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人材サービス 2025年02月期期

ディップの将来性|バイトル深耕とコボットDX拡張の強みとリスク

最終更新: 約22分で読了
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ディップの将来性|バイトル深耕とコボットDX拡張の強みとリスク

ディップを「バイトルを運営しているアルバイト求人広告の会社」だと思って面接に臨むと、企業研究の浅さが一目で伝わります。有報を開けば、売上の84.1%は確かにメディア(求人広告)サービスで主力はバイトル系ですが、DX事業(コボット)が11.9%を占めて+12.4%成長中、看護師人材紹介(エージェント)サービスも3.8%を稼ぐ複合事業会社です。あなたがバイトル深耕とコボットDX拡張の両軸戦略のどこに共感するかを語れれば、他の就活生とは明確に差がつきます。

ディップ(2379)は、1997年創業の求人広告サービス会社で、「Labor force solution company」のビジョンのもと、人材サービス事業(バイトル系メディア)とDX事業(コボット)の2軸で事業を展開する連結売上563億円の人材サービス会社です。リクルートHDが多角化プラットフォームを志向し、パーソルHDが派遣を主軸にするのに対して、ディップはアルバイト・パート・派遣・専門職領域の求人広告とHRテックSaaSという「特定領域×横展開」型のポジションを取っています。

この会社が賭けているもの──1.バイトル系メディアによる求人広告深耕(84.1%)、2.DX事業(コボット)による事業ポートフォリオ拡張、3.AIエージェント研究開発と運営サイトのDX再設計

この記事のデータはディップの有価証券報告書(2025年02月期)に基づいています。 有報の読み方がわからない方は有価証券報告書の読み方完全ガイドをご覧ください。

売上高(2025年02月期) 563億円 前期比+4.8%
連結営業利益 134億円 前期比+5.1%
ROE 23.8% 5期連続上昇

出典: ディップ 有価証券報告書 2025年02月期 主要な経営指標等の推移

ディップのビジネスの実態|何で稼いでいるのか

結論を先に示すと、ディップは2つの報告セグメント(人材サービス事業・DX事業)のうち、人材サービス事業が売上の88.1%・セグメント利益の84.4%を稼ぐ単一事業集中型の収益構造です。「バイトル運営会社」というだけでなく、コボットシリーズによるDX事業を第2エンジンとして育てている複合事業体と読むほうが、2025年02月期のセグメント情報には沿います(セグメント情報の読み方ガイドも併読すると理解が深まります)。

2025年02月期 ディップのセグメント別売上利益構成

セグメント売上売上構成比セグメント利益利益構成比
人材サービス事業49,663百万円88.1%18,379百万円84.4%
DX事業6,723百万円11.9%3,391百万円15.6%

出典: ディップ 有価証券報告書 2025年02月期 セグメント情報(セグメント利益は営業利益ベース)

pie title セグメント別売上構成(2025年02月期)
    "人材サービス事業" : 49663
    "DX事業" : 6723

サブサービスの内訳を見ると、人材サービス事業49,663百万円のうち、メディア(求人広告)サービス(バイトル/バイトルNEXT/バイトルPRO/はたらこねっと等)が47,438百万円(全社売上の84.1%)、エージェント(人材紹介)サービス(看護師紹介)が2,120百万円(3.8%)、その他104百万円という構成です。「ディップ=バイトル」というイメージはほぼ正しいものの、DX事業のコボット6,723百万円(11.9%)と看護師人材紹介2,120百万円(3.8%)を加えて、複合事業として理解する必要があります。

ここからは2つのセグメントを深掘りします。

Segment 01 / 人材サービス事業 売上49,663百万円(+3.9%)/セグメント利益18,379百万円(+7.0%)

人材サービス事業|バイトル中心の主力事業

人材サービス事業セグメントは売上構成比88.1%・利益構成比84.4%で、ディップの事業の中核です。その中でもメディア(求人広告)サービス47,438百万円が大宗を占め、バイトル・バイトルNEXT・バイトルPRO・はたらこねっとといった求人広告メディアが収益源です。経営方針には「アルバイト・パート・派遣求人メディア市場が前年からマイナス成長となる中、堅調に推移しました」と明示されており、市場縮小下でも+3.7%の成長を維持できているのが特徴です。サブサービスとして、看護師人材紹介を行うエージェント(人材紹介)サービスも2,120百万円計上されています。

