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金融 2025年03月期期

SBIの将来性|総合金融×テクノロジーの強みとリスク

最終更新: 約21分で読了
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SBIの将来性|総合金融×テクノロジーの強みとリスク

面接で「なぜSBIか」と聞かれたとき、「ネット証券最大手だから」では他の就活生と差がつきません。SBIグループが証券から銀行・暗号資産へと重心を移している理由を数字で語れれば、志望動機に説得力が生まれます。この記事を押さえれば、SBIの投資戦略と自分のキャリア志向が合うかどうかを根拠を持って判断できるようになります。

SBIホールディングスは、ネット証券最大手のSBI証券を中核に、銀行・保険・暗号資産・バイオまで5つのセグメントを展開する総合金融グループです。「SBI=ネット証券」のイメージが一般的ですが、有報を読むと証券・銀行・保険を包括する金融サービス事業の税引前利益2,253億円が連結税引前利益2,822億円の約80%を占める総合金融グループの姿が浮かびます。設備投資の78%をITに投じるテクノロジーカンパニーの側面も、有報の数字から読み取れます。

この会社が賭けているもの──1.第4のメガバンク構想、2.ゼロ革命とデジタルプラットフォーム、3.デジタルスペース生態系

この記事のデータはSBIホールディングスの有価証券報告書(2025年3月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。 金融業界全体の分析は金融業界比較|銀行・証券・保険の将来性をご覧ください。

収益(2025年3月期) 1兆4,437億円 前期比+19.3%
設備投資 935億円 前期比増加
IT投資比率 78% 935億円中725億円

SBIのビジネスの実態|何で稼いでいるのか

セグメント構成とは、企業が事業をどう区分して管理・報告しているかを示す情報です。このセクションでは、SBIホールディングスの5つの報告セグメントと5期分の業績推移を確認します。読み終えると、「SBI=ネット証券」というイメージと実態の乖離を数字で説明できるようになります。

SBIホールディングスはIFRS(国際財務報告基準)を適用しており、「売上高」ではなく「収益」、「経常利益」ではなく「税引前利益」で業績を報告しています。日本基準の証券会社と財務諸表の構造が異なる点にご注意ください。有報のセグメント情報の読み方はセグメント情報の読み方ガイドで詳しく解説しています。

セグメント収益構成比税引前利益
金融サービス事業1兆1,901億円82.4%2,253億円
投資事業1,113億円7.7%671億円
暗号資産事業806億円5.6%212億円
資産運用事業333億円2.3%54億円
次世代事業272億円1.9%△99億円
出典: SBIホールディングス 有価証券報告書(2025年3月期)セグメント情報

SBIグループのセグメント別収益構成──金融サービス事業82.4%、投資事業7.7%、暗号資産事業5.6%、資産運用事業2.3%、次世代事業1.9%

ここからは特に動きが大きい3つのセグメントを深掘りします。

Segment 01 / 金融サービス事業 税引前利益2,253億円・全体の73%/設備投資725億円集中

金融サービス事業|証券・銀行・保険の主力カンパニー

収益の82.4%を占める金融サービス事業は、証券(SBI証券)・銀行(SBI新生銀行等)・保険を包括する複合カンパニーです。税引前利益2,253億円は連結税引前利益2,822億円の約80%を占め、設備投資725億円もこのセグメントに集中投下されています(2025年3月期有報)。経営方針では「公的資金の完済を機に、SBI新生銀行の更なる飛躍に向けて第4のメガバンク構想を強力に推進」と明記されており、銀行事業を成長ドライバーに据える姿勢が読み取れます。「SBI=ネット証券」のイメージとは異なり、入社後は銀行業務(法人融資・リテール預金等)への配属可能性も十分にある点を理解しておく必要があります。

Segment 02 / 投資事業 税引前利益671億円(前期△177億円から大幅黒字化)

投資事業|PE・ベンチャー投資が市況回復で急回復

投資事業は前期の177億円の赤字から671億円の黒字へと劇的に改善しました(2025年3月期有報)。ベンチャー投資・PE投資の市況回復が利益を押し上げています。利益率は極めて高い一方、相場環境に左右されやすく、利益のブレ幅が大きいセグメントです。

