NRIの面接で「コンサル・SI・運用の三層構造がなぜ営業利益率17.6%という中間水準に着地するのか、どこに成長余地があるのか」──この問いに数字で答えられれば、あなたは他の就活生が知らないレベルで志望動機を語れます。親や友人に志望理由を説明するときも、ベイカレントやSCSKとの違いを数字で示せる就活生になれます。
30秒で言うと、NRIは日本発の「コンサル+SIer+運用」のハイブリッド企業。金融ITが売上の48%を占め、証券基幹システムSTARなど業界標準を握っています。運用サービスだけで売上の41%を稼ぐストック型の厚みが、平均勤続13.9年・平均年収1,322万円という安定基盤を支えています。
NRIが賭けているもの(2025年3月期有報)
- 三層構造の一気通貫:コンサル7.9%→金融IT48.0%→産業IT34.9%→IT基盤8.9%で戦略から運用までワンストップ提供
- ストック型基盤:運用サービスが全売上の41.2%(3,154億円)、営業利益率17.6%の安定を支える
- 金融IT深化+海外展開:野村HDへの依存10.0%を軸にオセアニア(689億円)へ事業拡大

売上高7,648億円、営業利益1,349億円(営業利益率17.6%)、連結従業員16,679名、平均年収1,322万円──これがNRIの実像です(2025年3月期有報)。ベイカレントが「コンサル特化の高利益率」、SCSKが「商社系SIer×M&A」なら、NRIは「コンサル×SI×運用の三層構造」で1,349億円の営業利益を生み出すハイブリッドです。この三角形を理解することが、コンサル・SIer業界の企業研究の第一歩になります。
有報の読み方は有価証券報告書の読み方完全ガイドで押さえてからこの記事を読むと効果的です。
NRIのビジネスの実態|何で稼いでいるのか
NRIの事業は4つの報告セグメントで構成されています(2025年3月期有報 セグメント情報)。

| セグメント | 外部売上(百万円) | 構成比 | 営業利益(百万円) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| コンサルティング | 60,333 | 7.9% | 18,398 | 30.5% |
| 金融ITソリューション | 366,599 | 48.0% | 61,493 | 16.8% |
| 産業ITソリューション | 266,787 | 34.9% | 24,247 | 9.1% |
| IT基盤サービス | 67,746 | 8.9% | 30,470 | 45.0% |
| 調整額 | 3,346 | 0.4% | 298 | - |
| 合計 | 764,813 | 100% | 134,907 | 17.6% |
出典: 2025年3月期有報「セグメント情報」
pie title セグメント別売上構成比(2025年3月期)
"金融ITソリューション" : 48.0
"産業ITソリューション" : 34.9
"IT基盤サービス" : 8.9
"コンサルティング" : 7.9
"調整額" : 0.4
セグメント情報の詳しい読み方は有報のセグメント情報の読み方で解説しています。
金融ITソリューション|NRIの最大の強み(売上の48%)
NRIの最大の特徴は金融ITでの圧倒的な地位です。売上3,666億円・営業利益率16.8%で、全社売上の48.0%を占めます(2025年3月期有報)。証券会社向けの基幹システム「STAR」は業界標準として多くの証券会社に採用され、スイッチングコストの高さが収益の安定性を支えています。
ただし、主要顧客情報では野村ホールディングスからの売上が765億円(全売上の10.0%)と記載されており、筆頭顧客への依存は無視できないリスク要因です(2025年3月期有報「主要な顧客に関する情報」)。
産業ITソリューション|第2の柱(34.9%)
産業ITは流通業・製造業・サービス業・公共向けのIT案件で、売上2,668億円・構成比34.9%。金融IT依存の高さをバランスする役割を担っています(2025年3月期有報)。営業利益率は9.1%と全社平均より低く、案件ごとの利益率にばらつきがあることを示しています。
IT基盤サービス|利益率45%のストック基盤
IT基盤サービスの外部売上は677億円(8.9%)ですが、営業利益率は全セグメント最高の45.0%です(2025年3月期有報)。加えて、金融IT・産業ITに対する内部売上(社内向けのデータセンター・ネットワーク提供)を含めた総取扱高は2,013億円規模で、NRIグループ全体のIT基盤を支える中核部門です。
サービス別で見る「運用サービス41.2%」の厚み
セグメントとは別に、サービス別の売上構成を見ると、NRIの収益構造がさらに鮮明になります(2025年3月期有報「サービスごとの情報」)。
| サービス | 売上(百万円) | 構成比 | 収益タイプ |
|---|---|---|---|
| 運用サービス | 315,359 | 41.2% | ストック型 |
| 開発・製品販売 | 240,035 | 31.4% | フロー型 |
| コンサルティング | 172,570 | 22.6% | フロー型 |
| 商品販売 | 36,848 | 4.8% | フロー型 |
