りそなホールディングスを「メガバンクの下位互換」「公的資金で再建途上の銀行」と片付けて面接に臨むと、その認識のずれは最初の質問で見抜かれます。有報をめくれば、法人部門の与信費用控除後業務純益2,313億円が前年比+889億円と跳ね上がり、経常利益も5期前1,909億円から当期2,921億円へ+53%伸びている。この構造のどこに自分の関心を重ねられるかを言語化できれば、ほかの就活生とは明確に差がつきます。
りそなホールディングス(8308)は、預金と貸出だけで食べている銀行というより、銀行・信託・不動産を一つの法人のなかでまとめて扱える「信託併営銀行」を中核に置いた、国内リテール金融グループです。メガバンクが海外と投資銀行業務にアクセルを踏むなか、りそなは経常収益の9割超を国内で稼ぐポジションを意図して選んでいます。親世代が口にする「公的資金の銀行」というイメージは過去のスナップショットに過ぎず、いまのりそなは公的資金完済後の成長フェーズに移っています。

この記事のデータはりそなホールディングスの有価証券報告書(2025年03月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 主要な経営指標等の推移
りそなホールディングスのビジネスの実態|何で稼いでいるのか
要点から先に置きます。りそなのセグメントは個人部門・法人部門・市場部門の3つに整理されており、このうち法人部門が業務粗利益4,579億円・与信費用控除後業務純益2,313億円で、グループの利益エンジンを担っています。「銀行は預金と貸出で食べている」という素朴なイメージとは違って、信託・不動産・事業承継といった非金利収益が前面に出てきている。これが、2025年03月期のセグメント情報から読み取れる現在地です(セグメント情報の読み方ガイドも併せて読むと、銀行業のセグメントの組み立てが腹落ちしやすくなります)。

| セグメント | 業務粗利益 | 与信費用控除後業務純益 | 前期比(与信費用控除後) |
|---|---|---|---|
| 法人部門 | 4,579億円 | 2,313億円 | +889億円 |
| 個人部門 | 3,561億円 | 1,284億円 | +625億円 |
| 市場部門 | △1,147億円 | △1,193億円 | △996億円 |
| その他・調整 | △72億円 | △35億円 | ─ |
| 合計 | 6,921億円 | 2,368億円 | ─ |
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 セグメント情報
pie title 業務粗利益のセグメント別構成(2025年03月期、絶対値ベース)
"法人部門" : 4579
"個人部門" : 3561
法人部門と個人部門のリテール2部門を合算した業務粗利益は8,140億円。市場部門は△1,147億円と一見ボトムですが、この数字には仕切りレート変更による収益移転△1,231億円が含まれており、その分はリテール2部門の金利収益として振り替えられています。つまり、市場部門だけ取り出して「赤字事業」と読むのは早合点で、グループ全体の業務粗利益はあくまで合計6,921億円のプラス。市場部門は、個人・法人の収益を内側から支える社内インフラとして設計されているわけです。
ここからは、特に動きが大きい3セグメントを順に掘り下げます。
法人部門|信託・不動産・承継のフィー軸で利益急拡大
法人部門の与信費用控除後業務純益は2,313億円で、3セグメント中の最大利益源です。前期の1,423億円から+889億円という伸びは、企業向け貸出の利息収益だけでは説明がつきません。信託活用の資産運用、不動産業務、企業年金、事業承継――いわゆる信託併営銀行ならではのフィービジネスが、利益のかさ増し分を作っています。顧客の中心は中堅・中小企業で、メガバンクが大企業向け投資銀行業務に重心を置くのとは別レーンです。中期経営計画にも「事業承継・資産承継分野における専門人財のさらなる増強」と明記されており、フィー収益型のキャリアパスが組織側から要請されている点は見逃せません。
個人部門|個人ローン・資産承継のリテール基盤