Segment 03 / 暗号資産事業 収益806億円/税引前利益212億円・前年比+152%(伸び率最大)

暗号資産事業|デジタルアセット領域で利益152%増

暗号資産事業も前期の84億円から212億円へと利益が152%増加しています(2025年3月期有報)。収益も570億円から806億円へ41%増。一方、次世代事業(バイオ・ヘルスケア、Web3、再生可能エネルギー等)は99億円の赤字が続いており、収益化途上の段階です。

連結業績推移

指標4期前3期前2期前前期当期
収益5,411億円7,636億円9,569億円1兆2,105億円1兆4,437億円
税引前利益1,403億円4,127億円1,021億円1,415億円2,822億円
当期利益810億円3,668億円354億円872億円1,621億円
ROE16.0%49.4%3.7%7.7%12.8%
出典: SBIホールディングス 有価証券報告書(2025年3月期)主要な経営指標等の推移

収益は4期前の5,411億円から当期の1兆4,437億円へと2.7倍に拡大しました(2025年3月期有報)。ただし利益のブレ幅が大きい点は押さえておくべきです。3期前に当期利益3,668億円を記録した翌年には354億円まで急落し、当期は1,621億円に回復しています。この変動は投資事業の市況依存性が主な要因で、金融グループとして安定性と成長性のバランスをどう取るかが経営課題になっています。

「ネット証券最大手」のイメージと、証券・銀行・保険を束ねた金融サービス事業が連結利益の8割を稼ぐ実態のギャップ。金融サービス事業の税引前利益2,253億円が連結税引前利益2,822億円の約80%を占める構造は、SBIが既に「ネット証券」ではなく「総合金融グループ」として稼いでいることを意味します。一方で、収益2.7倍の拡大の裏側で当期利益が1期で1/10に急落した3期前のような変動も同居しており、安定して積み上げる商社型ではなく、規模拡大と多角化に賭ける成長型の収益構造です。安定性と成長性のトレードオフを引き受ける覚悟が前提になります。

ビジネスの実態を把握したところで、次はSBIグループが経営資源をどこに集中させているのか、3つの賭けを見ていきます。

SBIは何に賭けているのか|投資と研究開発の方向性

投資方針とは、企業が中期的にリソースを集中させる事業領域を指します。このセクションでは、SBIホールディングスが2025年3月期有報で開示した3つの投資領域を、金額・時間軸・財務インパクトの3軸で比較します。読み終えると、面接で「なぜこの会社の投資戦略に共感したか」を数値根拠つきで語れるようになります。

SBIグループは創業30周年(2029年3月期)に向けた新中期ビジョンで、連結税引前利益5,000億円・グループ顧客基盤1億件・海外事業比率30%・ROE15%を目標に掲げています(2025年3月期有報)。設備投資は935億円、R&D費は18.5億円を計上しています(2025年3月期有報)。有報から企業の経営戦略を読む方法は有報から経営戦略を読むガイドで解説しています。

この会社が賭けているもの──1.第4のメガバンク構想、2.ゼロ革命とデジタルプラットフォーム、3.デジタルスペース生態系

Betting 01 / 第4のメガバンク 金融サービス税引前利益2,253億円・前期+30.3%/設備投資725億円

賭け1: 第4のメガバンク構想|SBI新生銀行中核の銀行事業拡大

SBIグループが最も経営資源を集中させているのが銀行事業です。経営方針で「公的資金の完済を機に、SBI新生銀行の更なる飛躍に向けて第4のメガバンク構想を強力に推進」と明記しています(2025年3月期有報)。公的資金約1,193億円の返済を完了し、残額約2,300億円についても2025年7月に完済する方針を決定しました。

金融サービス事業の税引前利益は2,253億円で、前期の1,729億円から30.3%の増益を達成しています(2025年3月期有報)。設備投資725億円をシステム開発に集中投下しており、テクノロジーで銀行業務を効率化しながら収益力を強化する戦略です。地域金融機関との連携強化による「広域地域プラットフォーマー化」を同時に推進し、銀行業のスケールを拡大しています。新中期ビジョンの連結税引前利益5,000億円目標は、当期実績2,822億円の約1.8倍であり、この成長を牽引するのが銀行事業です。

