佐川急便で物流の仕事をしたい。そう考えたとき、「宅配ドライバーの会社」というイメージだけで語れるのか、それとも国際フォワーディングや低温物流という新しい事業領域まで見据えて志望動機を組み立てられるのか。この差は、面接で確実に表れます。この記事を押さえれば、有報の最新数値を根拠に「御社が2026年3月期からグローバル物流事業を独立セグメント化した点、そしてその利益が137百万円と薄利にとどまっている点に注目しました」と語れるようになります。
SGホールディングスは、「飛脚宅配便」で知られる佐川急便を中核に、宅配便・3PL・国際フォワーディング・不動産開発を展開する総合物流グループです。ヤマトHDと並ぶ宅配便2強の一角でありながら、2026年3月期からはセグメント区分が3つから4つに再編され、「グローバル物流事業」が独立セグメントとして可視化されました。飛脚宅配便の売上構成比は45.7%と2期連続で50%を下回り、「宅配便の会社」から「総合物流グループ」への転換が定着しています。

この記事のデータはSGホールディングス株式会社の有価証券報告書(2026年3月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。
SGホールディングスのビジネスの実態|何で稼いでいるのか
SGホールディングスのセグメント構成とは、2026年3月期から再編された「デリバリー事業」「ロジスティクス事業」「グローバル物流事業」「不動産事業」の4つの報告セグメントで構成される物流ネットワークです。このセクションでは、各セグメントの外部売上・利益構成と5期分の業績推移から、SGホールディングスの収益構造を見ます。読み終えると、「佐川急便=宅配便の会社」というイメージがどこまで正確で、どこから変化しているかを判断できます。
| セグメント | 外部売上 | 構成比 | セグメント利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| デリバリー事業 | 1兆485億円 | 63.7% | 701億円 | 6.7% |
| ロジスティクス事業 | 2,028億円 | 12.3% | 63億円 | 3.1% |
| グローバル物流事業 | 3,216億円 | 19.6% | 1億3,700万円 | 0.0% |
| 不動産事業 | 154億円 | 0.9% | 104億円 | 67.2% |
| その他 | 564億円 | 3.4% | 26億円 | 4.7% |
出典: SGホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)セグメント情報。外部顧客への営業収益ベース。連結セグメント利益は902億円

pie title セグメント別セグメント利益構成(2026年3月期)
"デリバリー事業 701億円" : 701
"ロジスティクス事業 63億円" : 63
"グローバル物流事業 1.4億円" : 1
"不動産事業 104億円" : 104
"その他 26億円" : 26
デリバリー事業が外部売上の63.7%、セグメント利益の78.4%を占める主力構造は変わりません(2026年3月期)。ただし前期組替後と比べても、ロジスティクス事業の利益は前期4,227百万円→当期6,278百万円と+48.5%、グローバル物流事業は3,536百万円→137百万円と急落。同じ「非デリバリー」の中でも国内と国際で真逆の動きになっており、就活生が配属先を考えるうえで重要な変化です。
2026年3月期最大の変化は、セグメント区分の再編です。従来ロジスティクス事業に含まれていたフォワーディング・海外3PL事業が「グローバル物流事業」として独立し、EXPOLANKAとMorrison Express(2025年5月グループ化)を束ねる新セグメントになりました。外部売上は3,216億円で連結の19.6%を占めます。国際物流を中核事業として明確に位置づける経営判断であり、就活生にとって「この会社で国際物流ができる」と読める根拠になります。
一方で新セグメントの利益は137百万円と薄利です。EXPOLANKA社は米国通商政策の影響を受けて中計に対して遅れが出ており、当期はグローバル物流事業で1,456百万円の減損損失も計上しました。「規模は拡大したが利益はまだ出ていない」フェーズにある事実は、面接で問われた際に正確に説明できる材料です。
