この記事のデータはベネッセホールディングスの有価証券報告書(2024年03月期)に基づいています。 有報データの面接活用法の基本は面接で差をつける企業分析|有報データの活用術で押さえておくと、この記事がさらに活きます。
面接前夜のあなたへ。「なぜベネッセか」「ガクチカをどうつなげるか」「逆質問で何を聞くか」を、有報の数字を使って30秒で話せる答えを上から並べました。スクロールしながら読めば、明日の面接でそのまま声に出せる形になっています。
表面的な「進研ゼミの会社」「教育の老舗」というキーワードでは、面接官は「会社の名前で選んだ学生」と判断します。介護セグメント利益が前期比+28億円増益、設備投資229.54億円のうち介護に105億円(45.7%)が集中投下、MBOで2024年4月に上場廃止──こうした有報の固有指標を入れ、自分のガクチカと接続することで初めて、面接で評価される志望動機になります。

| 面接で聞かれたら | 使う軸 | 30秒で言うなら |
|---|---|---|
| なぜベネッセか? | 介護+28億円・MBO非上場・教育変革 | 総合教育・介護コングロマリットの中で「ベネッセを選ぶ理由」は、ブランドが大きいからではなく、有報を読むと国内教育△71億円減収・介護+67億円増収というポートフォリオ転換が進み、設備投資229.54億円のうち介護に105億円(45.7%)を集中投下し、MBO非上場化で四半期業績の縛りを外して変革を加速していることが数字で裏付けられているからです。私は教育×介護という社会インフラの現場と組織変革に当事者として関わりたく、ベネッセを志望しています。 |
| ガクチカをどうつなげる? | 現場の課題→仕組み変更 | 私のガクチカは、表面的な事実ではなく現場で困っている人の声から課題を捉え、自分の判断で仕組みを変えて変化を出した経験です。これはベネッセが掲げる「『人』を軸とした社会課題の解決」と、変革事業計画フェーズ2で「これまでの既存組織の枠を超えた変革をやりきる」方針に重なります。一人の現場担当として動いた経験を、介護ホーム運営や教育事業モデル変革に活かしたいと考えています。 |
| 逆質問で何を聞く? | 設備投資105億円×若手キャリア | 一次面接で安全に使える逆質問は、介護・保育事業の設備投資105億円という2024年3月期最大の投資について、新規ホーム開設を支える介護人材確保のために新卒社員にどのようなキャリアパスが用意されているかを聞く形です。有報の数字を正確に引用しつつ、入社後のキャリア像と接続するため、多くの面接官が答えやすく印象も残りやすい質問になります。 |
この表は記事の各セクションを上から読むことで根拠が積み上がる構成です。詳細を読まずに表だけコピペして使うと深掘り質問で詰まるので、面接前にスクロールして根拠まで通読してください。
有報が示すベネッセホールディングスの方向性

ベネッセが今どこに向かっているのか。有報のセグメント情報・設備投資・経営方針から、3つの方向性が浮かび上がります。
介護・保育事業の安定成長軌道化
介護・保育事業の外部売上は1,393.48億円、前期比+66.61億円、セグメント利益は94.66億円・前期比+28.15億円(前年比+42.3%)と当期最大の伸長セグメントです。設備投資105.00億円は全社の45.7%を占め、用途は『高齢者向けホームのリース資産取得』と有報に明記されており、新規ホーム開設のための物理拠点拡大に資金が集中しています。経営戦略には『新型コロナウイルス感染症の5類移行という環境変化を捉え、介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化により入居率を回復するとともに、対象エリアの新たな拡大を図り、安定成長軌道に乗せていきます』と明記されています(2024年3月期 セグメント情報・設備投資等の概要)。
面接で使うなら:「介護事業に興味があります」では弱い。「介護・保育セグメント利益+28億円・設備投資105億円を支える現場運営に当事者として関わりたい」と言うと固有性が出る。
「介護に興味」だけでは志望理由として弱く、面接官には『なんとなく社会貢献したい学生』と聞こえます。当期+28億円増益・設備投資105億円(全社の45.7%)という具体数値とコロナ後の入居率回復という文脈を入れると、有報を読み込み、介護成長軌道化フェーズに自分が乗りたいことが伝わります。