個人部門は業務粗利益3,561億円・与信費用控除後業務純益1,284億円。業務粗利益は前期の2,795億円から+767億円積み上がりました。住宅ローンを中心とする個人ローン、資産運用、資産承継コンサルティングがこのセグメントの柱です。首都圏のりそな銀行・埼玉りそな銀行、関西圏の関西みらい銀行・みなと銀行という4銀行の店舗網が動かしているため、対面コンサルとデジタルチャネルを組み合わせた地域密着のリテールバンキングが具体像です。中期経営計画が掲げる「リアルチャネルとデジタルチャネルの一体化」「データ利活用の高度化」は、抽象的な合言葉ではなく、この個人部門の収益力を底上げするための実装方針として読むべきものです。
市場部門|資金為替・債券の調達運用と振替機能
市場部門は業務粗利益△1,147億円・与信費用控除後業務純益△1,193億円。資金・為替・債券・デリバティブの調達と運用がメイン業務ですが、この粗利益のなかに仕切りレート変更による収益移転△1,231億円が含まれているのが鍵です。仕切りレートは、市場部門で集めた資金を個人・法人部門に振り向けるときの社内金利で、その差分はリテール2部門の金利収益として計上されている。だからグループ合算では業務粗利益6,921億円のプラスに着地する仕組みです。とはいえ、市場業務リスクが集約される場所でもあり、ALM(資産負債管理)機能としてグループ全体の体幹を担っているのもこのセグメント。「赤字部門」というラベルではなく、「中央集中型のALM機能」と読み換えるほうが実態に近いはずです。
5年間の推移をもう一度見てみます。経常収益は4期前の8,236億円から当期1兆1,174億円へ+35.7%、親会社株主純利益は1,244億円から2,133億円へ+71.5%、ROEは5.66%から7.77%へ。海外M&Aや資源価格で跳ねたわけではなく、国内リテールの深耕とフィー収益の積み上げで作り上げた数字です。
| 指標 | 4期前 | 3期前 | 2期前 | 前期 | 当期(2025/3) |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 8,236億円 | 8,447億円 | 8,679億円 | 9,416億円 | 1兆1,174億円 |
| 経常利益 | 1,909億円 | 1,587億円 | 2,276億円 | 2,229億円 | 2,921億円 |
| 親会社株主純利益 | 1,244億円 | 1,099億円 | 1,604億円 | 1,589億円 | 2,133億円 |
| ROE | 5.66% | 4.62% | 6.47% | 6.02% | 7.77% |
| 総資産 | 73.7兆円 | 78.2兆円 | 74.8兆円 | 76.2兆円 | 77.4兆円 |
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 主要な経営指標等の推移
国内集中とグローバル成長余地はトレードオフ。経常収益の9割超が国内という構造は、海外金融市場の混乱から相対的に守られている一方で、海外M&Aや海外金利裁定で大きく跳ねる局面の上振れ余地は手放しています。「国内リテールで着実に積み上げる会社」と理解したうえで志望することが、入社後のキャリア期待を実態と揃える前提になります。
このリテール集中ポートフォリオは、りそなが次の3年で何に資金を投じることで作られているのか。続く章で投資の中身を見ていきます。
りそなホールディングスは何に賭けているのか|投資と研究開発の方向性
設備投資・事業投資のセクションは、企業が「この先の何に資金を流しているか」を映し出す部分です。銀行業の場合、工場や生産ラインではなく、システム関連投資・店舗網の再編・グループ統合の形で資金が動く――この点は事業会社とは読み筋が異なります(投資セクションの読み方ガイド)。りそなが掲げる長期ビジョン「リテールNo.1」と中期経営計画の「価値創造力の強化」「経営基盤の次世代化」は、以下3つの賭けとして数字に現れています。

| 賭けの領域 | 定量的根拠(2025年03月期) | 期間 | 全社利益への寄与 |
|---|---|---|---|
| リテール×信託・不動産一体モデル | 法人部門の与信費用控除後業務純益2,313億円(前年比+889億円) | 中期計画期間(2023〜2025年度) | 業務粗利益で全社の66%、純利益2,133億円の中核 |
| 金利上昇局面の預貸ビジネス深耕 | 経常利益2,921億円(5期前1,909億円から+1,012億円・+53%) | 中長期(中計期間+政策金利正常化局面) | 純利益5期で+71.5%、ROE5.66%→7.77% |
