NTTデータグループを「日本のSIer大手」だと思って面接に臨むと、企業研究の甘さが一目で伝わります。有報を開けば、外部売上の58.9%は海外、海外設備投資4,663億円は日本1,859億円の約2.5倍、生成AI「SmartAgent」で2027年度グローバル3,000億円の売上を目指し、親会社NTT(議決権57.7%)による完全子会社化・上場廃止が後発事象に明記されている事実が読み取れます。あなたが「NTTデータグループの何が日本SIerと根本的に違うか」を語れれば、他の就活生とは明確に差がつきます。
NTTデータグループ(9613)は、株式会社NTTデータ・株式会社NTT DATA, Inc. などの事業会社を束ねる連結売上4兆6,387億円・連結従業員19.8万人の持株会社グループです。富士通が国内公共・金融SIに重心を置く「日本回帰型」、アクセンチュアがグローバルコンサル&システム実装で稼ぐ「コンサル横断型」(他社の事業構造はNTTデータの有報外の各社IRに基づく)と並べると、NTTデータは海外で広げた事業基盤と日本の高収益SIの両方を持ち、データセンター事業へ大型投資する「グローバルITインフラ転換型」のキャリアです。

この記事のデータは株式会社NTTデータグループの有価証券報告書(2025年03月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。
出典: 株式会社NTTデータグループ 有価証券報告書 2025年03月期 主要な経営指標等の推移/設備投資等の概要/従業員の状況
NTTデータグループのビジネスの実態|何で稼いでいるのか
結論を先に示すと、NTTデータグループは2023年7月の持株会社化以降、報告セグメントを「日本」「海外」の2区分体制で開示しています。外部顧客への売上は海外が2兆7,313億円(売上比58.9%)と過半を占めますが、営業利益は日本2,052億円(利益率10.6%)が約67%を稼ぎ、海外1,002億円(利益率3.6%)は約33%にとどまります。「NTTデータ=日系SIer」という古いイメージとは異なる『海外売上中心・日本利益中心』の構造が、2025年3月期のセグメント情報からくっきり読み取れます(セグメント情報の読み方ガイドも併読すると理解が深まります)。

| セグメント | 外部売上 | 前年比 | セグメント営業利益 | 営業利益率 | 利益シェア(日本+海外) |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 1兆8,939億円 | +10.2% | 2,052億円(+9.9%) | 10.6% | 67.2% |
| 海外 | 2兆7,313億円 | +3.6% | 1,002億円(-13.4%) | 3.6% | 32.8% |
| その他 | 131億円 | +3.1% | 78億円(+7.5%) | 8.1% | 参考値(本社機能サポート) |
出典: 株式会社NTTデータグループ 有価証券報告書 2025年03月期 セグメント情報
pie title セグメント別営業利益(2025年3月期・日本/海外)
"日本: 2,052億円(67%)" : 2052
"海外: 1,002億円(33%)" : 1002
このコントラストが意味するのは、NTTデータグループは「海外で広げた売上規模」と「日本で稼ぐ利益基盤」を併せ持ち、海外事業の収益性改善が次の経営フェーズを左右する構造になっているということです。海外売上の地域内訳は北米8,119億円・EMEAL(欧州・中東・アフリカ・中南米)1兆4,104億円・中国APAC5,255億円で、米国単独でも7,790億円と日本セグメント外部売上の約4割に相当する規模です(2025年3月期 セグメント情報 地域に関する情報)。
ここからは2セグメントの特性を順に深掘りします。
海外|売上の中心だが利益率改善が課題(売上構成比58.9%)
海外セグメントは、北米・EMEAL・中国APACの3地域で展開する高付加価値ITサービス・データセンター事業です。地域別では北米8,119億円(うち米国7,790億円)・EMEAL1兆4,104億円・中国APAC5,255億円で、米国・スペイン・ドイツ・ルクセンブルクを含む複数国にまたがる事業基盤を構築しています(2025年3月期 セグメント情報 地域に関する情報)。