MBO非上場化による中長期経営戦略の機動的実行
ベネッセは2023年5月、創業家とスウェーデンに本社を置くPEファンドEQTからのMBO提案を受け、公開買付け(2024年1月30日〜3月4日)に賛同、同年4月29日の臨時株主総会で株式併合・定款一部変更を決議し上場廃止に至りました。有報の経営方針には『今後も大きな変化が予測される事業環境下において、変革事業計画の成功確度と実現スピードを高めるうえで、グループ内だけなく外部の経営資源を活用することや、非上場化により中長期的な経営戦略を迅速に実行していくことが有益と考え』『今後は機動的かつ大胆な経営施策の実行が可能となるため、EQTのノウハウ、ネットワークを活用し、事業シナジーの創出に取り組み、変革事業計画の達成に努めていきます』と明記されています。中期目標は2025年度に営業利益320億円以上・ROE10%以上(当期実績202億円・4.1%)、2028年度に『コア教育・コア介護・新領域』の3本柱利益構造の実現です(2024年3月期 経営方針)。
面接で使うなら:「MBOで変革を進めるのが面白そうです」では弱い。「EQT×創業家MBOで四半期業績の縛りを外した3〜5年単位の構造改革を支える側に回りたい」と言うと固有性が出る。
「MBOが面白そう」では他社のPE案件でも通用する一般志望に聞こえます。EQT×創業家・2024年4月上場廃止・変革事業計画フェーズ2という固有の文脈と、四半期業績の縛りを外した中長期戦略という構造的視点を入れると、ベネッセ固有の経営変革に意思を持って関わりたいことが伝わります。
コア教育の事業モデル変革と新領域への成長投資
コア教育(進研ゼミ・こどもちゃれんじ・進研模試・塾教室)については『従来の事業運営の延長では、収益性低下は免れないとの認識のもと、2025年度を転換点とした、短中期・長期の時間軸で、これまでの既存組織の枠を超えたコア教育事業領域全体での変革活動をやりきることで、安定収益化を実現していきます』と有報で率直に認められています。研究開発費は総額18.77億円で、うち国内教育9.14億円(進研ゼミ・こどもちゃれんじ事業の事業調査・顧客アンケート・教材研究)、全社費用8.00億円が『変革事業計画の策定・実行における各種事業調査』に充てられる構造で、研究開発予算を経営変革そのものに振り向けています。新領域(大学・社会人事業・介護周辺事業・海外事業)は『2026年度以降の利益成長牽引に向けた戦略投資と売上成長』を担い、2025年度に2022年度比2倍の売上高への成長を目指しています(2024年3月期 経営方針・研究開発活動)。
面接で使うなら:「教育×DXに関心があります」では弱い。「R&D全社費用8億円が変革事業計画調査に投じられているフェーズで、コア教育の事業モデル変革と新領域2倍売上の現場に立ちたい」と言うと固有性が出る。
「教育×DXに関心」は他のEdTech企業でも言える一般志望です。R&D全社費用8億円の用途・新領域2025年度2倍売上目標・NextGIGA構想という具体指標を入れると、ベネッセが進研ゼミという既存事業の上で変革を進めるフェーズだと理解した上で発言していることが伝わります。
見落とせない国内教育の利益主軸
国内教育セグメント利益158.89億円はセグメント利益(その他除く合計263億円)の60.3%を依然として稼ぎ、当期も連結利益の主軸です(2024年3月期 セグメント情報)。「介護に成長軸が移っている」という理解は数字としては正しいものの、利益の6割は依然として進研ゼミ・こどもちゃれんじ・進研模試などの国内教育事業から生み出されています。「介護の会社にシフトした」と単純に語ると実態を見ていないと思われるため、『当期は国内教育が利益主軸である一方で、伸長率では介護が当期最大』という二段構えの理解で語ることが重要です。
MVVとの接続: 経営方針『「人」を軸とした社会課題の解決に圧倒的に取り組み、グループパーパスの実現を追求する』は、介護成長軌道化(高齢化)・MBO非上場化(短期業績の縛りを外した社会課題解決)・コア教育変革と新領域(少子化×リスキリング)の3方向そのものに表れています。
数値の詳細な分析はベネッセホールディングスの企業分析記事で確認できます。
この方向性が求める人材像

ベネッセの3つの方向性から、「今どんな人材を求めているか」を逆算します。
