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コンサル/SIer 2025年3月期期

TISの将来性|自社投資型×ASEAN展開の強みとリスク

最終更新: 約21分で読了
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TISの将来性|自社投資型×ASEAN展開の強みとリスク

独立系SIerで自社サービスも手がけている会社で働きたい──そう考えたとき、TISの面接でセグメント利益率の違い(7.5%〜15.1%)を根拠に語れると、他の就活生との差が一気に開きます。

TISは、決済サービスやキャッシュレス基盤を自社投資で構築しながら、金融・産業・行政まで幅広くITサービスを提供する独立系SIerです。NRI(野村総研)が「コンサル×SIの三層構造」、SCSKが「住友商事系の顧客基盤×M&A」なら、TISは「独立系ゆえの自由度×自社サービス投資」で成長を描く会社です。親世代に「SIerって下請けでしょ?」と言われがちですが、TISは自ら決済サービスの事業主体になろうとしている点で、従来のSIerとは異なる方向に舵を切っています。

この会社が賭けているもの──1.オファリングサービスの自社投資拡大、2.ASEANグローバル展開、3.4戦略ドメインへの構造転換

この記事のデータはTIS株式会社の有価証券報告書(2025年3月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。

売上高(2025年3月期) 5,716億円
経常利益 705億円
オファリング売上成長 前期比+13.4% 自社投資型サービスが急拡大

TISのビジネスの実態|何で稼いでいるのか

セグメント構成とは、企業の収益がどの事業から生まれているかを示す有報の核心データです。このセクションでは、TISの5セグメントの売上と利益の構造を見ます。読み終えると、TISが「何で稼いでいるか」と「どこに先行投資しているか」の違いを理解できます。

TISの事業は5つのセグメントで構成されています(2025年3月期有報セグメント情報より)。日本基準を適用しており、売上高は外部顧客への売上高、セグメント利益は営業利益ベースの数値です。

セグメント外部売上高構成比セグメント利益利益率
広域ITソリューション1,704億円29.8%215億円12.7%
オファリングサービス1,316億円23.0%99億円7.5%
産業IT1,276億円22.3%193億円15.1%
金融IT989億円17.3%123億円12.5%
BPM405億円7.1%53億円13.1%

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)セグメント情報

TISの売上構成──広域IT29.8%、オファリング23.0%、産業IT22.3%、金融IT17.3%、BPM7.1%(2025年3月期)

ここからは特に動きが大きい3つのセグメントを深掘りします。

Segment 01 / 広域ITソリューション 外部売上高1,704億円・構成比29.8%/セグメント利益215億円(5セグメント中最大)

広域ITソリューション|売上・利益額ともに最大の安定基盤

広域ITソリューションは売上構成比29.8%・セグメント利益215億円で、売上・利益額ともに5セグメント中で最大です。行政・医療・金融・産業・インフラの5つの注力領域で全国にITサービスを展開しており、TISの安定収益の柱です。利益率12.7%は突出して高くはないものの、幅広い業界横断の規模を活かしてグループ全体の土台を作っています。就活生にとっては、地域に根差したITサービスの現場で幅広い業界経験を積める環境を意味します。

Segment 02 / オファリングサービス 外部売上高1,316億円・前期比+13.4%/セグメント資産2,088億円(前期比+30.7%)

オファリングサービス|利益率最低だが投資が最厚い「将来の柱」

オファリングサービスは売上構成比23.0%で広域ITに次ぐ規模ですが、利益率7.5%は5セグメント中で最低です。一方で売上は前期比+13.4%と最大の伸び率、セグメント資産は1,598億円から2,088億円へ+30.7%と急拡大、減価償却費92億円も5セグメント中最大です(2025年3月期有報より)。「稼げていない」のではなく「決済・キャッシュレスの自社サービス構築に先行投資している」構造で、利益率の低さは投資フェーズの裏返しと読み取れます。