グローバル物流事業は「売上は拡大したが利益はまだ出ていない」という二面性を持ちます。会社側は「Morrison+EXPOLANKA一体運営と費用構造適正化」で立て直す方針を明言しており、この再構築フェーズに関わりたいかを自分の適性と照らし合わせて判断してみてください。単純に「グローバル物流で成長中」と読むのではなく、「今は薄利からの立て直しフェーズ」というリアルな解釈が面接での差別化にもつながります。
飛脚宅配便の売上構成比は45.7%と、前期49.5%からさらに低下しました。飛脚宅配便の売上高は7,513億円で前期7,323億円から2.6%増加していますが、他事業の伸びのほうが大きく、構成比としては2期連続で50%を切っています。「宅配便一本足打法」からの脱却が数字で定着しました。
不動産事業の営業利益は104億円(利益率67.2%、2026年3月期)です。SGリアルティが物流施設の開発・信託受益権化・売却を手がけるモデルで、規模は小さくても連結利益への貢献度は大きく、事業ポートフォリオの安定装置として機能しています。物流と不動産開発の掛け合わせキャリアも選択肢に入る点は、他の物流企業にはない特徴です。
海外売上は3,162億円(連結の19.2%、2026年3月期)で、前期2,594億円(17.5%)から+21.9%増加しました。Morrison Express連結が通年で反映される2027年3月期以降、海外比率はさらに上昇する見込みです。国際物流でのキャリアを志向する人には、選択肢が広がっている段階です。
個人宅への配達の7割程度、路線運行(東京・大阪間などの長距離輸送)の大部分を外部業者に委託している構造は変わっていません。連結従業員60,483人に加え、パートナー社員等45,281人(期中平均)がオペレーションを支えています。
5期分の業績推移を見てみましょう。
| 指標 | 4期前 | 3期前 | 2期前 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1兆5,884億円 | 1兆4,346億円 | 1兆3,169億円 | 1兆4,792億円 | 1兆6,447億円 |
| 経常利益 | 1,603億円 | 1,379億円 | 909億円 | 889億円 | 918億円 |
| ROE | 23.9% | 24.1% | 10.3% | 10.0% | 10.5% |
| 自己資本比率 | 53.8% | 61.2% | 64.4% | 55.8% | 44.4% |
出典: SGホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)主要な経営指標等の推移。経常利益は日本基準の経常利益ラベル
営業収益は当期1兆6,447億円と前期比+11.2%増で過去最高水準に戻っています。経常利益も888億円→918億円と3.3%増でようやく反転しました。ただしROEは10.5%と3期前の24.1%水準には戻っておらず、自己資本比率は55.8%→44.4%へ大きく低下しました。Morrison Express連結を含むM&A投資と大型中継センター向け設備投資で総資産が1兆401億円→1兆2,290億円に膨らんだ影響が財務レバレッジに現れています。売上規模は拡大したものの、収益性・財務健全性は成長投資のフェーズに応じて振れている点は、面接で問われた際にも正確に答えられる材料です。
セグメント情報の詳しい読み方は有報のセグメント情報の読み方で解説しています。
ビジネスの実態を掴んだところで、次はSGホールディングスが何に賭けているかを見ていきます。
SGホールディングスは何に賭けているのか|投資と戦略の方向性

SGホールディングスの投資戦略とは、新中計「SGH Story 2027」(2026年3月期から2028年3月期)に基づく3つの事業領域への集中投資です。このセクションでは、グローバル物流事業の独立化・低温物流の本格運営・大型中継センター稼働の3つの賭けを、投資規模・時間軸・財務インパクトの3軸で比較します。読み終えると、面接で「なぜSGホールディングスの成長戦略に共感したか」を数値根拠つきで語れるようになります。