3方向に共通して求められるのが、教育×介護という社会インフラの『現場運営』と『構造変革』を同時に担う覚悟と当事者意識です。連結従業員17,082名のうち、持株会社(ベネッセホールディングス)単体は68名で、差17,014名はベネッセコーポレーション・ベネッセスタイルケア・進研アド・ベネッセi-キャリア・スタディーハッカー等の事業子会社に在籍する事業会社配属型の構造です(2024年3月期 従業員の状況)。新卒は事業子会社の現場に配属されることが多く、現場の課題と本社の戦略の温度差を吸収しながら、自分で動ける人材が問われます。
介護・保育事業の安定成長軌道化が求める人材
介護現場の運営や高齢者向けホームの新規開設に関心があり、介護人材確保・処遇制度・運営オペレーションを長期目線で考えられる人が求められます。コロナ後の入居率回復という追い風と、業界全体の人材不足という構造逆風の両方に向き合う耐性も必要で、有報の事業等のリスクには『介護・保育事業の継続的な成長の実現、及び安定したサービス提供のためには、介護・保育スタッフの充分な確保と定着が重要な問題であると考えています』と明記されています(2024年3月期 事業等のリスク)。
MBO非上場化による経営変革が求める人材
PEファンドのバリューアップ手法・MBO後のガバナンス変化に知的関心があり、四半期業績の縛りから外れた『3〜5年かけて利益構造を変える』意思決定を支える側に回りたい人が求められます。財務・経営企画・コーポレートを志す人にとっては、CXO体制(CSO/CFO/CHRO/CLRO/CDXO/CCO)の再構築・コーポレート機能のシェアード化・AI技術活用による自動化が並走する稀少なフェーズです。一方で、上場企業の情報開示水準を重視する人にとってはMBO後の開示縮小がデメリットになり得ます。
コア教育の事業モデル変革と新領域への成長投資が求める人材
教育DX(NextGIGA構想)や社会人向けオンライン教育・リスキリング新領域の立ち上げに当事者として関わりたい人が求められます。少子化を逆風としてではなく、有報の経営方針が示す『一人ひとりの、あるいは社会全体の課題そのものを掘り下げ、深掘りされた課題に対する市場創造というチャレンジ』として捉え直せる人が、コア教育の事業モデル変革と大学・社会人事業の2025年度2倍売上目標の現場で価値を出せます。
ガクチカの切り取り方

ガクチカは「何をしたか」の事実より、「それをどう語るか」の切り取り方で印象が変わります。ベネッセの方向性に合わせた切り取りの考え方を整理します。
ガクチカは以下の4ステップで組み立てると、ベネッセの方向性と必ず接続できます。
- 自分が直面した課題 — 個人で何に困ったか(チームの困りごとではなく自分の課題)
- 自分が取った行動 — 何を判断し、どう動いたか(「みんなで頑張った」ではなく「自分は何をしたか」)
- 周囲や仕組みに起きた変化 — 数字または具体的事実で示せる変化
- その経験が、ベネッセの方向性とどう重なるか — 介護成長軌道化・MBO非上場・教育変革の3つのどれかにつながるか
各方向性ごとに、この4ステップを80-120字に圧縮した例文を後述します。
介護・保育事業の安定成長軌道化に合わせる
現場で人の声を拾い、自分の判断で運用を変えた経験を中心に語ります。
- 介護施設や福祉施設のボランティア | 利用者の声から運用改善を提案した経験が、入居率回復施策と現場運営の発想と直接重なる
- 接客アルバイトでの長期顧客対応 | 高齢の常連客への配慮を仕組みに変えた経験は、高齢者向けホームの『暮らし』運営に近い
- 学童や保育補助のアルバイト | 安全と楽しさのバランスを現場で判断した経験は、介護・保育事業の現場感覚と直結する
例文(介護・保育事業の安定成長軌道化 × ガクチカ80-120字):「私は介護施設のボランティアで、利用者の声から食事提供の手順に小さな改善を提案し、現場スタッフ4名と共に1か月で運用を変え、利用者満足アンケートを改善しました。この経験は、ベネッセが有報で示す『介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化』の方向性と重なると考えています。」
「現場の声を聞き、それを形にした」プロセスがあれば、ベネッセスタイルケアの高齢者向けホーム運営や入居率回復施策の文脈と接続できます。
MBO非上場化による経営変革に合わせる
短期の成果ではなく、中期の構造を変えた経験が響きます。
- サークルや団体の構造改革 | 既存企画を撤退し中期で人を集める仕組みに振り直した経験が、MBOの中長期戦略と接続する