外部売上は前年比+3.6%と伸びる一方、営業利益は1,002億円・前年1,158億円から-13.4%の減益です。営業利益率3.6%は日本(10.6%)の約3分の1にとどまり、中期経営計画で掲げる海外EBITA率10%目標とも大きな差があります。経営方針では「海外セグメントのリージョナルユニットにおいて引き続き収益性の改善に取り組む必要がある」と明記され、コーポレート機能・ITシステム・事業ポートフォリオの統合と、リージョン横断組織「Global Practice」の設置で改善を進めています。データセンター事業とSAP事業の好調が利益を支えていますが、リージョナルユニット間の収益性のばらつきが課題です。
日本|高収益基盤・官公庁/金融が中心(利益の約67%を生む)
日本セグメントは、官公庁・金融機関・大企業向けのシステムインテグレーションと運用が中核で、全国銀行データ通信システムなどの社会インフラ級システムを支えています。外部売上は1兆8,939億円・前年比+10.2%、営業利益は2,052億円・前年比+9.9%と高い成長率を維持。営業利益率10.6%・グループ全体の営業利益の約67%を占める利益の柱です。
生成AI「SmartAgent」コンセプトの起点・営業向けAIエージェント「LITRON Sales」の提供開始も、国内オペレーションが中心となっています(2025年3月期 研究開発活動)。就活生にとっては、日本の社会インフラを支える大規模システム開発と、生成AIの応用研究の両方を経験できるセグメントです。
なお報告セグメントには含まれない「その他」(本社部門機能をサポートする子会社等)は、外部売上131億円・営業利益78億円と規模は小さく、グループ内部向けサービスが中心です。
5期間の推移を見ると、売上は2021年3月期2兆3,187億円から2025年3月期4兆6,387億円へ約2倍に拡大、当期利益は768億円から1,425億円へ約1.9倍に成長しました(2025年3月期 主要な経営指標等の推移)。3期前のNTT Ltd.統合により総資産が3兆円から6兆円規模に倍増し、グローバル組織への変貌が進んだ歴史が読み取れます。一方で営業利益率は5期間で6.0%(2021年)→7.0%(2025年)と中計目標10%には到達しておらず、収益性改善が次のフェーズの主題です。
規模拡大と収益性向上はトレードオフ。海外売上比率58.9%という規模を作ったNTT Ltd.統合の効果はまだ営業利益率に十分には反映されていません。海外3.6%・日本10.6%の利益率ギャップは、グローバル事業統合の途上にあるという経営の現実を映しています。「巨大グローバル組織のスケールメリット」と「PMI完了までの収益性のブレ」のどちらを評価するかは、入社前に整理しておく論点です。
では、この2セグメントが次の数年で何に賭けて成長を作っていくのか。続く章で投資の中身を見ていきます。
NTTデータグループは何に賭けているのか|投資と研究開発の方向性
設備投資・研究開発費とは、企業が「未来の何に資金を投じているか」を示す情報です。ITサービス企業の場合は、データセンターなどの物理インフラと、AI・コンサルティング能力という無形資産の2系統で投資が動きます(投資セクションの読み方ガイド)。NTTデータグループの中期経営計画「Realizing a Sustainable Future」(2022-2025年度)と2025年3月期の有報を読むと、3つの賭けが定量データに現れます。

| 賭けの領域 | 定量的根拠(2025年3月期) | 期間 | 全社への財務インパクト |
|---|---|---|---|
| データセンター×グローバル設備投資 | 連結設備投資6,757億円・海外4,663億円(日本の約2.5倍)/REIT活用で資産リサイクル | 中長期(中計2022-2025年度) | 海外セグメント外部売上2兆7,313億円の基盤・FCFは投資先行でマイナス圏 |
| 生成AI「SmartAgent」グローバル展開 | 研究開発費282億円・2027年度グローバル3,000億円売上目標/LITRON Sales提供開始 | 中期(〜2027年度) | 営業領域から法務・経理・マーケへの展開予定 |