Segment 03 / 産業IT・金融IT 産業IT利益率15.1%(最高)/金融IT利益率14.5%→12.5%に低下

産業IT・金融IT|利益率トップと低下中の対照ペア

産業ITは利益率15.1%で全セグメント中最高、製造業・エネルギー・社会インフラ向けの専門的なSIで深い業界知見が高い付加価値につながっています。一方、金融ITは前期14.5%から当期12.5%へ低下しました。これは大型案件の完遂に伴う構造変化で、中計ではXMS(Xenlonモダナイゼーションサービス)を起点に新規案件を獲得し成長軌道への回帰を目指しています。同じ業界特化型でも「深耕で利益を取る産業IT」と「ピークアウトから立て直し中の金融IT」と、稼ぎ方の局面が真逆になっている点が読みどころです。

5セグメントの利益率分散はTISの設計思想の表れ。7.5%〜15.1%という幅は、稼ぐセグメント(産業IT・広域IT)と投資するセグメント(オファリング)を意図的に並走させた結果です。「全社平均利益率を高くする」より「将来の自社サービスを内側で育てる」を優先しているため、入社後の配属によってキャリアの色は大きく変わります。利益率の低いセグメントを「不採算」と見るか「先行投資」と見るかで、企業評価が逆転する会社です。

続いて、業績推移を5期分で確認します。

指標4期前3期前2期前前期当期
売上高4,483億円4,825億円5,084億円5,490億円5,716億円
経常利益392億円557億円632億円685億円705億円
当期純利益276億円394億円554億円488億円500億円
EPS110.51円157.69円227.11円203.28円215.00円
自己資本比率60.0%61.5%64.2%59.5%61.5%
ROE10.8%14.0%18.8%16.0%15.3%

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)主要な経営指標等の推移

売上高は4,483億円から5,716億円へ5期で27.5%成長、経常利益も392億円から705億円へ拡大しています。ROEは2期前の18.8%をピークに15.3%へ低下していますが、これは成長投資の拡大に伴うもので、中計目標の16%超に向けて回復を目指す局面です。

ビジネスの実態を掴んだところで、次はTISが何に賭けているかを見ていきます。

TISは何に賭けているのか|投資と研究開発の方向性

投資方針とは、企業が中期的にリソースを集中させる事業領域を指します。このセクションでは、TISが2025年3月期有報で開示した3つの投資領域を、金額・時間軸・財務インパクトの3軸で比較します。読み終えると、面接で「なぜTISの投資戦略に共感したか」を数値根拠つきで語れるようになります。

この会社が賭けているもの──1.オファリングサービスの自社投資拡大、2.ASEANグローバル展開、3.4戦略ドメインへの構造転換

賭け投資規模時間軸財務インパクト
オファリング自社投資拡大セグメント資産2,088億円(前期比+30.7%)2024-2026オファリング売上1,316億円(前期比+13.4%)
ASEANグローバル展開成長投資3年累計1,000億円の一部2024-20262026年度に連結売上1,000億円
4戦略ドメイン構造転換成長投資3年累計1,000億円・設備投資259億円・R&D30億円2024-2026売上6,200億円・営業利益率13.1%

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)経営方針・中期経営計画

Betting 01 / オファリング自社投資 セグメント資産+30.7%/売上+13.4%/減価償却費92億円(5セグメント中最大)

賭け1: オファリングサービスの自社投資拡大

TISが最も注力しているのがオファリングサービスの拡大です。このセグメントは「当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供」する事業です(2025年3月期有報セグメント情報より)。受託でシステムを作る立場から、決済サービスの事業主体として自ら事業を運営する方向への転換を意味します。

前期と当期を比較すると、外部売上高は1,161億円から1,316億円へ13.4%増と、5セグメント中で最大の伸び率を記録しています。セグメント資産は2,088億円と前期の1,598億円から30.7%も拡大、減価償却費92億円は5セグメント中最大であり、自社投資の厚みが数字に表れています(2025年3月期有報より)。中計では「多様なキャッシュレスニーズに対応しながら、新たに社会課題領域に金融・決済の強みを持つ事業主体として事業領域を拡大」する方針を掲げています。SI業界の「受託開発の下請け」というイメージとは異なるキャリアの可能性がここにあります。