- ゼミや研究プロジェクトの方針転換 | 反対を押し切って新方針に切り替え結果を出した経験が『機動的かつ大胆な経営施策』の発想と重なる
- 長期コミットを伴うプロジェクト運営 | 1年以上の時間軸で意思決定を続けた経験は、PEファンドの3〜5年バリューアップと近い
例文(MBO非上場化 × ガクチカ80-120字):「私はサークル代表として、参加者減で続いた既存企画を一度撤退し、長期で人を集める新形式のイベントへ予算を振り直す判断を下し、来場者数を翌年に約1.5倍へ戻しました。この経験は、ベネッセがMBOで短期業績の縛りを外し『中長期的な経営戦略を迅速に実行』する方向性と重なります。」
重要なのは、目先の数字よりも『時間軸の取り方』を意識して語ることです。MBOは『3〜5年で利益構造を変える』判断であり、ガクチカも短期成果より中期の意思決定として語ると説得力が出ます。
コア教育の事業モデル変革と新領域への成長投資に合わせる
ユーザーの行動データやヒアリングから既存の仕組みを再設計した経験が有効です。
- 学園祭や広報活動のリデザイン | ヒアリング結果から告知・申込導線を再設計した経験が、進研ゼミの『商品価値・営業手法の再設計』と直接重なる
- ゼミの教材・カリキュラム改善提案 | 学習者目線で教材を作り直した経験は、こどもちゃれんじ・教材研究の現場感覚と直結する
- 社会人向け勉強会・コミュニティ運営 | 大人の学び直しを支援した経験が、新領域(社会人向けオンライン教育)の文脈と重なる
例文(コア教育の事業モデル変革と新領域 × ガクチカ80-120字):「私はゼミの広報担当として、参加率低下の原因を学生15名へのヒアリングで掘り下げ、案内文と申込導線を再設計した結果、応募率が約2倍に伸びました。この経験は、ベネッセが有報で示す『商品価値・営業手法の再設計』とNextGIGA構想を契機とする教育DXの方向性と重なると考えています。」
「ユーザーの声を聞き、既存の仕組みを再設計した」構造があれば、コア教育の事業モデル変革と新領域立ち上げのいずれにも接続できます。
共通ポイント: いずれの場合も、『現場の課題を自分で発見し、自分で判断して動き、変化を出した』構造を含めることが大切です。連結17,082名のうち事業子会社配属型の組織では、本社からの指示を待つ姿勢ではなく、現場で自分の判断で動ける素養が強く求められます。「チームで取り組みました」だけではなく、「その中で自分はどう判断し、どう動いたか」を明確に示しましょう。
自己PRの組み立て方
自己PRは「あなたの強み」と「ベネッセの方向性」の交差点を見つけることから始まります。
3ステップで組み立てる
- 強みを一言で定義する — 例: 「現場の声から課題を見つけ、仕組みに落とし込む力」
- 裏付けるエピソードを選ぶ — ガクチカと重なってもOK。具体的な数字や変化を含めると説得力が増します
- ベネッセの方向性と接続する — 有報データを使って「なぜベネッセで活かせるか」を示す
ステップ3の具体例:
「この力は、御社が介護・保育事業で当期+28億円増益・設備投資105億円を投じてコロナ後の入居率回復と高齢者向けホーム拡大を進めている方向性に通じると考えています。有報で『介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化』が明記されている背景には、現場の声を運営に反映する力が必要だと感じました。その環境で自分の強みを活かしたいと考えています。」
持株会社68名×事業子会社の組織文化を理解する
連結17,082名のうち、ベネッセホールディングス単体は68名で、残り17,014名はベネッセコーポレーション・ベネッセスタイルケア・進研アド・ベネッセi-キャリア・スタディーハッカー・倍楽生商貿(中国)・Waris等の事業子会社に在籍する構造です(2024年3月期 従業員の状況)。新卒は事業子会社の現場に配属されることが多く、本社管理スタイルではなく事業現場で自分で判断して動ける素養が問われます。「幅広く何でもやります」というよりも、「この強みで事業現場の課題に貢献できます」という明確な自己定義の方が、事業会社配属型の組織文化と合致します。
人的資本の取り組みを活用する
ベネッセは変革事業計画の中で、人材戦略を経営の中核に位置づけています(2024年3月期 経営方針・人的資本に関する戦略)。