| 関西みらいFG統合×システム再構築 | 設備投資総額523億円(システム関連を含む) | 中期計画期間(2023〜2025年度) | 個人・法人2部門の業務粗利益が前期比+767億円・+867億円 |
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 経営方針・設備投資等の概要・セグメント情報
賭け1: リテール×信託・不動産一体モデル|信託併営銀行という構造的差別化
りそなの差別化要因を一言で挙げるなら、銀行・信託・不動産を同一法人のなかでひとつのチームが扱える「信託併営銀行」という形そのものです。メガバンクは銀行と信託銀行を別会社として動かしますが、りそなはひとりの担当者が融資・信託・不動産・事業承継までを一気通貫で引き受けられる。法人部門の与信費用控除後業務純益が前年比+889億円ジャンプした背景には、企業向け貸出の金利収益だけでなく、企業年金・事業承継・資産承継・不動産業務といった信託併営ならではのフィー積み上げが効いています。
中期経営計画の注力領域は7本(中小企業向け貸出・事業承継・資産承継・キャッシュレスDX・資産形成サポート・企業年金・住まい)。どれもメガバンクの主戦場である大型グローバルファイナンスとは方向違いで、いずれも国内リテールと信託機能を必要とするテーマばかりです。事業承継・資産承継分野での専門人財増強も計画に書き込まれており、若手から信託・不動産の専門性を積み上げられる人事方針が、文字どおり数字と整合しています。
信託・不動産・承継志望での行動 → 信託併営銀行という制度的特徴と、メガバンクの「銀行+信託銀行子会社」体制との違いを、自分の言葉で1本の説明として組み立てておきましょう。メガバンクの有報比較で構造の違いを整理しておくと、面接での具体的な質問に厚みが出ます。
賭け2: 金利上昇局面の預貸ビジネス深耕|国内特化が正常化を直接取りに行く
経常利益2,921億円は、5期前の1,909億円から+1,012億円・+53%の伸び。中期経営計画も「マイナス金利政策が解除されるなど、国内金融・経済環境も大きく変化しようとしています」と前提に置いており、貸出金平残の積み上げと利回り上昇がほぼ同時に進行した結果がこの数字に集約されています。経常収益も5期で8,236億円→1兆1,174億円と+35.7%拡大しました。
メガバンクが海外金利でリスクを分散するのに対し、りそなは経常収益の9割超を国内で稼ぐため、国内金利上昇の追い風をもっとも直接的に受け取る構造になっています。裏返せば、金利が低下に振れたとき、預貸金利益はそのままダメージを受ける――ALM(資産負債管理)と有価証券ポートフォリオの運営力が、グループ業績にダイレクトに効きやすい体質ということでもあります。中期経営計画はこの正常化局面を所与として組み立てられた計画であり、金利環境の前提が崩れたときに何が起きるかを言語化できるかどうかが、面接でも分岐点になります。
金利・ALM志望での行動 → 預貸金利益の利ざや・ALMの基礎・有価証券ポートフォリオの金利感応度を一通り押さえておきましょう。有報のリスク欄の読み方ガイドで市場業務リスクの開示形式を把握しておくと、金利逆回転シナリオの議論で深みが出ます。
賭け3: 関西みらいFG統合×システム再構築|首都圏×関西圏の二大基盤
2024年4月、りそなホールディングスを存続会社、関西みらいフィナンシャルグループを消滅会社とする吸収合併が実施されました。これに伴って報告セグメントは「個人部門・法人部門・市場部門・関西みらいFG」の4区分から、「個人部門・法人部門・市場部門」の3区分に組み直されています。当連結会計年度のシステム関連を含む設備投資総額は523億円。みなと銀行の事務システム統合、預金・為替の店頭事務体制の解体・再構築、融資・住宅ローン・信託分野の業務プロセス再構築――いずれも中期経営計画に書き込まれた、抜本改革レベルのプロジェクトです。
統合効果はすでに数字に表れ始めています。法人部門の業務粗利益は前期3,711億円→当期4,579億円(+867億円)、個人部門は2,795億円→3,561億円(+767億円)と、両部門でそろって積み上がりました。連結総資産77兆3,708億円・連結従業員20,174名というグループ規模で、首都圏(りそな銀行・埼玉りそな銀行)と関西圏(関西みらい銀行・みなと銀行)の二大営業基盤を一体運営する形がいま組み上がっているところです。