| 海外事業統合と収益性改善 | 海外営業利益率3.6%(日本10.6%)/Global Practice横断組織設置 | 中期(中計2022-2025年度内) | 連結営業利益率10%・海外EBITA率10%の中計目標達成可否を左右 |
出典: 株式会社NTTデータグループ 有価証券報告書 2025年03月期 設備投資等の概要・研究開発活動・経営方針・セグメント情報
賭け1: データセンター×グローバル設備投資に海外4,663億円
NTTデータグループの2025年3月期の連結設備投資(有形固定資産・無形資産の創設に係る投資額)は6,757億円に達し、うち海外向けが4,663億円・日本が1,859億円・その他が235億円という配分です(2025年3月期 設備投資等の概要)。海外向けが日本の約2.5倍という規模感が、グローバルITインフラ企業への変貌を最も直接的に示す指標です。
事業等のリスク欄では「生成AIによる需要の急増を好機と捉え、データセンター事業へ積極的な設備投資を実施」「投資回収期間が長いため、需要が予期しない事態により想定よりも大きく減少する」可能性が同時に開示されています。経営方針では「成長領域への積極的な投資に向けた原資創出のため、不動産投資信託(REIT)を活用」「データセンター事業において安定的かつ継続的に資産売却することにより、投資回収サイクルを早期化」と明記されており、データセンター建設→REIT売却→資金回収→再投資のサイクルを回す資本戦略を採用しています。フリーキャッシュフローは投資先行でマイナス圏が続く構造ですが、REITによる資産リサイクルで負債膨張を抑える設計です。
クラウド・インフラ志向での行動 → AWS / Azure / GCP の入門資格と、データセンターのPUE・冷却技術・電力効率に関する基礎知識を押さえておくと、面接で具体性が出ます。IT業界の投資動向と将来性も併読すると、競合他社との設備投資規模の違いが見えます。
賭け2: 生成AI「SmartAgent」グローバル展開
研究開発活動の項目では、AIエージェントが新たな労働力を提供する「SmartAgent」コンセプトが2025年3月期の有報で発表されました。第一弾として営業向けAIエージェントサービス「LITRON Sales」の提供を開始し、データ入力・アポイントメント調整・提案書作成・契約書/社内文書作成などのタスクを自律的に実行することで、営業担当者の業務負荷低減と提案活動への時間創出を目指しています(2025年3月期 研究開発活動)。
NTTデータグループは、生成AI関連ビジネスで2027年度にグローバル全体3,000億円の売上を目指すと有報で明記しています。研究開発費は282億円・売上比0.6%と独立系ITベンダーと比べると小さく見えますが、親会社・日本電信電話との研究開発連携契約により基盤的研究の成果を活用でき、自社リソースは応用的研究開発テーマに重点配分する構造です。今後は営業領域に加えて、マーケティング・法務・経理など多様な業務シーンで「SmartAgent」を提供していく計画です。
生成AI・LLM志向での行動 → Python基礎・LangChain・プロンプトエンジニアリングを実装ベースで押さえ、ChatGPT/Claude APIを使った業務自動化PoCを1つ語れるように準備しておくと、SmartAgentの応用イメージで議論できます。AI・DX投資ランキングで他社のAI投資規模との比較も可能です。
賭け3: 海外事業統合と収益性改善(中計目標10%への接近)
NTTデータグループの中期経営計画は、2025年度に連結売上4.7兆円・連結営業利益率10%・海外EBITA率10%(M&A・構造改革等の一時的なコストを除く)を目標としています。2025年3月期実績は売上4兆6,387億円で目標到達目前ですが、営業利益率は7.0%と未達。海外セグメントの営業利益率3.6%は中計目標10%との乖離が大きく、経営方針で最重要テーマと位置付けられています。
具体策として、海外全体の収益性・競争力を高めるため、コーポレート機能やITシステムの統合・事業ポートフォリオ変革等の事業統合を加速し、リージョナルユニット横断組織「Global Practice」を設置してグローバルでの営業強化・デリバリー効率化を進めています(2025年3月期 経営方針)。M&Aは「新たなケイパビリティの獲得や北米の事業強化」「国内ではコンサルティングやアーキテクト等の人財拡充も考慮した社会インフラ維持に向けたM&A」と方向性を分けて推進する方針です。