銀行業務志望での行動 → SBI新生銀行の公的資金完済プロセスと第4のメガバンク構想の最新動向を整理しておくと、野村ホールディングスの有報分析との違いを面接で語りやすくなります。

Betting 02 / ゼロ革命×IT投資 収益1兆4,437億円・前期比+19.3%/IT投資725億円・全体の78%

賭け2: ゼロ革命とデジタルプラットフォーム拡大

SBI証券は2023年9月にオンライン国内株式売買手数料の無料化(ゼロ革命)を開始しました。手数料収入の逸失にもかかわらず、グループ全体の収益は前期比19.3%増の1兆4,437億円を達成しています(2025年3月期有報)。ゼロ革命は単なる値下げではなく、手数料をゼロにして顧客基盤を拡大し、多様な金融商品・サービスで収益化する「プラットフォーム戦略」です。

設備投資935億円のうち725億円が金融サービス事業のシステム開発に充てられています(2025年3月期有報)。IT投資比率78%は、SBIが金融グループであると同時にテクノロジーカンパニーである証拠です。大和証券グループの有報分析と比較すると、大和証券のIT投資381億円に対しSBIは725億円と、テクノロジーへの投資規模の差は約1.9倍に及びます。新中期ビジョンではグループ証券口座数3,000万の早期達成を目標に掲げ、顧客基盤1億件を目指しています。

テクノロジー×金融志望での行動 → プラットフォームビジネスの企画・運営、データ分析、UX設計の事例を1つはエピソードとして語れるよう準備し、有報から経営戦略を読むガイドで投資配分の読み方を補強しておきましょう。

Betting 03 / デジタルスペース生態系 暗号資産事業収益806億円/税引前利益212億円・前期比+152%

賭け3: デジタルスペース生態系|暗号資産・ステーブルコイン・ネオメディア

暗号資産事業セグメントの収益は806億円・税引前利益212億円と、前期(収益570億円・利益84億円)から大幅に成長しました(2025年3月期有報)。利益は前期比152%増で、5セグメント中で最も高い成長率を記録しています。

米Circle社との提携でUSDC(米ドル建てステーブルコイン)の国内初取り扱いを2025年3月に開始し、デジタルアセット領域でのポジションを強化しています(2025年3月期有報)。さらにSBIネオメディアホールディングスを設立してメディア事業にも参入し、「総合金融&メディアディストリビューター」を目指す方針です。R&D費18.5億円はほぼ全額が次世代事業セグメント、具体的にはバイオ・ヘルスケア領域(5-アミノレブリン酸を活用した医薬品開発、抗体医薬・核酸医薬の研究等)に充てられています(2025年3月期有報)。金融グループとしては珍しい研究開発投資です。

デジタルアセット志望での行動 → USDCの仕組みと国内制度改正の動向を整理し、金融業界比較|銀行・証券・保険の将来性で他社の暗号資産対応との差を把握しておきましょう。

3つの賭けの全体像を掴んだところで、次はSBIが有報で正直に開示しているリスクと課題を見ていきます。投資戦略の裏側にある不確実性を理解することで、面接で「リスクをどう見ますか」と聞かれた時にも自分の言葉で答えられるようになります。

SBIが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報

有報のリスク情報欄とは、企業が法的義務として自らの経営リスクを開示するセクションです。このセクションでは、SBIホールディングスが有報で開示している3つの注目リスクを確認します。読み終えると、SBIグループの「攻め」の戦略と「守り」の課題の両面を理解した上で、キャリア判断ができるようになります。