運用サービスだけで全売上の41.2%(3,154億円)という事実が、NRIの安定性の本質を物語っています。セグメント表の「IT基盤8.9%」だけを見ると小さく感じますが、運用型の収益はセグメントを横断して存在しており、金融IT・産業IT内部にも大量のストック型保守・運用が含まれているのです。
NRIは何に賭けているのか|三層構造で勝つ戦略
NRI独自の強みは、コンサルティングから入り、システム構築(SI)、運用保守まで一気通貫で提供する三層構造です。
| 層 | 該当セグメント/サービス | 収益タイプ | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 第1層: コンサル | コンサルティング(7.9%) | フロー型 | 30.5% |
| 第2層: SI | 金融IT・産業IT(82.9%)の開発部分 | フロー型 | 13.6% |
| 第3層: 運用・IT基盤 | 運用サービス(41.2%)+IT基盤(8.9%) | ストック型 | 16〜45% |
出典: 2025年3月期有報「セグメント情報」「サービスごとの情報」より構成
賭け1: DXコンサル需要の取り込み×三層構造のワンストップ提供
企業のデジタル変革(DX)需要が急拡大する中、NRIはDXコンサルティング領域に注力しています。三層構造でDXを提供できる強みは、戦略立案(コンサル)→実装(金融IT/産業IT)→運用改善(IT基盤・運用サービス)を一社で完結させられることです。
純粋コンサル(ベイカレント)は戦略提案が中心で実装は外部委託、純粋SIer(SCSK等)は実装が中心で戦略が弱い傾向にあります。NRIは戦略から運用までワンストップで提供できる点が差別化要素です。
賭け2: 金融ITの深化×野村HD依存からの脱却
金融IT48.0%という構成比は強みである一方、野村HD依存度10.0%が示すように、特定顧客リスクを抱えています。NRIの戦略は、STARの業界標準地位を武器に証券・保険・銀行横断で顧客を広げることです。
賭け3: 海外展開(オセアニア689億円)
地域別売上を見ると、日本6,523億円(85.3%)に対し、オセアニア689億円(9.0%)、北米314億円(4.1%)、アジアその他122億円となっています(2025年3月期有報「地域ごとの情報」)。特にオセアニア事業は前期比で微減したものの、中長期の成長ドライバーとして位置付けられています。
設備投資・R&Dの詳しい読み方は設備投資・R&D費の読み方で解説しています。
NRIが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報
| リスク項目 | 内容 |
|---|---|
| 金融業界への依存 | 金融ITが売上の48.0%、野村HD単独で10.0%。金融市況と直結 |
| システム障害リスク | 証券STAR等の基幹システム障害は社会的影響が大きい |
| 人材獲得競争 | IT/コンサル人材の争奪。外資コンサル・メガベンダーと競合 |
| 海外事業のリスク | オセアニア事業の業績変動・為替リスク |
| 競合環境 | 外資コンサル・メガベンダーとの差別化 |
出典: 2025年3月期有報「事業等のリスク」

野村HD依存度10.0%は、就活生が面接で触れにくい論点ですが、逆に理解していると「リスクまで把握している」という評価につながります。
ここまでのリスクをどう受け止めればよいか迷った方は、次の2つが次のステップになります。
- リスク情報の読み方を体系的に押さえたい方は → 有報のリスク情報の読み方
- 同業他社がどうリスクと向き合っているかを比較したい方は → コンサル・SIer業界の有報比較
あなたのキャリアとマッチするか
従業員データ
| 項目 | データ(2025年3月期) | 読み方 |
|---|---|---|
| 従業員数(連結) | 16,679名 | コンサル/SIerとしては大規模 |
| 従業員数(単体) | 7,645名 | 単体もIT業界上位 |
| 平均年齢 | 39.9歳 | IT業界では高め。長期就業 |
| 平均勤続年数 | 13.9年 | 業界でも長い。定着率高い |
| 平均年間給与 | 1,322万円(13,217,000円) | 業界トップクラス |
出典: 2025年3月期有報「従業員の状況」
平均年間給与1,322万円は日本企業全体でもトップクラスです(平均年収の読み方)。平均勤続年数13.9年との組み合わせは「高待遇×長期就業」を示しており、コンサルティングとITの両方の専門性を持つ人材の希少性、金融IT分野での強固な顧客基盤による高収益性がその背景にあります。人的資本ランキングでも上位に位置します。
キャリア適性
| 合う人 | 合わない人 |
|---|---|
| 戦略から実装・運用まで一貫して関わりたい | コンサル上流の戦略提案だけに特化したい |
| 金融ITの業界標準システムに長期的に関わりたい | 短期で急成長環境に飛び込みたい |
| 平均勤続14年の安定環境でスキルを積みたい | 30代前半までに管理職に到達したい |
| 高い専門性(コンサル+IT)を磨きたい | 特定業界に縛られずワンプール制で動きたい |
NRIが「合わない」と感じた方向けの代替候補は、次の2社です。就活サイトだけでは見えない事業モデルの違いを、有報ベースで確認できます。