新中計「SGH Story 2027」は「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を基本方針に掲げ、2028年3月期に営業収益1兆8,300億円・営業利益1,100億円・ROE 12%・ROIC 8%を目指しています。長期ビジョン「SGHビジョン2030」では2031年3月期に営業収益2兆2,000億円・営業利益1,400億円・ROE 15%・ROIC 10%を掲げています。中計初年度の2026年3月期は、越境ECの伸長でデリバリー事業の個数目標を前倒し達成する一方、グローバル物流事業は米国通商政策の影響で遅れが出るという「明暗」が現れた年でした。
賭け1: グローバル物流事業の独立セグメント化とMorrison Express統合
SGホールディングスが最も大きな経営判断を下したのは、グローバル物流事業を独立セグメントとして可視化したことです。
2025年5月にMorrison Express Worldwide Corporation(台湾本社、電子部品・半導体業界に強い航空フォワーダー)の全株式を取得し、既存のEXPOLANKA HOLDINGS Limitedと合わせて2026年3月期からセグメント再編を実施しました。新設された「グローバル物流事業」は外部売上3,216億円で連結の19.6%を占め、有形固定資産増加額1,282億円は連結2,384億円の53.8%と、投資フローの最先端に位置しています。
ただし現段階では利益は薄い状況です。グローバル物流事業のセグメント利益は137百万円で、前期組替後の3,536百万円から96.1%減少しました。米国通商政策の影響でEXPOLANKAは中計に対して遅れが出ており、当期は同事業で1,456百万円の減損損失も計上しました。今後はMorrison Express・EXPOLANKA・国内の国際部門が一体となった顧客共同営業、共同調達による原価低減、EXPOLANKAの費用構造適正化、事業再編・構造改革に取り組む方針が示されています。
海外売上は3,162億円(連結の19.2%、2026年3月期)で前期2,594億円(17.5%)から+21.9%増加しました。Morrison Express連結の通年反映が本格化する2027年3月期以降も上昇が見込まれ、英語力・地政学・関税・海運運賃の知識が直接的に評価される環境に定着しています。
賭け2: 低温物流ソリューションの拡大と国内屈指のコールドチェーン構築
2024年7月にC&Fロジホールディングス(現:名糖/ヒューテック)を子会社化して以降、2026年3月期は本格運営のフェーズに移行しました。C&Fロジが持つサプライチェーン上流の低温物流機能(冷蔵・冷凍食品の保管・仕分け・輸配送)と、佐川急便のラストワンマイル機能を組み合わせ、「国内屈指のコールドチェーン」構築を目指しています。
セグメント再編により2026年3月期のロジスティクス事業は国内ロジと低温物流に絞られ、外部売上は前期組替後143,089百万円→当期202,798百万円(+41.7%)に成長しました。セグメント利益も前期組替後4,227百万円→当期6,278百万円(+48.5%)に増加し、利益率も3.1%まで改善しています。
食品EC化率の高まりを背景に低温物流の需要は中長期で成長が見込まれ、共同配送・TMS提供・海外低温物流の拡充を通じてグループシナジーの最大化を進める方針です。冷蔵・冷凍という専門性の高い物流領域でのキャリアが定着した点は、物流業界を志望する就活生が押さえておくべき変化です。
賭け3: 大型中継センター稼働と輸配送インフラ強化|設備投資839億円
「Xフロンティア」(東京都江東区、2021年稼働)に続き、2026年7月から関東ハブセンターが稼働予定です。関東エリアの中継機能強化と輸送ネットワークの効率化を狙う施設です。さらに2027年3月期に関西、2029年3月期に九州で大型中継センターの稼働を計画しています。
設備投資総額は839億円(2026年3月期、前期比+57.6%)で、うちデリバリー事業に654億円が投じられています。パートナー企業支援では、2025年8月に設立したSDトランスライン株式会社を通じた委託先支援プログラムを展開し、「適正取引促進会」で単価改定に関する対話を継続しています。AI荷積みロボットのR&Dやオープンイノベーション活動も継続中です。
「2024年問題」やインフレによる人件費・外注費の高騰に対し、大型施設への集約と自動化・DXで対応する方針であり、物流施設のオペレーション設計・DXに関心のある就活生にとっては具体的な案件に携われる機会が豊富な環境です。