自社サービス志向での行動 → オファリングセグメントの利益率7.5%を「投資フェーズの裏側」として語れるよう準備しましょう。IT・コンサル業界の将来性比較で他社の自社サービス比率と並べると、TISの独自性が一段くっきりします。

Betting 02 / ASEAN展開 2026年度連結売上1,000億円目標/現状は国内売上が90%超

賭け2: ASEANを軸としたグローバル展開

中計(2024-2026)では「莫大なマーケットポテンシャルを持つアジアを長期ターゲット」と位置づけ、「ASEANでのビジネス拡大をさせ、2026年度に連結売上高1,000億円を目指す」と明記しています(2025年3月期有報経営方針より)。国内SIerの中でもASEAN展開に本腰を入れている点は、TISの明確な差別化要素です。

ただし、現時点では国内売上が全体の90%超を占めており、海外事業はまだ成長途上にあります(2025年3月期有報地域別売上より)。現地企業との資本・業務提携やM&Aを進めており、「コンサルティングとITの融合による事業全体の高付加価値化の推進と、テクノロジー投資機能の高度化の両輪」でスピード感を持った展開を目指しています。

海外IT事業志向での行動 → ASEAN1,000億円目標を「現状90%超が国内」という前提とセットで語れると、立ち上げフェーズの大変さも理解した上で志望していることが伝わります。海外IT事業の実態はSCSKNRIとの比較で立体的に見えます。

Betting 03 / 4戦略ドメイン 設備投資259億円/R&D費30億円/成長投資3年累計1,000億円

賭け3: 4戦略ドメインへの構造転換

TISはグループビジョン2032として「社会に、多彩に、グローバルに」をテーマに掲げ、4つの戦略ドメインを定義しています(2025年3月期有報経営方針より)。

  • ソーシャルイノベーションサービス: 社会課題解決を直接行う事業
  • コ・クリエーションビジネス: 共創パートナーとの新市場創造
  • ストラテジックパートナーシップビジネス: 業界トップ顧客との事業戦略共同推進
  • IT&ビジネスオファリングサービス: 業界デファクトとなるサービス提供

中計(2024-2026)の経営目標は、売上高6,200億円、営業利益810億円(利益率13.1%)、EPS年平均成長率10%超、ROIC/ROE 13%超/16%超、1人あたり営業利益350万円超です(2025年3月期有報より)。成長投資は3年累計1,000億円、総還元性向50%を掲げており、投資と株主還元を両立させる方針です。設備投資は当期259億円で、システム運用拠点の不動産信託受益権の取得やサービス型ビジネス推進のためのソフトウェア投資を実施しています。R&D費は30億円で、量子コンピュータと空間コンピューティングを中長期の注力テーマとし、大阪大学との共同研究で新量子アルゴリズム「FQAOA」を開発しています。生成AI活用ではGitHub Copilotを約3割のプロジェクトに展開しており、開発プロセスの抜本改革に取り組んでいます(2025年3月期有報研究開発活動より)。

技術志向での行動 → 4戦略ドメインのうち自分が関わりたい領域を1つ選び、その理由を有報の数字で裏付けてください。IT・コンサル業界の将来性比較でTISの構造転換の独自性を確認できます。

3つの賭けの全体像を掴んだところで、次はTISが有報で正直に開示しているリスクと課題を見ていきます。

TISが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報

リスク情報とは、有報で企業が自ら開示する経営上のリスク認識です。このセクションでは、TISが有報のリスク情報で開示している内容のうち、就活生のキャリア判断に特に関わる3つを取り上げます。読み終えると、PRでは見えないリスクを踏まえた上で、TISを志望するかどうかの判断材料が揃います。

TISのリスク概要──IT人材獲得・技術陳腐化・投資回収の3リスク(2025年3月期有報)

リスク影響範囲就活生への関連度
IT人材の獲得・育成の遅れ全セグメント高: 入社後の教育体制に直結
生成AI等による技術陳腐化全セグメント高: 扱う技術の将来性に直結
成長投資の回収不確実性全社中: 投資失敗時の事業再編リスク