システム・組織再編志望での行動 → グループ事務システム統合・店頭事務体制の解体再構築という抜本改革プロジェクトは、逆質問で具体的に踏み込めるテーマです。投資セクションの読み方ガイドで銀行業の設備投資の特徴を整理しておくと、面接で自分の関心と接続させやすくなります。
ただし、リテール集中戦略には裏側のリスクが必ずあります。次章では、りそな自身が有報で開示しているリスクを見ていきます。
りそなホールディングスが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報
「事業等のリスク」は、企業自身が経営上の脅威として認識している項目を有報に記載するセクションです。りそなが開示する数多くのリスクのなかから、就活生のキャリア選択に直結する3本を抜き出します。

| リスク | 影響範囲 | 学生にとっての関連度 | 有報の根拠 |
|---|---|---|---|
| 国内リテール集中による成長限界 | 全社(経常収益90%超が国内) | 高: 海外志向だと方向性が合わない/逆に国内深耕志向ならむしろ強み | 8308.json#segments(地域ごとの情報で本邦経常収益が90%超) |
| 金利変動・有価証券評価損益悪化 | 全社(市場部門・有価証券ポートフォリオ) | 中: ALM・市場業務志望なら必須/預貸金利益への影響が論点 | 8308.json#risks(保有有価証券の評価損益悪化・市場業務リスク) |
| 特定業種への与信集中(不動産関連業種を含む) | 全社の与信ポートフォリオ | 高: 与信審査・リテールローン志望なら必ず触れる論点 | 8308.json#risks(特定業種への与信集中リスク) |
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 事業等のリスク
リスク1: 国内リテール集中による成長限界|海外がほぼ無いという両面性
有報には「本邦の外部顧客に対する経常収益が連結損益計算書の経常収益の90%を超える」と明記されています。海外連結子会社の規模はごく限定的で、海外事業による収益分散はほとんど効いていません。中期計画のトップリスクには「社会構造・産業構造の変容に伴う競争力低下等」が並び、「預金獲得競争激化による預金調達力の低下」「必要な人財の不足や生産性向上の遅れ」が具体シナリオとして列挙されています。少子高齢化と地方経済の縮小は、中長期で収益基盤を圧迫し得る構造的リスクです。とはいえ、これは「意図して国内リテールを選んだ」戦略的なポジション取りの裏返しでもあり、海外の不確実性から距離を置く判断と読むこともできます。
リスク2: 金利変動・有価証券評価損益悪化|金利は両刃の剣
有報のトップリスクには「保有有価証券の評価損益悪化」も含まれており、「金融・経済環境の変動や金融政策変更への対応の遅れ、地政学リスクの高まり(株価下落・金利上昇等)による有価証券評価損益悪化」がリスクシナリオとして書かれています。市場部門の業務粗利益△1,147億円のなかに仕切りレート変更影響△1,231億円が含まれている点は前章で触れたとおりですが、市場業務単体で見ると、金利環境の変化がほぼダイレクトに数字に乗ってくる領域です。当期は金利上昇が追い風として働きました。一方で、金利が低下に転じた局面では、預貸金利益の縮小と有価証券ポートフォリオの双方に影響が波及します。ALM・市場業務を志望するなら、有価証券ポートフォリオの戦略的入替や金利感応度の管理が、日常業務のテーマとして降りてくるイメージです。
リスク3: 特定業種への与信集中|不動産市況と連動するリスク
有報のリスク欄には、「特定の業種等に与信が集中することにより、景気や経済の構造的な変動等が生じた際、それら特定分野の業績や資産価格が影響を受け、当グループの不良債権や与信費用が増加する可能性」が明記されています。続けて「各グループ銀行等において特定の業種の与信残高に一定の協議ポイントを設定する等により、業種集中リスクコントロールに努めております」とも書かれており、不動産関連業種を含む業種集中が、経営上の重要な論点として認識されていることがわかります。不動産価格が下落する局面に入れば、住宅ローンと法人貸出の両面から与信費用が増えるリスクがあります。与信審査やリテールローンを志望する学生にとっては、避けて通れないテーマです。