経営戦略の読み方については有報の経営方針の読み方ガイドも参考になります。
3つの賭けの全体像を掴んだところで、次はSGホールディングスが有報で正直に開示しているリスクと課題を見ていきます。
SGホールディングスが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報

SGホールディングスの有報リスク情報とは、会社自身が「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある」と認識しているリスクです。このセクションでは、就活生のキャリア判断に直結する3つのリスクを取り上げます。読み終えると、SGホールディングスの成長戦略が持つ不確実性を理解した上で、自分のキャリア選択を判断できます。
リスク1: M&A拡大によるのれん・統合リスク|のれん残高が2.25倍に
C&Fロジ完全子会社化に続く2025年5月のMorrison Express取得により、のれん残高は前期末647億円→当期末1,456億円(+124.9%)に拡大しました。内訳はグローバル物流事業に902億円、ロジスティクス事業に553億円、デリバリー事業に7億円です。のれんの年間償却額も35億円→82億円と急増しています。
のれんとは、買収額が被買収企業の純資産を上回る部分で、日本基準では定額で償却されます。買収後のPMI(統合)が計画通りに進まない場合、のれんの減損(一括費用化)が発生するリスクがあります。既に当期はグローバル物流事業で1,456百万円の減損損失を計上しました。1,456億円というのれん残高は連結当期純利益591億円(2026年3月期)の約2.5倍の規模で、大きな減損が起きればインパクトも大きくなります。自己資本比率も55.8%→44.4%に低下しました。
M&A統合を推進するPMI人材の需要が高まっている一方、統合が失敗すれば人員・組織の再編が生じる可能性があります。配属先がMorrison Express・EXPOLANKA・名糖/ヒューテックといった買収子会社となるケースも想定しておくべきです。
リスク2: コンプライアンス・許認可リスク|通関業許可取消の行政処分
2026年6月1日、SGホールディングスの連結子会社であるSGHグローバル・ジャパン株式会社が国から通関業の許可取消および保税蔵置場の許可取消の行政処分を受けました。有報の主要許認可欄からも通関業の記載が削除され、この事実は「(3)規制、コンプライアンスに関するリスク」でも明記されています。
会社の対応方針としては、日本発着の国際輸送業務の円滑なサービス提供体制の継続に向け、パートナー企業との連携強化に注力するとともに、グループ全体でコンプライアンス教育・リスク管理体制の強化に取り組むと説明されています。経営成績への影響は2027年3月期の経営目標に織り込み済みで、重要な影響はないという判断です。
グローバル物流志望の場合、当該子会社の再建・パートナー連携強化・許認可再取得を含む再発防止プロジェクトに直接関わる可能性があります。グループ全体のコンプライアンス教育・内部監査・リスク管理体制強化のポジションも増える見込みです。有報を読まなければ気づきにくいトピックであり、面接で触れれば会社の課題を真摯に理解している姿勢を示せます。
コンプライアンスリスクは「起きた事実」と「その後の対応」の両方を見ることが大切です。SGHDは通関業許可取消の事実を有報で誠実に開示し、パートナー連携強化・コンプライアンス教育・リスク管理体制強化という具体的な対応方針を明示しています。ネガティブな事実の開示姿勢と対応の具体性は、その会社のガバナンスを見る材料になります。
リスク3: グローバル物流事業の市況依存と薄利構造
2026年3月期はグローバル物流事業の外部売上が3,216億円(連結の19.6%)と大きく伸びた一方、セグメント利益は137百万円(利益率0.04%)にとどまりました。前期組替後の3,536百万円から96.1%減少し、要因は米国通商政策の影響、地政学リスクの拡大、EXPOLANKA社の中計未達、そして1,456百万円の減損損失計上です。
事業構造としてEXPOLANKA・Morrison Expressの海上・航空運賃変動、半導体サイクル、通商政策の変化に業績が大きく振れる特性があります。当期の減損損失はグローバル物流事業に集中しており、「規模は拡大したが利益は出ていない」段階にあることは、就活生も理解しておくべき事実です。