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)事業等のリスク

Risk 01 / IT人材獲得 DXコンサル・ITアーキテクトの拡充が中計の重点/連結従業員21,765名

リスク1: IT人材の獲得・育成|中計が裏返す人材不足

有報では「人材は最も重要な経営資源」とした上で、「優秀な人材の確保、育成が想定通りに進まない場合は、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性がある」と明記しています(2025年3月期有報リスク情報より)。中計ではDXコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充を重点に掲げており、これは裏返せば現時点でこれらの人材が不足していることを示しています。

就活生としてこのリスクをどう読むべきか。人材不足は採用の門戸が広いという見方もできます。しかし、入社後の教育体制が追いつかないリスクも伴います。面接では「中計で重点とされているDXコンサルタント育成の具体的な仕組みは?」と逆質問することで、会社側の本気度を確認できます。報酬面では、TISは人材投資として報酬のベースアップを進めていることも有報に記載があります。

Risk 02 / 技術陳腐化 生成AI普及/GitHub Copilotを約3割のプロジェクトに展開中

リスク2: 技術陳腐化と競争環境変化|生成AI時代のSIer存続リスク

「生成AIをはじめとした革新的技術が次々と実用段階に入り」「グローバルITプラットフォーマやコンサルティングファームの躍進、周辺産業からの新規参入の活性化等、競争環境は需要サイド、供給サイド共に大きく変化する」と記載されています(2025年3月期有報リスク情報より)。さらに「技術革新は顧客や社会に対する課題形成や課題解決のアプローチを一変させる力を持っている」として、生成AI技術への対応を明確に課題として認識しています。

これはTIS特有の問題ではなくSIer業界全体の構造的課題です。しかし、TISは対策として生成AI技術の人材育成推進と利用推進に取り組み、2025年以降は生成AI活用を前提とした抜本的な開発プロセス改革を推進する方針を明示しています。就活生としては、この会社が技術変化に対して「対応する」と明言していること自体に注目できます。なおR&D費30億円の中で量子コンピュータ研究も並行して進めており、次世代技術への種まきも行っています。

Risk 03 / 投資回収 減損損失42億円(前期10億円から増加)/自己資本比率61.5%

リスク3: 成長投資の回収不確実性|減損損失42億円が示すリスクの実態

3年累計1,000億円の成長投資を計画する一方、「事業環境の予期せぬ変化等により、計画した成果や資金回収が得られない場合または資産が陳腐化した場合」のリスクを開示しています(2025年3月期有報リスク情報より)。実際に当期の減損損失は42億円と前期の10億円から増加しており、投資リスクが数字として表れています(2025年3月期有報セグメント情報より)。

特にベンチャーを含む国内外企業への出資やM&A、データセンター等の大型IT設備は回収期間が長く、不確実性が伴います。減損損失42億円は投資リスクの実態ですが、自己資本比率61.5%を維持しており財務の健全性は確保されています。「投資が失敗したらどうなるか」よりも「この投資の方向性に自分のキャリアを重ねられるか」で判断することが、就活生にとって有効な視点です。

リスクの全体像が見えたところで、次はあなた自身がこの企業に合うかを判断する材料を見ていきます。

あなたのキャリアとマッチするか

キャリアマッチとは、企業の投資方向性と自分のキャリア志向が合致しているかどうかの判断です。このセクションでは、TISの方向性に合う人・合わない人の特徴と、入社前に学ぶべき分野を見ます。読み終えると、TISが自分に合うかどうかを具体的な根拠を持って判断できます。

あなたのタイプ読むべきセクションわかること
自社サービス開発に関心がある「合う人」+ 学習テーブルオファリングサービスを担う準備がわかる
SIerの将来性に不安がある「合わない人」+ 代替企業リンクNRI・SCSKとの比較で選択肢が見える
IT業界全体を研究中業界比較リンクSIer業界の中でのTISの位置がわかる

TISの方向性に合う人・合わない人

合う人

  • 自社サービス開発(決済・キャッシュレス領域)に企画段階から関わりたい人
  • 金融×ITまたは製造×ITの業界特化で専門性を深めたい人
  • ASEAN地域での海外IT事業に挑戦したい人
  • 独立系SIerの自由度のもとで幅広い業界経験を積みたい人