コンサル・PMI志向での行動 → 財務分析(EBITA・FCF)の基礎と、グローバルM&A後のPMI(統合プロセス)に関するケーススタディを1つ読み込んでおくと、海外事業統合の議論で具体性が出ます。NTTデータと富士通の比較分析で、グローバル比率の違いも合わせて確認できます。
ただし、これらの賭けには裏側のリスクもあります。次章ではNTTデータグループ自身が有報で開示しているリスクを見ていきます。
NTTデータグループが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報
事業等のリスクとは、企業自身が「経営上の脅威」として認識している項目を有報に開示するセクションです。NTTデータグループは16項目のリスクを開示しており、その中から就活生のキャリア選択に直結する3つを抽出します。

リスク1: 出資・M&A・データセンター設備投資の回収不確実性
事業等のリスク(6)で、出資・M&A・設備投資のリスクが詳しく開示されています。Global 3rd Stage達成のためM&Aを重要手段と位置付け、海外売上・シェア拡大によるプレゼンス向上を目指す一方、「海外の出資先において法的規制・税制・商習慣の相違・労使関係・各国の政治経済動向によりコントロールが及ばず事業運営が困難となる」「シナジー効果が十分に発揮できず売上利益が想定を大きく下回る」場合、のれん減損処理を行う可能性が明記されています。
特にデータセンター事業については「投資回収期間が長いため、需要が予期しない事態により想定よりも大きく減少する」リスクと、「成長分野への出資・M&A・データセンター事業への設備投資が適時適切に実施できない場合は、当社グループの持続的な成長を損なう」リスクの両面が記載されています。連結設備投資6,757億円・海外向け4,663億円という積極投資はFCFマイナス構造を生んでおり、REIT活用による資産リサイクルが投資回収サイクル早期化の要となっています(2025年3月期 事業等のリスク・経営方針)。
リスク2: 親会社NTT(議決権57.7%)による完全子会社化と上場廃止
事業等のリスク(16)「親会社の影響力」で、親会社の日本電信電話(NTT)が2025年3月末時点で議決権57.7%を保有する大株主であることが開示されています。NTTデータグループは独立して業務を営みつつ、重要な問題について同社との協議・報告を行う関係です。同社が「自らの利益にとって最善であるが、他の株主の利益とはならないかもしれない行動」をとる可能性が、リスクとして明記されています。
さらに後発事象セクションでは、「日本電信電話(公開買付者)による普通株式に対する公開買付け及びその後の一連の取引により、当社は公開買付者の完全子会社となり、当社株式が上場廃止となる予定」と記載されています。上場企業としての独立性は今後失われる方向で、NTTグループ全体最適の観点で経営方針が決まる構造に移行します(2025年3月期 事業等のリスク・後発事象)。
リスク3: 海外市場・競争環境変化と収益性改善の遅れ
事業等のリスク(7)「市場・競争環境の変化への適応」では、コンサルティング企業との競合や新規プレイヤーの参入により競争環境が依然として激化していると開示されています。中期経営計画の海外EBITA率10%目標に対して2025年3月期実績は約3.6%水準で、リージョナルユニット間の収益性のばらつきが続いています。
経営方針では「海外セグメントの質を伴った成長」のため、コーポレート機能やITシステムの統合・事業ポートフォリオ変革による事業統合を加速し、リージョン横断組織「Global Practice」の設置で営業強化・デリバリー効率化を推進すると明記されています。中計目標の達成可否は、この収益性改善施策の進捗にかかっています(2025年3月期 事業等のリスク・経営方針)。
リスクの活用 → リスクを「ネガティブ情報」として避けるのではなく、面接で「なぜそのリスクを受け入れた上で志望するのか」を語れる材料に変えてください。有報のリスク欄の読み方ガイドで、リスク開示の構造を理解しておくと、面接での返答に厚みが出ます。
ここまでの内容を踏まえて、NTTデータグループがあなたのキャリアにマッチするかを次章で確認します。