リスクの活用 → リスクは「ネガティブ情報」ではなく、「なぜそのリスクを引き受けたうえで志望するのか」を語る材料に組み替えてください。有報のリスク欄の読み方ガイドでリスク開示の構造を押さえておくと、面接での返答に厚みが出ます。
ここまでの内容を踏まえて、りそながあなたのキャリアにマッチするかを次章で確認します。
あなたのキャリアとマッチするか
ここまで見てきた戦略・投資・リスクを、自分のキャリア志向と並べて噛み合うかを確認するパートです。まずは志向別にどこを読み返せばよいかをナビゲーション表で整理します。
| あなたの志向 | 該当するりそなの特徴 | 詳しく見る |
|---|---|---|
| 国内リテール深耕志向 | 法人部門+889億円・個人部門+625億円のフィービジネス拡大 | → 本記事の賭け1 |
| 金利・ALM志向 | 経常利益5期で+53%・マイナス金利政策解除局面 | → 本記事の賭け2 |
| グループ統合・組織再編志向 | 関西みらいFG吸収合併・設備投資523億円 | → 本記事の賭け3 |
| グローバル金融志向 | 経常収益90%以上が国内・海外連結子会社は限定的 | → 本記事のリスク1 |
合いそうな人
- 国内リテールで個人・中堅中小企業と深く関わりたい人
- 信託・不動産・承継のフィービジネスを若手から積み上げたい人
- 首都圏・関西圏で地域に根ざした金融キャリアを築きたい人
- 金利正常化局面の預貸ビジネス・ALMに関心がある人
合わないかもしれない人
- 海外で働きたい・グローバル金融に携わりたい人 → 三菱UFJの有報分析
- 投資銀行業務やM&Aアドバイザリーを軸に成長したい人
- メガバンク規模の大型海外案件に携わりたい人
- 銀行業務に閉じない事業会社経営を志向する人
従業員データ
従業員データも、入社後のイメージをすり合わせる手がかりになります。
| 項目 | データ(2025年03月期) |
|---|---|
| 従業員数(連結) | 20,174名 |
| 従業員数(HD単体) | 1,974名 |
| 平均年齢(HD単体) | 44.9歳 |
| 平均勤続年数(HD単体) | 15.0年 |
| 平均年間給与(HD単体) | 889万円(基準外賃金及び賞与含む) |
出典: りそなホールディングス 有価証券報告書 2025年03月期 従業員の状況
平均年収889万円(HD単体)はホールディングスの少数精鋭構造を映した数字。連結20,174名の現場業務はりそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行の各銀行が担い、HD単体1,974名は経営管理・グループ統括の機能に特化しています。新卒の多くが配属されるのは各銀行のほうで、その待遇水準と平均勤続年数15.0年が示す長期就業構造を踏まえてキャリアを描くと、入社後のギャップが小さくなります。
今から学ぶべき分野
有報に書かれた投資方針から、りそなで活躍するために今から積んでおきたい知識を整理します。
| 投資方針 | 今から学ぶべきこと | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| 信託・不動産・承継のフィービジネス | 信託・不動産・相続・事業承継の基礎 | FP2級・宅建士・相続診断士の学習、セグメント情報の読み方ガイドで銀行業のセグメント特性を把握 |
| 国内預貸ビジネス・ALM | 金利・ALM・有価証券ポートフォリオの基礎 | 簿記2級、日銀の金融政策決定会合をフォロー、経済新聞の金融面を週単位で読む |
| 関西みらいFG統合・システム再構築 | 業務プロセス改革・システム統合のフレーム | プロジェクトマネジメント基礎、有価証券報告書の読み方完全ガイドで設備投資・経営方針セクションの読み方を実践 |
| 中期経営計画の7つの注力領域 | 中小企業金融・資産形成・キャッシュレスDX等の業界知識 | 7領域から1つ選び業界レポートを月1で読む、有報の経営方針セクションを精読 |
最後に、ここまでの分析を面接で実際に語れる形に落とし込みます。
面接で使える有報ポイント