Segment 02 / DX事業 売上6,723百万円(+12.4%)/セグメント利益3,391百万円(+19.5%)

DX事業(コボット)|中堅・中小企業向けDXパッケージ

DX事業セグメントは売上構成比11.9%・利益構成比15.6%で、人材サービス事業に次ぐ第2の柱です。商品ラインナップは「面接コボット」(応募者との面談スケジュール自動調整)、「HRコボット」(派遣会社の営業先リスト自動作成)、「採用ページコボット」(職場紹介動画を活かした採用ページ作成)、「集客コボットfor MEO」(地図検索の表示順位向上による販促支援)など、中堅・中小企業のDX化に必要な機能を絞ってパッケージ化した商品群です。DX事業は2019年4月に開始され、コボットの提供は同年9月から本格化、求人広告で培った顧客基盤と直販営業力を活かして売上を拡大しています。

5期間の純利益推移を見ると、2021年02月期の608百万円から2025年02月期の8,951百万円へと約14.7倍に成長しました。直近の3期はそれぞれ純利益7,936(2023年2月期)、9,051(2024年2月期)、8,951(2025年2月期)と、コロナ禍からの回復後は8,000-9,000百万円のレンジで安定しています。営業利益は134億円(+5.1%)、ROE 23.8%という資本効率の高さも、規模よりも稼ぐ効率を重視する経営姿勢の結果と読めます。

単一事業集中の裏側はポートフォリオ拡張への一手。人材サービス事業88.1%という売上構造は、リクルートHDのような多角化プラットフォームから見ると依存度が高い設計です。だからこそディップはDX事業(コボット)を第2エンジンとして育て、人材サービスへの依存度を緩和する戦略を取っています。新卒で配属される時点では人材サービス事業が中心になる可能性が高い一方、中期計画期間中(2027年02月期まで)にDX事業のシェアがどこまで拡大するかが、入社後のキャリア機会を左右します。

では、この人材サービス88.1%依存を、ディップは今後どう拡張・分散させていくのか。続く章で投資方向と中期計画を見ていきます。

ディップは何に賭けているのか|投資と研究開発の方向性

ディップの設備投資は連結5,778百万円で、売上56,386百万円の約10%相当をプロダクト開発・サイトDX・新拠点関連に投下しています。研究開発費は50百万円と総額は控えめですが、内容は「主にAIエージェントの開発費」と有報に明示されています。中期経営計画『dip30th』(2023年策定・2027年2月期目標)と3つの賭けは以下の定量データに現れています。

ディップが賭けている3領域の詳細マップ──バイトル深耕・コボット拡張・AIエージェント開発の関係性

賭けの領域定量的根拠(2025年02月期)期間中期計画でのインパクト
バイトル系メディアの深耕メディア(求人広告)サービス売上47,438百万円(+3.7%・全社売上の84.1%)中期計画『dip30th』(2023-2027年2月期)人材サービス事業全体で売上49,663百万円(88.1%)・利益18,379百万円(84.4%)
DX事業(コボット)拡張DX事業売上6,723百万円(+12.4%・全社売上の11.9%)中期計画『dip30th』(2023-2027年2月期)セグメント利益3,391百万円(全社の15.6%)・人材サービス依存度の緩和
AIエージェント研究開発研究開発費50百万円(AIエージェント開発)+ 設備投資5,778百万円中期計画『dip30th』(2023-2027年2月期)売上56,386百万円の約10%相当の設備投資をプロダクト開発・サイトDXに集中

出典: ディップ 有価証券報告書 2025年02月期 経営方針・設備投資の概要・研究開発活動

Betting 01 / バイトル深耕 メディア(求人広告)サービス売上47,438百万円(+3.7%・全社の84.1%)