あなたのキャリアとマッチするか
本章では、ここまで見てきたNTTデータグループの戦略・投資・リスクをあなた自身のキャリア志向と照らし合わせ、噛み合うかを判断します。まず、志向別にどの情報を見るべきかをナビゲーション表で整理します。
| あなたの志向 | 該当するNTTデータの特徴 | 詳しく見る |
|---|---|---|
| クラウド・データセンター志向 | 海外設備投資4,663億円・連結6,757億円・REIT資産リサイクル | → 本記事の賭け1 |
| 生成AI・LLM志向 | SmartAgent・LITRON Sales・2027年度グローバル3,000億円目標 | → 本記事の賭け2 |
| グローバルキャリア志向 | 海外売上比率58.9%・北米/EMEAL/中国APACの3地域展開 | → 本記事のセグメント海外 |
| 上場ガバナンス重視 | 親会社NTTによる完全子会社化・上場廃止予定 | → 本記事のリスク2 |
合いそうな人
- クラウド・データセンター・インフラエンジニアリングの最前線で経験を積みたい人
- 海外赴任・グローバル案件(北米・欧州・APAC)に挑戦したい人
- 生成AI・LLM・AIエージェントの応用研究・社会実装に関心がある人
- 官公庁・金融機関の大規模基幹システムを支えるキャリアを志向する人
- M&A・PMI・事業統合プロジェクトに関わりたい人
合わないかもしれない人
- 純粋なB2C・コンシューマプロダクトを作りたい人 → 楽天グループの有報分析
- 上場企業ガバナンス下で株式報酬を重視するキャリアを描く人 → オービックの有報分析
- 短期間の意思決定・小回りの利くスタートアップ的環境を望む人 → サイバーエージェントの有報分析
- 日本国内のみで完結するキャリアを望む人(売上の59%が海外) → 富士通の有報分析
従業員データ
NTTデータグループの従業員データも判断材料になります。連結従業員数は197,777人と、富士通やNRIを大きく上回るグローバル規模です。一方で親会社(持株会社)単体は1,592人と経営管理機能に特化しており、就職先の大半は株式会社NTTデータ・株式会社NTT DATA, Inc. などの事業子会社になります。親会社単体の平均年齢は39.7歳、平均勤続年数は14.1年、平均年収は923万円です(2025年3月期 従業員の状況)。
平均年収923万円・勤続14.1年は持株会社1,592人だけの数字。有報の従業員データは2023年7月の持株会社化以降、経営管理機能に特化した親会社のものだけが記載されており、実際の就職先となる株式会社NTTデータや海外子会社の条件はこの数字には含まれていません。「923万円」を独り歩きさせず、応募する事業会社の処遇を別途確認する姿勢が、就活ではむしろ評価ポイントになります。
今から学ぶべき分野
有報が示す投資方針から、NTTデータグループで活躍するために今から学ぶべきことを整理しました。
| 投資方針 | 今から学べること | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| データセンター×グローバル設備投資 | クラウド基盤・データセンターのPUE/冷却/電力効率の基礎 | AWS Cloud Practitioner / Azure Fundamentals / GCP Associate Cloud Engineer のいずれかを取得。NTTデータのIRリリース(データセンター稼働事例)を1本読み込む |
| 生成AI「SmartAgent」 | LLM・プロンプトエンジニアリング・AIエージェント設計 | Python基礎を押さえた上で、LangChainやLlamaIndexを使った業務自動化PoCを1つ実装。LITRON Salesのプレスリリースを読み、応用領域を1分で語れるようにする |
| 海外事業統合・グローバルPM | 英語ビジネス会話・PMP/PMBOK・財務分析の基礎 | TOEIC 800点以上を目標にし、PMP受験準備でPMBOK基礎を習得。有報の投資セクションの読み方を実践し、海外案件の財務インパクトを語れるようにする |
最後に、ここまでの分析を面接で実際に語れる形に落とし込みます。
面接で使える有報ポイント