SBIが有報で開示するリスク──1.多角化・統合リスク、2.キーパーソン依存、3.新規事業の収益化リスク

Risk 01 / 多角化・統合リスク 5セグメント横断/連結従業員19,156人

リスク1: 多角化・統合リスク|5事業セグメントの複雑性

有報のリスク項目で「複数事業領域への事業展開に伴うリスク」を記載しています(2025年3月期有報)。金融・暗号資産・バイオ・メディアと全く異なる業界に同時に事業を展開しており、「様々な事業環境における変化をモニタリングし、適切な戦略を持って対応できるよう、リソースを配分する必要がある」と自ら認めています。

M&Aも積極的で、「買収先企業の統合が困難」「期待される成果が得られない可能性」を明記しています(2025年3月期有報)。連結従業員19,156名を擁する巨大グループの管理は容易ではなく、事業領域が広い分、配属先によって仕事内容が大きく異なる可能性があります。「SBIに入社する」と言っても、証券・銀行・保険・暗号資産・バイオのどの領域で働くかで全く別のキャリアになります。

Risk 02 / キーパーソン依存 代表取締役北尾吉孝氏/有報リスク項目16で明記

リスク2: キーパーソン依存|北尾吉孝氏への経営集中

有報のリスク項目で「当社代表取締役である北尾吉孝とその他のキーパーソンのリーダーシップに依存しており、現在の経営陣が継続して当企業グループの事業を運営できない場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります」と明記しています(2025年3月期有報)。

創業者であるトップへの依存は、迅速な意思決定というメリットの裏返しです。4つのDNA(起業家精神・スピード重視・イノベーション促進・自己進化)に代表されるトップダウン型の経営スタイルは、スピード重視の企業文化につながっています。一方で経営方針が創業者個人のビジョンに強く紐づいている点は、入社前に理解しておくべき要素です。

Risk 03 / 新規事業の収益化 次世代事業税引前利益△99億円/R&D費18.5億円集中

リスク3: 新規事業の収益化リスク|次世代事業△99億円の赤字

「新産業クリエーターを目指す」経営理念のもと新規事業を積極展開しています。一方で「初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合」の可能性を自ら認めています(2025年3月期有報)。次世代事業セグメントは99億円の赤字を計上しており、バイオ・ヘルスケア事業やWeb3関連事業の収益化にはまだ時間がかかる見通しです。

リスクの活用 → リスクを「ネガティブ情報」として避けるのではなく、面接で「なぜそのリスクを受け入れた上で志望するのか」を語れる材料に変えてください。有報のリスク情報の読み方ガイドで読み解き方を確認できます。

リスクを理解した上で、次は自分のキャリア志向とSBIグループの方向性が合うかどうかを判断していきます。

あなたのキャリアとマッチするか

キャリアマッチとは、自分の志向と企業の方向性の一致度です。このセクションでは、SBIグループの投資方針から逆算した「合う人・合わない人」の具体像、従業員データ、他社比較を整理します。読み終えると、SBIグループがあなたのキャリア志向に合うかどうかを判断できるようになります。

SBIの方向性に合う人・合わない人

合う人

  • 変化のスピードが速い環境でチャレンジしたい人(4つのDNA: 起業家精神・スピード重視・イノベーション促進・自己進化)
  • テクノロジー×金融のキャリアに興味がある人(設備投資の78%がIT関連)
  • グループ全体の企業生態系の中で幅広い経験を積みたい人(5セグメント・連結19,156人)
  • デジタルアセット・暗号資産・Web3.0領域に関心がある人

合わない人

  • 安定・保守的な企業文化を求める人(平均勤続5.7年・トップダウン型経営) → 野村ホールディングスの有報分析
  • 一つの専門領域を深く極めたい人(事業領域が広く配属先が読めない) → 大和証券の有報分析
  • 創業者への依存が気になる人(北尾氏への依存リスクが有報に明記)

従業員データ

項目データ補足
連結従業員数19,156人5セグメントにまたがる巨大グループ
親会社単体351人持株会社のため少数精鋭
平均年齢40.4歳持株会社単体の数値
平均勤続年数5.7年金融業界としては短い水準
平均給与976.9万円持株会社単体(351人)の数値
出典: SBIホールディングス 有価証券報告書(2025年3月期)従業員の状況