ここまでの分析を、面接の場で口に出せるフレーズに変換するパートです。「有報を読みました」と添えるだけでも企業研究の深さは伝わりますが、具体的な数値とストーリーを結び合わせることで、面接官の記憶に残るレベルまで持ち上がります。
りそなホールディングスの面接── 「なぜメガバンクではなくりそなか」と聞かれたとき
セグメント情報を拝見し、法人部門の与信費用控除後業務純益が2,313億円と前年比+889億円も伸びている点に注目しました。背景には信託活用の資産運用・不動産業務・企業年金・事業承継というフィービジネスの厚みがあり、信託併営銀行として銀行・信託・不動産を同一法人内でワンストップ提供できる構造が、メガバンクの『銀行+信託銀行子会社』体制との明確な差別化になっていると理解しています。経常収益の90%以上が国内というリスクは認識したうえで、私は国内リテールの深耕とフィービジネスのキャリアに自分を重ねたいと考えています。
りそなホールディングスの面接── 「金利が逆回転したらどうなりますか」と聞かれたとき
当期は経常利益2,921億円が5期前の1,909億円から+53%伸び、有報にもマイナス金利政策の解除が国内金融環境の大きな変化として明記されており、金利正常化が追い風になっています。一方で、有報のトップリスクには『保有有価証券の評価損益悪化』が含まれており、市場部門の業務粗利益も△1,147億円で仕切りレート変更影響△1,231億円を抱えています。金利低下局面に転じれば預貸金利益が縮小し、有価証券ポートフォリオの戦略的入替が業績を左右します。だからこそALM・市場業務の運営力が、国内特化型のりそなの競争力に直結すると考え、その領域で力を発揮したいと思っています。
面接で伝えるべき3つの軸
- 志望分野とりそなのセグメント実績を1対1で結びつける。信託・国内預貸・グループ統合のどの軸を選んだかを、有報の業務粗利益・与信費用控除後業務純益で裏付けて語る
- 「再建から成長へ」を経常利益+53%・ROE5.66%→7.77%で裏付ける。公的資金完済済みかつ中計目標ROE8%圏内に到達した事実を、抽象論ではなく数字で示す
- 国内集中・与信集中という弱みにも触れる。有報のリスク欄に明記されたリスクをセットで語ることで、PRに依存しない判断ができる姿勢を示す
逆質問の例
- 「法人部門の与信費用控除後業務純益が前年比+889億円と急拡大しているとのことですが、信託活用の資産運用・不動産業務・企業年金・事業承継のうち、新卒が早期に関われる領域はどこですか」
- 「中期経営計画ではROE8%が目標で、当期は7.77%まで到達されています。2026年度以降の長期ROE目標と、それを支える事業ポートフォリオ再編の方向性を教えていただけますか」
- 「関西みらいFG吸収合併から1年が経過し、設備投資523億円のシステム再構築も進んでいるとのことですが、首都圏×関西圏のシナジーで具体的に進んでいる取り組みを伺えますか」
避けるべきこと: 「年収が高い」「待遇がよい」など、有報の給与データだけを引いて志望理由にすることです。有報の本質は企業の戦略とリスクの開示にあり、就活生が読み解くべきは「この会社が何に賭けているか」です。
面接での有報活用法は有報を面接で活かす方法、ESで使える具体的なフレーズは有報データをESに落とし込む技術も併せてご覧ください。
まとめ
この記事のポイント3選
- りそなは法人部門の与信費用控除後業務純益2,313億円が前年比+889億円と急拡大。信託・不動産・事業承継のフィービジネスがメガバンクとの構造的差別化要因
- 経常利益2,921億円・純利益2,133億円・ROE7.77%は、5期前の1,909億円・1,244億円・5.66%から大きく改善し、中計目標ROE8%圏内に到達。「再建から成長へ」のフェーズが数字で実証されている
- 強みの裏側には3つのリスク──国内リテール集中・金利変動と有価証券評価損益悪化・特定業種(不動産業)への与信集中。強みとリスクをセットで理解して志望する姿勢が面接で評価される
次のアクション →
- 面接対策を一気に深めたい方は → りそなの面接対策記事
- 同業比較したい方は → 三菱UFJの有報分析
- 業界全体を俯瞰したい方は → メガバンク3社の有報データ比較
本記事は有価証券報告書(2025年03月期)に基づく企業分析であり、投資判断を目的としたものではありません。就活におけるキャリアマッチの判断材料としてご活用ください。