ここまでの分析を面接の場で実際に使えるフレーズに変換します。「有報を読みました」と伝えるだけでも企業研究の深さは伝わります。さらに、具体的な数値とストーリーを結びつけることで面接官の印象に残るレベルになります。
NTTデータの面接── 「なぜ富士通やアクセンチュアではなくNTTデータか」と聞かれたとき
有報を拝見し、海外売上比率が58.9%、海外設備投資が4,663億円と日本の約2.5倍という規模感に注目しました。富士通が国内公共・金融SIに重心を戻しているのに対し、NTTデータグループはNTT Ltd.統合を経てグローバルITインフラ企業に重点シフトしている点が、自分のグローバルキャリア志向と最も合うと感じました。生成AI「SmartAgent」で2027年度グローバル3,000億円の売上を目指す方針も、応用研究の打席が多い環境として魅力的です。
NTTデータの面接── 「親会社NTTによる完全子会社化をどう捉えるか」と聞かれたとき
2025年3月期の有報の後発事象に、親会社NTTによる公開買付けで完全子会社化・上場廃止が予定されていると明記されている点を確認しました。上場企業としての独立性は失われる方向ですが、NTTグループ全体最適でデータセンター・IOWN・グローバルITサービスの連携が深化する側面もあると理解しています。私はグループ統合後のシナジー創出に関わるキャリアに関心があるため、この構造変化はむしろ志望動機を強める材料です。
面接で伝えるべき3つの軸
- 志望分野とNTTデータのセグメント実績を1対1で結びつける。データセンター・生成AI・グローバル収益性改善のどの軸を選んだかを、有報の数値(海外4,663億円・連結6,757億円・3,000億円目標)で裏付けて語る
- 中計目標の未達と改善施策をセットで語る。連結営業利益率10%目標に対する実績7.0%・海外EBITA率10%目標に対する3.6%という具体数値と、Global Practice横断組織での改善方針を結びつける
- 完全子会社化という構造変化を前提に志望動機を組み立てる。独立上場時代のイメージのままでなく、NTTグループ統合後のキャリアパスを自分の言葉で描く
逆質問の例
- 「海外設備投資4,663億円のうちデータセンター事業の比率と、REITを活用した投資回収サイクルの足元の進捗はいかがでしょうか?」
- 「海外セグメントの営業利益率3.6%を中計目標10%に近づけるために、Global Practiceや横断組織は新卒のどんな役割を想定していますか?」
- 「SmartAgentの2027年度グローバル3,000億円売上目標の達成シナリオで、新卒エンジニア・コンサルが関われる領域はどこにあるでしょうか?」
避けるべきこと: 「NTTグループだから安定していそう」「IT業界で大手だから」など、有報の情報を使わない志望理由です。有報の本質は企業の戦略とリスクの開示であり、就活生が読むべきはその会社が何に賭けているかです。
面接での有報活用法の詳細は有報を面接で活かす方法、ESで使える具体的なフレーズは有報データをESに落とし込む技術もあわせてご覧ください。
まとめ
この記事のポイント3選
- NTTデータグループは海外売上比率58.9%・海外設備投資4,663億円のグローバルITインフラ企業に変貌したが、海外営業利益率3.6%(日本10.6%)の格差解消が中計の最重要課題として残っている
- 3つの賭け(データセンター×海外設備投資・生成AI「SmartAgent」2027年度3,000億円目標・海外事業統合×Global Practice)は有報の経営方針・研究開発活動・セグメント情報で具体施策まで裏付けられている
- 親会社NTT(議決権57.7%)による完全子会社化・上場廃止が2025年3月期 後発事象に明記されており、独立上場時代のイメージから NTT グループ統合企業への移行を前提に志望動機を組み立てる必要がある
次のアクション →
- 面接対策を一気に深めたい方は → NTTデータの面接対策記事
- 同業他社と比較したい方は → 富士通の有報分析 ・ 親会社NTTの有報分析
- IT業界全体を俯瞰したい方は → IT業界の投資動向と将来性
本記事は有価証券報告書(2025年03月期)に基づく企業分析であり、投資判断を目的としたものではありません。就活におけるキャリアマッチの判断材料としてご活用ください。