- CXO体制(CSO/CFO/CHRO/CLRO/CDXO/CCO)の再構築による管理部門の専門性向上
- コーポレート機能のシェアード化と最新AI技術活用による業務自動化
- 介護スタッフの専門性を高める施策・DX化による業務支援・処遇制度の充実(事業等のリスク3に明記)
自己PRの中でこうした組織変革・人的資本の取り組みへの共感を示すことも有効です。
志望動機|なぜベネッセか
志望動機は「なぜ教育・介護業界か」と「なぜベネッセか」の2段構えで組み立てます。
「なぜ教育・介護業界か」の組み立て
人口動態の構造変化(少子化と高齢化)が同時に進む日本で、社会インフラとしての『学ぶ』と『暮らす』を企業の力で支える意義を簡潔に述べます。ここは深掘りしすぎず、次の「なぜベネッセか」に重点を置きます。
「なぜベネッセか」を他社との違いで示す

ここで他社との違いを有報データで示せるかが勝負どころです。
リクルートホールディングスとの違い
リクルートホールディングスは売上3兆円超でIndeedを擁するグローバルHRテックです。『はたらく』×グローバルテックの軸でスピードと利益率を重視するならリクルート、『学ぶ・暮らす』×日本の社会インフラの軸で教育・介護のリアル現場運営拡大に関わりたいならベネッセです。事業構造の違いを理解した上で、なぜリアル現場の社会インフラ運営に意思を持つのかを語れると差別化になります。
パーソルホールディングスとの違い
パーソルホールディングスは売上1.45兆円・5SBU体制の人材サービス専業です。『はたらく』に特化したマルチブランド型人材サービスがパーソル、教育・介護の現業を持つコングロマリットがベネッセで、配属次第で介護ホーム運営・教材編集・教育営業など現場色の強いキャリアを歩むのがベネッセの特徴です。
KADOKAWAとの違い
KADOKAWAは出版×コンテンツIP×N高/S高/ZEN大学のオンライン高校・大学で『新しい教育の型』を作る側です。ベネッセは進研ゼミ・こどもちゃれんじという既存の通信教育を変革しながら、介護まで含めた社会インフラを束ねる構造で、扱う事業のスケールとリアル拠点の重さが異なります。
学研ホールディングスとの違い
学研ホールディングスも教育出版・教室運営・医療福祉サービスの複合型ですが、ベネッセは介護売上1,393億円・利益94億円・設備投資105億円という規模感で介護事業のスケールが大きく、MBOで上場廃止して中長期構造改革を加速する点が独自です。学研との比較では『介護事業の規模』と『MBOガバナンス』が論点になります。
最終的に、グループパーパス『「人」を軸とした社会課題の解決』と自分の価値観が重なる部分を言語化できると、志望動機に一本の軸が通ります。
30秒で言うなら|面接でそのまま使える志望動機
「ベネッセを志望する理由は、有報を読むと国内教育△71億円減収・介護+67億円増収というポートフォリオ転換が進み、設備投資229億円のうち介護に105億円を集中投下していることが数字で裏付けられているからです。私はゼミの広報担当として、参加率低下の原因をヒアリングで掘り下げ案内導線を再設計した経験があり、その『現場の声から仕組みを変える』プロセスを、教育×介護の社会インフラ運営に活かしたい、だからベネッセを志望しています。」
これは型です。面接官の表情を見て、表面で止めるか、自分のガクチカに踏み込むかを判断してください。
ベネッセホールディングスの面接で差がつく逆質問
逆質問は「何を聞くか」で企業理解の深さが表れます。有報の記述を具体的に引用した質問は、面接官に強い印象を残します。
逆質問は面接の段階によって安全度が変わります。一次面接で「業務改善の指示が出るような質問」をすると先回りしすぎて警戒されることがあるため、以下のマップを目安にしてください。

「高」=どの面接官にも刺さる安全な質問。「中」=面接官の役職・志望度合いを見て使う。「低」=最終面接で「この学生は本気で考えている」と評価される深い質問。一次面接で使うとリスク。
1. 介護・保育事業の現場拡大と若手のキャリアパス
安全度: 高|一次〜最終全段階で使える
「介護・保育事業の設備投資105億円は2024年3月期最大の投資ですが、新規ホーム開設ペースを支える介護人材確保において、新卒入社者にはどのようなキャリアパスが用意されていますか」
この質問のポイント: 設備投資の数字を正確に引用し、最も投資が集中している事業への関心と入社後のキャリアイメージを示せます(2024年3月期 設備投資等の概要、高齢者向けホームのリース資産取得105.00億円・全社の45.7%)。
