まれます。具体的には、各社の営業利益率・ストック型収益比率・従業員の平均勤続年数を引用して、自分の志向と会社の特徴が合致する理由を語る方法が効果的です。「御社の有報で営業利益率約36.7%を確認しました。コンサル特化で高付加価値を追求するモデルは自分の成長に直結すると考えています」のような形で使えます。

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