グローバル物流部門は好況時のアップサイドが大きい反面、不況時の急激な悪化もありえます。配属を志望する場合、市況変動に左右されない顧客リレーション構築力と、費用構造適正化・オペレーション再編に貢献できる人材が求められます。
物流業界全体のリスク構造を俯瞰したい方は物流業界を有報で比較も参考にしてください。リスク情報の読み方を詳しく知りたい方は有報のリスク情報の読み方で解説しています。
リスクの全体像が見えたところで、次はあなた自身がこの企業に合うかを判断する材料を見ていきます。
あなたのキャリアとマッチするか
キャリアマッチとは、企業の事業戦略とあなたの志向が合致しているかの確認です。このセクションでは、SGホールディングスの投資方向から逆算した「合う人」「合わない人」と、入社後に役立つ学習分野を見ます。読み終えると、自分のキャリア志向がSGホールディングスの方向性と合うかを判断できます。
SGホールディングスの方向性に合う人・合わない人
合う人
- グローバル物流の再構築に関心がある人: Morrison Express+EXPOLANKA一体化・費用構造適正化・SGHグローバル・ジャパン再建が同時進行するフェーズ。海外売上比率19.2%はさらに上昇する見込み
- 低温物流・食品サプライチェーンに関心がある人: C&Fロジ統合後の本格運営フェーズ。国内低温EC・共同配送・TMS・海外低温物流拡充のプロジェクトが継続
- M&A統合・PMI・コンプライアンス立て直しに関心がある人: Morrison Express・EXPOLANKA・名糖/ヒューテックのPMIとSGHグローバル・ジャパンの再建が継続テーマ
- 大型物流施設の建設・自動化・DXに関心がある人: 関東ハブ2026年7月稼働、関西・九州の大型中継センター建設が続く。AI荷積みロボット・DX投資も推進中
従業員データ
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 連結従業員数 | 60,483人 | パートナー社員等45,281人は含まず |
| 持株会社従業員数 | 242人 | 純粋持株会社 |
| 平均年齢 | 38.5歳 | 持株会社のみ |
| 平均勤続年数 | 9.9年 | 持株会社のみ |
| 平均年収 | 786万円 | 持株会社のみ |
出典: SGホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)従業員の状況
平均年収786万円は持株会社(242人)のみの数値です。佐川急便を含むグループ全体の年収水準とは異なる可能性があります。
今から学ぶべき分野
投資方針から逆算すると、以下のスキル・知識が入社後に活きると考えられます。
| 学習分野 | 関連する賭け | 具体的な学習内容 |
|---|---|---|
| 英語力(ビジネス英語) | グローバル物流事業独立化 | Morrison Express・EXPOLANKAとのグローバル連携が本格化。国際物流部門への配属可能性が高まる |
| 物流・ロジスティクスの基礎知識 | 低温物流・トータルロジスティクス | SCM、3PL、フォワーディング、コールドチェーン、通関の基礎。「トータルロジスティクス」の提案営業で前提となる知識 |
| データ分析・デジタルリテラシー | 大型中継センター・DX | AI荷積みロボット、配送ルート最適化、需要予測など技術活用の現場が拡大中 |
出典: SGホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)経営方針・人的資本の項
社風や職場の雰囲気は有報では把握できません。OpenWorkなどの口コミサイトも併用して、多角的に企業研究を進めてください。
キャリアマッチが見えたところで、次は明日から面接で使える具体的なポイントを見ていきます。
面接で使える有報ポイント
面接で有報の知識を活かすとは、他の就活生が触れない具体的データを根拠に志望動機や逆質問を組み立てることです。このセクションでは、2026年3月期有報から面接で差別化できるポイントと逆質問のネタを見ます。読み終えると、面接で有報データを根拠にした志望動機と逆質問をすぐに使えるようになります。
志望動機での活用