- コンサル特化で高利益率・急成長を狙いたい方は → ベイカレント・コンサルティングの企業分析(税引前利益率36.7%、平均勤続4.0年、ワンプール制)
- 商社系の産業基盤で大規模ITに腰を据えて取り組みたい方は → SCSKの企業分析(連結2万名超、平均勤続17.2年、住友商事グループ)
面接で使える有報ポイント
志望動機での活用
「御社の2025年3月期有報で、コンサル18,398百万円・金融IT61,493百万円・産業IT24,247百万円・IT基盤30,470百万円を合わせた営業利益1,349億円、営業利益率17.6%という数字を確認しました。戦略を提案するだけでなく実装・運用まで伴走できる三層構造は、顧客に本質的な価値を提供できるモデルだと考え志望しました。」
逆質問での活用
野村HD依存について:
「有報の主要顧客情報で野村HDからの売上が全体の10.0%と記載されていますが、非金融や非野村グループ案件の拡大に向けた具体的な戦略を教えてください。」
ストック型基盤について:
「サービス別売上で運用サービスが41.2%を占める一方、IT基盤セグメントの営業利益率は45.0%と突出しています。運用サービスとIT基盤の関係性、および今後の比率見通しを教えてください。」
NRI・ベイカレント・SCSK 3社比較
| 比較軸 | NRI | ベイカレント | SCSK |
|---|---|---|---|
| 事業モデル | コンサル+SI+運用 | コンサル特化 | 商社系SIer+M&A |
| 売上高 | 7,648億円 | 1,161億円 | 5,960億円 |
| 営業利益率 | 17.6% | 約36.7%(税引前) | 11.1% |
| 従業員数(連結) | 16,679名 | 5,467名 | 20,252名 |
| 平均年間給与 | 1,322万円 | 1,350万円 | 788万円 |
| 平均勤続年数 | 13.9年 | 4.0年 | 17.2年 |
| 最大セグメント | 金融IT(48.0%) | 単一セグメント | 産業IT(32.8%) |
| 成長戦略 | 三層構造×DX深化 | 人員倍増×高単価 | ネットワン統合+1兆円挑戦 |
出典: 各社2025年3月期(ベイカレントは2025年2月期)有報
この3社比較が面接で効果的な理由は、就活サイトの「年収ランキング」では見えない事業モデルの構造的な違いを語れるからです。
- 三層構造×安定×金融ITなら → NRI(営業利益率17.6%、平均勤続13.9年)
- 高収益×コンサル特化なら → ベイカレント(税引前利益率36.7%)
- 大規模×M&A成長なら → SCSK(20,252名、住商系)
コンサル・SIer業界全体の比較はコンサル・SIer業界の有報比較、利益率の横断比較は営業利益率ランキングで確認できます。
有報データから逆算して今から学ぶべき分野
| 分野 | 根拠(有報) | 具体的アクション |
|---|---|---|
| 金融業界の基礎知識 | 金融ITソリューションが売上の48.0%(2025年3月期) | 『金融読本』等の金融入門書、FP3級で金融商品の基礎を学ぶ |
| クラウド・インフラ技術 | IT基盤サービスの営業利益率45.0%、運用サービス41.2%(2025年3月期) | AWS/Azure基礎資格、Linux基礎 |
| コンサルティングスキル | コンサルセグメント営業利益率30.5%、DX需要の取り込みが重点戦略 | ロジカルシンキング、データ分析の基礎(Excel/SQL) |
| 英語力 | オセアニア689億円等の海外展開を加速(2025年3月期) | TOEIC800点以上を目標に |
本記事のデータは有価証券報告書(EDINET)に基づいています。投資判断を目的としたものではありません。
まとめ
| 項目 | NRIの特徴 |
|---|---|
| 事業の本質 | コンサル+SI+運用の三層構造を持つハイブリッド企業 |
| 最大の強み | 金融ITで売上48.0%、運用サービス41.2%のストック基盤 |
| 収益指標 | 売上7,648億円、営業利益1,349億円(営業利益率17.6%) |
| 注目リスク | 金融業界依存、野村HD単独10.0%依存、システム障害リスク |
| 働き方の特徴 | 平均年収1,322万円、平均勤続13.9年、平均年齢39.9歳 |
| 成長戦略 | 三層構造×DXコンサル深化×オセアニア海外展開 |
NRIは「コンサルの知見×SIerの実装力×運用のストック基盤」を兼ね備えた独自のポジションの企業です。有報の数字(営業利益率17.6%・運用サービス41.2%・野村HD10.0%)を押さえた上で、ベイカレントやSCSKとの違いを構造的に説明できれば、面接での説得力は大きく高まります。
次のアクションとして、以下の4つのうち最も自分に刺さるものから進めてみてください。
- 面接で有報データを実際に使いたい方は → NRIの面接対策で志望動機・逆質問の型を確認
- 同業他社と比較して判断したい方は → コンサル・SIer業界の有報比較で他社の戦略と見比べる
- ベイカレントとの違いを深掘りしたい方は → ベイカレント・コンサルティングの企業分析
- SCSKとの違いを深掘りしたい方は → SCSKの企業分析