平均勤続5.7年は「短い」のではなく「変化のスピード」の裏返し。金融業界としては短い水準ですが、これは離職率が高いだけでなく、4つのDNA(起業家精神・スピード重視・イノベーション促進・自己進化)と5セグメント・連結19,156人の事業領域拡大に適応した人材が外部からも集まる流動性の高さを反映しています。「同じ会社で20年積み上げる」キャリア観を持つ人には合いませんが、「数年単位で事業領域を横断する」キャリア観の人には向く構造です。安定の対価としての勤続年数か、変化の対価としての勤続年数かは、入社前に自分の志向と照らし合わせる必要があります。

証券業界3社比較

項目SBIホールディングス野村ホールディングス大和証券グループ本社
収益規模1兆4,437億円1兆8,925億円6,460億円
戦略の軸総合金融プラットフォーム証券専門性+海外展開ウェルスマネジメント+安定収益
IT投資725億円-381億円
平均勤続年数5.7年4.4年(HD)13.7年
出典: 各社有価証券報告書(2025年3月期)

野村ホールディングスの有報分析と比較すると、野村は証券業務の専門性と海外展開を軸にする一方、SBIはグループ全体の企業生態系で顧客のライフタイムバリューを最大化する戦略をとっています。証券業務を深く極めたいなら野村や大和、金融を起点に多領域でチャレンジしたいならSBIという選択軸が見えてきます。

今から学ぶべき分野

SBIグループの投資方向性から逆算すると、以下の知識が面接での差別化につながります。

学ぶべき分野理由関連する賭け
FinTech・デジタルアセットの基礎暗号資産・ステーブルコイン・セキュリティトークンはSBIの成長領域賭け3
銀行業務の基礎と金利の仕組み第4のメガバンク構想が最大の注力領域。金利上昇の影響理解は必須賭け1
SBIグループの企業生態系の全体像グループ会社間シナジーの理解で面接に圧倒的な差がつく全体

キャリアマッチを考えたところで、最後に面接で使える有報の具体的なポイントを整理します。

面接で使える有報ポイント

面接での有報活用とは、企業の法定開示データを使って志望動機や逆質問に具体性を持たせることです。このセクションでは、SBIの有報から引用できるポイントを整理します。読み終えると、面接で「この学生は本気で調べている」と思わせる発言が準備できます。

SBIホールディングスの面接── 「なぜネット証券ではなくSBIホールディングスか」と聞かれたとき

御社の有報を拝見し、金融サービス事業の税引前利益2,253億円が連結税引前利益2,822億円の約80%を占め、証券・銀行・保険を一体で束ねる総合金融グループとして稼ぐ構造になっている点に注目しました。さらに経営方針で「公的資金の完済を機に第4のメガバンク構想を強力に推進」と明記されており、銀行事業を成長ドライバーに据える姿勢が読み取れます。証券一本ではなく、銀行・暗号資産も含めた金融生態系全体を動かす立場で働きたいというキャリア志向と一致しています。

SBIホールディングスの面接── 「ゼロ革命の戦略をどう評価するか」と聞かれたとき

ゼロ革命後もグループ全体の収益が前期比19.3%増の1兆4,437億円に達している点に注目しました。手数料収入の逸失を多角化収益で補うプラットフォーム戦略の実行力に説得力があります。さらに設備投資935億円のうち725億円がIT投資で、設備投資全体の78%をシステム開発に集中投下しており、大和証券のIT投資381億円と比べても約1.9倍の規模です。手数料を犠牲にして顧客基盤を取りに行き、テクノロジーで稼ぐ構造に作り替える──この戦略の実行スピードに共感したことが志望理由の核です。

面接で伝えるべき3つの軸

  • 志望分野とSBIのセグメント実績を1対1で結びつける。第4のメガバンク・ゼロ革命・デジタルアセットのどの軸を選んだかを、有報の利益構成(金融サービス2,253億円・暗号資産212億円など)で裏付けて語る
  • 「金融を核に金融を超える」を具体数字で裏付ける。新中期ビジョンの税引前利益5,000億円・顧客基盤1億件・海外30%と、当期実績(2,822億円・19,156人)の差分を踏まえて語ると抽象論にならない
  • 多角化リスク・キーパーソン依存・次世代事業赤字にも触れる。弱みを同時に語ることで、PRに依存しない判断ができる姿勢を示す