「御社の有報を拝見し、2026年3月期からグローバル物流事業を独立セグメント化された点に注目しました。売上3,216億円という規模まで拡大した一方でセグメント利益は137百万円にとどまっており、Morrison Express+EXPOLANKA一体運営と費用構造適正化のフェーズにあると理解しています。この再構築フェーズに携わりたいと考えています。」
グローバル物流事業の独立セグメント化は2026年3月期有報の最大のトピックです。同時に薄利という現実を数値で理解している点自体が、他の就活生との差別化になります。
「C&Fロジの本格運営フェーズで、ロジスティクス事業のセグメント利益が前期組替後の42億円から63億円に伸びた点に共感しました。食品EC市場の成長を背景に、低温物流領域でのソリューション提案に挑戦したいです。」
C&Fロジ統合後のシナジー創出は、宅配便以外のSGホールディングスの成長ドライバーです。「低温物流」という具体的領域に前期比の改善数値まで踏まえて言及できると、業界理解の深さを示せます。
「飛脚宅配便の売上構成比が45.7%と2期連続で50%を下回った事実から、御社が総合物流グループへの転換を定着させていることを理解しています。」
このデータポイントは有報を読まなければ出てこない数字です。他の就活生が「佐川=宅配便」で止まっている中で、構造変化が定着していることを数値で指摘できると差別化要因になります。
「2026年6月のSGHグローバル・ジャパンの通関業許可取消について、有報でも(3)規制・コンプライアンスに関するリスクとして誠実に開示されている点を拝見しました。パートナー連携強化とグループ全体のコンプライアンス教育で対応される方針を尊重し、私も入社後はコンプライアンス意識の高い実務を心がけたいと考えています。」
会社の課題に触れつつ真摯な姿勢を示せる稀有な話題です。ネガティブな事実を隠さず、対応方針をふまえた話し方は面接官の印象に残ります。
逆質問で使えるネタ
「セグメント再編後のグローバル物流事業について、Morrison ExpressとEXPOLANKAの一体運営はどの段階にありますか。新卒がグローバル物流事業に携わる配属機会はどのようなものがありますか。」
「SGHグローバル・ジャパン株式会社の通関業許可取消を受けて、日本発着の国際輸送業務のサービス提供体制はどのように再構築を進めていますか。」
「関東ハブセンター(2026年7月稼働)に続き、関西・九州の大型中継センター稼働が控えていますが、新卒がこれらのプロジェクトに関われる機会はどのようなものがありますか。」
「C&Fロジ統合後の低温物流について、佐川急便のラストワンマイルとのシナジー事例と、次のフェーズで狙う市場はどこですか。」
同じ物流業界のヤマトホールディングスの企業分析も合わせて読むと、宅配便2強の戦略の違いが明確になります。
面接の武器が揃ったところで、最後にこの記事の3つの持ち帰りと次のアクションをまとめます。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一言でいうと | セグメント再編で「宅配便の会社」から「総合物流グループ」への転換を定着させた大手物流持株会社 |
| 最大の賭け | グローバル物流事業の独立セグメント化とMorrison Express統合(連結売上の19.6%を占める規模まで拡大) |
| 最大のリスク | のれん1,456億円への急拡大と、グローバル物流事業のセグメント利益137百万円という薄利構造 |
出典: SGホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)
SGホールディングスは2026年3月期にセグメント区分を4つに再編し、グローバル物流事業を独立化しました。飛脚宅配便の売上構成比は45.7%と2期連続で50%を下回り、ロジスティクス事業は前期組替後比+41.7%成長で低温物流の本格運営フェーズに入っています。一方でのれんは1,456億円まで拡大し、グローバル物流事業は売上は伸びたもののセグメント利益137百万円と薄利にとどまりました。成長とリスクが同時に拡大するフェーズにあり、この両面を理解した上でキャリア判断をすることが大切です。
次のアクションとしては、競合のヤマトHDと比較して判断したい方はヤマトホールディングスの企業分析へ、物流業界全体を俯瞰したい方は物流業界を有報で比較へ、面接で有報データを使いたい方は有報を面接で使う方法へ進んでください。