合わない人

従業員データ

項目データ
連結従業員数21,765名
単体従業員数5,970名
平均年齢40.6歳
平均勤続年数14.5年
平均年間給与806.7万円

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)従業員の状況

連結2.1万人規模のSIerとして、平均勤続14.5年・平均年齢40.6歳はベテラン層が厚い組織構造を示しています。平均年収806.7万円はSIer業界では高い水準です。NRISCSKと比較すると、TISの位置づけが見えてきます。

項目TISNRISCSK
売上高5,716億円7,648億円5,960億円
連結従業員数21,765名16,679名20,252名
平均年収806.7万円1,321.7万円787.7万円
平均勤続年数14.5年13.9年17.2年
親会社・系列独立系独立系住友商事系

出典: 各社 有価証券報告書(2025年3月期)

平均年収806.7万円・勤続14.5年は「中間ポジション」の二面性。NRIの1,321.7万円という突き抜けた水準には届かず、SCSKの勤続17.2年という長期定着の安定感にもやや及ばない位置です。一方で、独立系SIerとしてはトップクラスの年収水準と、業界平均より長めの勤続を両立しているとも読めます。「コンサル特化の高単価」でも「商社系の長期定着」でもない、自社サービス投資の渦中で踏ん張る組織の現在地として、この数字を直視できる人ほどTISの選択は機能します。

今から学ぶべき分野

TISの投資方向性から逆算すると、以下の3つの分野を今から学んでおくことが入社後の武器になります。

学習分野理由具体的な学び方
キャッシュレス・決済の基礎オファリングサービスが決済事業主体を目指しているためFinTech関連の書籍・キャッシュレス決済の仕組みを学ぶ
クラウド・モダナイゼーションXMS(Xenlonリライト技術)が中計の武器のためAWS/Azure等のクラウド基礎認定を取得する
ASEAN各国のIT市場動向海外事業1,000億円目標の理解のためASEANのDX事情に関するレポートを読む

出典: TIS株式会社 有価証券報告書(2025年3月期)経営方針・研究開発活動に基づく

キャリアマッチが見えたところで、次は明日から面接で使える具体的なポイントを見ていきます。

面接で使える有報ポイント

ここまでの分析を面接の場で実際に使えるフレーズに変換します。「有報を読みました」と伝えるだけでも企業研究の深さは伝わります。さらに、具体的な数値とストーリーを結びつけることで面接官の印象に残るレベルになります。

TISの面接── 「なぜSCSKやNRIではなくTISか」と聞かれたとき

御社の有報を拝見し、オファリングサービスのセグメント資産が前期比+30.7%の2,088億円に拡大している点に注目しました。受託SIではなく自社サービスの事業主体として、決済・キャッシュレス領域で事業を運営する方向に明確に舵を切っているのは、独立系SIerの中でも御社ならではの選択だと感じています。NRIのコンサル特化やSCSKの商社系顧客基盤とは異なる「独立系×自社投資」の組み合わせに、自分のキャリアを重ねたいと考えています。

TISの面接── 「5セグメントのどこで働きたいか」と聞かれたとき

セグメント情報を拝見すると、産業ITは利益率15.1%で5セグメント中最高、一方でオファリングは7.5%と最低ですが売上は前期比+13.4%で最大の伸び率です。私は短期の利益率より、自社サービスを立ち上げる過程に関わりたいと考えており、オファリングサービスの事業主体化を支える側で経験を積みたいです。広域IT29.8%という安定基盤の上にこの投資が走っている構造も、挑戦と土台の両方を経験できる魅力だと受け止めています。

面接で伝えるべき3つの軸

  • 志望セグメントを利益率の数字で裏付ける。「産業IT15.1% / オファリング7.5%」のどちらに惹かれるかを、その背景まで語れるようにする
  • 「自社投資型への転換」を中計と紐づける。セグメント資産+30.7%・成長投資3年1,000億円・総還元性向50%の三点セットで、変化の本気度を表現する
  • 減損42億円・金融IT利益率低下にも触れる。強みだけでなく数字で見える課題に向き合える就活生は、PR依存の他候補と差がつく