2. 新領域(大学・社会人)2倍売上目標と若手裁量
安全度: 高|一次〜最終全段階で使える
「変革事業計画で2028年度に『コア教育・コア介護・新領域』の3本柱利益構造を目指す計画ですが、新領域(大学・社会人事業)で2025年度に2022年度比2倍売上を達成するために、若手社員が新規事業立ち上げに関わる機会はどの程度ありますか」
この質問のポイント: 中期目標と新領域の数値目標を読み込んでいることを示しつつ、入社後の事業立ち上げ機会について具体的なイメージを引き出せます(2024年3月期 経営方針・新領域2025年度2022年度比2倍売上目標)。
3. MBO×EQTの事業シナジー創出
安全度: 中|二次面接以降で使うと効果的
「MBOで四半期業績の縛りから脱却した経営体制で、EQTのノウハウ・ネットワークを活用した事業シナジー創出は、海外事業・新領域・コーポレート効率化のうちどの領域から優先される想定ですか」
この質問のポイント: MBOが変革事業計画の手段であることを理解した上で、シナジー創出の優先順位という戦略思考力をアピールできます(2024年3月期 経営方針・EQT×創業家MBO)。
4. コーポレートシェアード化とAI自動化の進捗
安全度: 中|二次面接以降で使うと効果的
「研究開発費18.77億円のうち全社費用8.00億円が変革事業計画の調査に投じられていますが、CXO体制再構築・コーポレート機能のシェアード化・AI自動化の進捗と、新卒のDX領域での関わり方について教えてください」
この質問のポイント: R&D費の用途を有報から正確に引用し、コーポレート変革の中身に踏み込んだ関心を示せます(2024年3月期 研究開発活動・全社費用800百万円の使途)。
5. のれん減損兆候とPMI実行
安全度: 低|最終面接向け、深く考えていることが伝わる質問
「事業等のリスクで連結子会社ハートメディカルケアののれん残高1,975百万円について減損兆候が識別されていると拝見しました。MBO後の機動的なガバナンスのもとで、PMI実行や減損回避の取り組みに新卒社員が関わる機会はどの程度ありますか」
この質問のポイント: 「変革事業計画」の表面的な理解ではなく、有報のリスク欄まで読み込んでM&A・PMIの構造を理解していることを示せます(2024年3月期 事業等のリスク(9)子会社業績悪化のリスク)。
逆質問のさらに詳しい組み立て方は面接で差をつける企業分析|有報データの活用術で解説しています。
まとめ
ベネッセホールディングスの面接対策の核心は、有報が示す3つの方向性(介護・保育事業の安定成長軌道化、MBO非上場化による中長期経営戦略の機動的実行、コア教育の事業モデル変革と新領域への成長投資)とグループパーパス『「人」を軸とした社会課題の解決』から「求める人材像」を逆算し、ガクチカ・自己PR・志望動機を一貫したストーリーにすることです。
表面的な「進研ゼミの会社」というキーワードではなく、介護+28億円増益・設備投資105億円の集中投下・MBO非上場化・新領域2025年度2倍売上目標といった有報の具体的な数字を使いこなすこと。それが、面接官に「この学生はベネッセを理解している」と思わせる最短ルートです。
次のアクション:
- 事業構造を深掘りしたい方は → ベネッセホールディングスの企業分析記事で有報データの詳細を確認できます
- 面接での有報活用の基本を押さえたい方は → 面接で差をつける企業分析|有報データの活用術で汎用テクニックを学べます
- ESに有報データを織り込みたい方は → ESの志望動機に差をつける|有報データの活用法が参考になります
- 同業他社の面接対策と比較したい方は → リクルートホールディングス・パーソルホールディングスの面接対策で「なぜベネッセか」の答えがさらに磨かれます
- 人材サービス業界をデータで比較したい方は → 人材サービス業界の有報比較で俯瞰できます
本記事のデータは株式会社ベネッセホールディングスの有価証券報告書(2024年03月期・EDINET)に基づいています。投資判断を目的としたものではありません。企業の将来の業績を保証するものではなく、最新情報は企業の公式IR資料をご確認ください。社風や職場の雰囲気、上司との関係性は有報ではわかりません。OpenWork等の口コミサイトやOB/OG訪問を併用して判断しましょう。