| この記事でわかること |
|---|
| 1. 主要企業の女性管理職比率ランキング──ダイバーシティの実態を数字で比較 |
| 2. 業界別の傾向と、比率を左右する構造的要因 |
| 3. 女性管理職比率データを就活で活用する方法 |
2023年の有報改正で、上場企業は女性管理職比率の開示が義務化されました。これにより、企業のダイバーシティを「数字」で比較できるようになっています。
企業の採用ページでは「多様性を推進」と書かれていても、実態が伴っているかは有報の数字を見なければわかりません。
人的資本情報の読み方は有報の人的資本情報の読み方で詳しく解説しています。
女性管理職比率ランキング
主要企業の女性管理職比率を比較します。
| 順位 | 企業名 | 女性管理職比率 | 業界 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | リクルート | 約30% | IT/サービス | 人材サービス企業として率先 |
| 2 | メルカリ | 約25% | IT | ベンチャー気質。多様性重視 |
| 3 | ソニー | 約20% | IT/製造 | グローバル基準のガバナンス |
| 4 | 三菱UFJ | 約18% | 金融 | メガバンクでは先行 |
| 5 | 伊藤忠 | 約12% | 商社 | 商社の中では高い水準 |
| 6 | 味の素 | 約12% | 食品 | グローバル食品企業 |
| 7 | NTTデータ | 11.9% | IT/SIer | 目標15%に向け改善中 |
| 8 | 日立 | 約10% | 製造 | 目標を掲げて推進中 |
| 9 | トヨタ | 約8% | 製造 | 製造業の構造的課題 |
| 10 | 東京海上 | 約7% | 保険 | 保険業界の課題 |
※各社有報の人的資本情報に基づく。連結/単体の開示範囲は企業により異なる
業界別の傾向と構造的要因
なぜ業界で差が出るのか
| 業界 | 女性管理職比率の傾向 | 構造的要因 |
|---|---|---|
| IT/サービス | 高め(15〜30%) | 知識労働中心。リモートワーク普及 |
| 金融 | 中程度(10〜20%) | 総合職採用の歴史。改革進行中 |
| 商社 | やや低い(8〜15%) | 海外駐在・転勤が多い |
| 製造業 | 低め(5〜10%) | 工場勤務・技術職の男性比率が高い |
| インフラ | 低め(5〜8%) | 現場作業・交替勤務が多い |
比率を読むときの注意点
- 連結 vs 単体: 海外子会社を含む連結と国内単体では数値が大きく異なる場合がある
- 管理職の定義: 課長以上/部長以上など、企業ごとに管理職の定義が異なる
- 業界平均との比較: 絶対値よりも同業界内での相対位置が重要
女性管理職比率と合わせて見る指標
女性管理職比率だけでは企業の実態は見えません。以下の3指標セットで確認すると実態が見えます。
| 指標 | わかること | 有報の記載場所 |
|---|---|---|
| 女性管理職比率 | 女性のキャリアアップ環境 | 従業員の状況 |
| 男性育休取得率 | 男性の育児参加への理解度 | 従業員の状況 |
| 男女賃金格差 | 実質的な待遇の平等性 | 従業員の状況 |
3指標で見る企業例
| 企業 | 女性管理職比率 | 男性育休取得率 | 男女賃金格差 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| リクルート | 約30% | 約60% | 約80% | 3指標とも高水準。実態を伴う |
| 伊藤忠 | 約12% | 96% | 約97% | 育休率・賃金格差とも業界トップ水準 |
| トヨタ | 約8% | 約30% | 約70% | 製造業の構造的課題が反映 |
就活での活用法
ESでの活用
「御社の有報で女性管理職比率が業界平均を上回る{X}%であることを確認しました。多様な人材が活躍できる環境は、{自分の経験}からも重要だと考えており、御社でキャリアを築きたいです。」
面接の逆質問での活用
「有報で女性管理職比率が{X}%と拝見しましたが、今後の目標値と、達成に向けた具体的な施策を教えてください。」
「有報で男性育休取得率が{X}%とのことですが、実際に取得された方の周りの反応はいかがですか?」
注意点
| NG | OK |
|---|---|
| 「御社の比率は低いですね」 | 「業界平均と比較して、今後の取り組みを教えてください」 |
| 数字だけで企業を否定 | 数字を出発点に、取り組みの方向性を質問 |
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| データの見方 | 女性管理職比率だけでなく、育休取得率・賃金格差と3点セットで見る |
| 業界差 | IT/サービスが高く、製造業・インフラは構造的に低い傾向 |
| 就活での使い方 | 数字を出発点に、企業の取り組みの方向性を質問する |
ダイバーシティは「掛け声」ではなく「数字」で比較する時代です。有報の人的資本データを活用して、本当に多様性を推進している企業を見極めましょう。
- 人的資本の読み方 → [有報の人的資本情報の読み方]
- 人的資本ランキング → [人的資本開示ランキング]
- 年収の比較 → 平均年収ランキング
本記事のデータは各社の有価証券報告書(EDINET)に基づいています。ランキングは参考情報であり、投資判断を目的としたものではありません。