逆質問の例

  • 「中計で重点とされているDXコンサルタント・ITアーキテクトの育成について、新卒にはどのようなキャリアパスを想定されていますか」
  • 「オファリングサービスの利益率が7.5%と他セグメントより低い中で、自社サービスの事業化に新卒が関わる機会はどの段階からありますか」
  • 「ASEAN展開で2026年度売上1,000億円を目指す中、新卒が海外案件に関わるタイミングはどのくらいでしょうか」

避けるべきこと: 「年収が高い」「独立系で自由」など、有報の表層データや一般論だけに依存した志望理由です。有報の本質は企業の戦略とリスクの開示であり、就活生が読むべきはその会社が何に賭けているかです。R&D費30億円の研究テーマ(量子コンピュータ・空間コンピューティング・生成AI活用)や大阪大学との共同研究「FQAOA」、GitHub Copilot約3割展開などの具体事例は就活サイトでは得られない情報です。

面接での有報活用法の詳細は有報を面接で活かす方法、ESで使える具体的なフレーズは有報データをESに落とし込む技術もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事のポイント3選

  • TISは売上高5,716億円・連結21,765名の独立系SIer。広域IT29.8%が安定基盤、産業IT利益率15.1%が稼ぎ頭、オファリング+13.4%が将来の柱という3層構造で稼いでいる
  • 中計(2024-2026)で成長投資3年累計1,000億円・総還元性向50%を両立。オファリング自社投資・ASEAN1,000億円・4戦略ドメイン転換の3つに賭けている
  • 強みの裏側には3つのリスク──IT人材獲得の遅れ・生成AIによる技術陳腐化・減損42億円が示す投資回収不確実性。「投資の方向性に自分のキャリアを重ねられるか」で判断する姿勢が面接で評価される

次のアクション →

本記事は有価証券報告書(2025年3月期)に基づく企業分析であり、投資判断を目的としたものではありません。就活におけるキャリアマッチの判断材料としてご活用ください。

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よくある質問

TISの将来性は?今後どうなる?

TISは中期経営計画(2024-2026)で売上高6,200億円・営業利益率13.1%・ROE16%超を掲げています。2024年度は売上5,716億円・営業利益率12.1%で中計2年目。オファリングサービスの自社投資拡大とASEAN展開が成長の柱です。3年累計1,000億円の成長投資を計画しています。(2025年3月期有報に基づく)

TISの有報から就活に使えるデータは?

5セグメントの利益構造(産業IT15.1%が最高・オファリング7.5%が最低)、設備投資259億円・R&D30億円の方向性、従業員21,765名・平均年収806.7万円の3つが特に重要です。セグメントごとの投資姿勢の違いを把握すると面接で差別化できます。(2025年3月期有報に基づく)

TISとNRI(野村総研)の違いは?

TISは独立系SIerで売上高5,716億円・5セグメント構成、自社投資型の決済サービスが特徴です。NRIはコンサル×SI×運用の三層構造で売上高7,648億円・営業利益率17.6%、金融ITが最大セグメントです。TISは独立系ゆえの幅広い顧客基盤と自社サービス展開、NRIはコンサルからの一気通貫モデルが強みです。(各社2025年3月期有報に基づく)

TISとSCSKの違いは?

TISは独立系SIerで売上高5,716億円・平均年収806.7万円・平均勤続14.5年。SCSKは住友商事系SIerで売上高5,960億円・平均年収787.7万円・平均勤続17.2年。TISは自社投資型サービスとASEAN展開、SCSKはM&Aによる規模拡大が成長戦略の違いです。(各社2025年3月期有報に基づく)

TISの面接で有報の知識はどう活かせる?

5セグメントの利益率の違い(産業IT15.1%・金融IT12.5%に対しオファリング7.5%)、オファリングサービスの前期比13.4%増の急成長、ASEAN展開の2026年度売上1,000億円目標に触れると、就活サイトでは得られない企業理解をアピールできます。(2025年3月期有報に基づく)

企業名

TIS

業種

コンサル/SIer

証券コード

3626

対象事業年度

2025年3月期

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