逆質問の例

  • 「公的資金完済後の第4のメガバンク構想で、若手社員がSBI新生銀行や地域金融機関との連携業務に携わる機会はどの程度ありますか」
  • 「新中期ビジョンで海外事業比率30%を目標に掲げていますが、新卒採用の海外配属の可能性やグローバル人材の育成方針を教えてください」
  • 「ネオメディア生態系の構築という新たな方針について、どのような人材を求めていますか」

避けるべきこと: 「年収が高い」「ネット証券最大手だから」など、有報の本質に踏み込まない志望理由です。有報の本質は企業の戦略とリスクの開示であり、就活生が読むべきはその会社が何に賭けているかです。

面接での有報活用法の詳細は有報を面接で活かす方法、ESで使える具体的なフレーズは有報データをESに落とし込む技術もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事のポイント3選

  • SBIは金融サービス事業(証券・銀行・保険)の税引前利益2,253億円が連結税引前利益2,822億円の約80%を占める総合金融グループに変貌している。「ネット証券最大手」というイメージとは異なる利益構造
  • 設備投資935億円のうち725億円(78%)をITに投じるテクノロジーカンパニーであり、ゼロ革命後も収益は前期比19.3%増の1兆4,437億円を達成。第4のメガバンク・ゼロ革命・デジタルアセットの3つの賭けが連動している
  • 強みの裏側には3つのリスク──多角化・統合リスク・キーパーソン依存・次世代事業△99億円の赤字。強みとリスクをセットで理解し、変化のスピードと不確実性を引き受ける覚悟が前提

次のアクション →

本記事は有価証券報告書(2025年03月期)に基づく企業分析であり、投資判断を目的としたものではありません。就活におけるキャリアマッチの判断材料としてご活用ください。

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よくある質問

SBIホールディングスの有報で最も注目すべきポイントは?

5つのセグメントのうち金融サービス事業の税引前利益が2,253億円で連結税引前利益2,822億円の約80%を占めている点です。「SBI=ネット証券」のイメージとは異なり、証券・銀行・保険を包括する総合金融グループとして利益を稼ぐ構造になっていることが有報から読み取れます(2025年3月期有報に基づく)。

SBI証券の手数料無料化(ゼロ革命)で経営は大丈夫?

ゼロ革命後もグループ全体の収益は前期比19.3%増の1兆4,437億円、税引前利益は前期比99.4%増の2,822億円と大幅な増収増益を達成しています。手数料収入の逸失を信用取引・投信残高・FX収益等の多角化収益で補完するプラットフォーム戦略が機能しています(2025年3月期有報に基づく)。

SBIの暗号資産事業の規模は?

暗号資産事業セグメントの収益は806億円、税引前利益は212億円で前期比152%増と急成長しています。米Circle社との提携でUSDC(米ドル建てステーブルコイン)の国内初取り扱いも開始しており、デジタルアセット領域への本気度がうかがえます(2025年3月期有報に基づく)。

SBIホールディングスに向いている就活生は?

変化のスピードが速い環境でチャレンジしたい人、テクノロジー×金融のキャリアに興味がある人に向いています。設備投資の78%がIT関連で、テクノロジーカンパニーとしての側面が非常に強い企業です。一方、平均勤続年数5.7年が示すように安定志向の人には合わない可能性があります(2025年3月期有報に基づく)。

SBIと野村證券・大和証券の違いは有報から分かる?

SBIは設備投資935億円のうち725億円をIT投資に集中させるテクノロジー主導型で、銀行・保険・暗号資産と事業多角化が進んでいます。野村HDは証券業務の専門性と海外展開、大和証券はウェルスマネジメントと安定収益基盤に軸足を置いており、アプローチの違いは明確です(2025年3月期有報に基づく)。

企業名

SBIホールディングス

業種

証券・金融

証券コード

8473

対象事業年度

2025年03月期

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