賭け1: バイトル系メディアの深耕

メディア(求人広告)サービスの売上は前期45,749百万円から当期47,438百万円へ+3.7%伸長しました。アルバイト・パート・派遣求人メディア市場が前年マイナス成長下にあるなかでの+3.7%は、商品力と営業力の両方が機能している証拠と読めます。経営方針には「営業人員の増強及び生産性向上、顧客企業の採用満足度の向上が重要」と明示され、新卒中心の若手社員を主体とする営業組織を直販9割弱で運営する体制が中核戦略になっています。

設備投資5,778百万円のうち、運営サイトの開発及びリニューアル等に3,735百万円が投下されており、バイトル系メディアのプロダクト改善・機能拡充が継続中です。「求職者の利便性向上に資する運営サイトの機能拡充・改善、掲載情報の質の向上と量の拡大」という表現が、有報の課題欄で明示的に語られています。

求人広告営業志望での行動 → バイトルと競合(タウンワーク、マイナビバイト、インディード等)の機能・UI・価格設計の違いを1つはエピソードとして語れるようにしておきましょう。人材業界の俯瞰で他社の戦略と比較すると、ディップの直販9割弱の独自性が見えてきます。

Betting 02 / コボット拡張 DX事業売上6,723百万円(+12.4%)/中堅中小向けDXパッケージ

賭け2: DX事業(コボット)の拡張

DX事業は2019年4月から開始された比較的新しいセグメントで、中堅・中小企業向けに機能を絞ったパッケージDXサービス「コボット」を提供しています。売上は前期5,981百万円から当期6,723百万円へ+12.4%伸長し、セグメント利益は2,838百万円から3,391百万円へ+19.5%と、人材サービス事業を上回るペースで成長しています。

経営方針には「中堅・中小企業に特化した商品設計で、商材の機能を絞りパッケージ化したDXサービス『コボット』の提供を通じ、中堅・中小企業のDX化を支援」「商品導入後のカスタマーサクセス体制を一層強化し、継続的なサポートを実施することで、解約率の低下及びアップセルとクロスセルの拡大に努めてまいります」と記載されており、SaaSビジネスの定石である「カスタマーサクセス×アップセル×解約率低減」を経営課題として明示しています。

HRテック・SaaS志望での行動 → コボット各商品の機能・ターゲット業界をひとつは説明できるようにしましょう。中堅・中小企業向けSaaS事業のKPI構造(解約率・アップセル指標)を理解しておくと、面接で具体的なキャリア像が語れます。

Betting 03 / AI・サイトDX 研究開発費50百万円(AIエージェント開発)/設備投資5,778百万円

賭け3: AIエージェント研究開発と運営サイトDX再設計

ディップは研究開発費50百万円を「主にAIエージェントの開発費」として投下しています。総額としては控えめですが、求人広告ビジネスにおける「求職者と求人企業のマッチング」をAIで再設計する動きの起点として位置づけられます。設備投資の連結5,778百万円のうち、運営サイトの開発・リニューアル等に3,735百万円、社内管理システム構築と新拠点関連に1,321百万円、DX事業のソフトウェアに721百万円を配分しており、テクノロジー投資が経営方針の中心です。

経営課題欄には「サーバ等のハードウェアの増強、ウェブサイトに係るシステムのセキュリティや開発・保守管理体制の強化が極めて重要」「適切な設備投資を行うことによってシステムの安定性を確保し、市場環境の変化に対応して継続的に運用体制を整備」と明示されており、AI時代の求人広告ビジネスに主体的に取り組む姿勢が読み取れます。

AI・プロダクト開発志望での行動 → 「求人広告 × AIマッチング」の業界事例(Indeed、LinkedIn等のAI機能)を1つはエピソードとして語れるようにしましょう。有報の投資セクションの読み方で、設備投資の分解を読む技術を磨くと、面接でより具体的な質問ができます。

ただし、両軸戦略の裏側にはリスクもあります。次章ではディップ自身が有報で開示しているリスクを見ていきます。

ディップが自ら語るリスクと課題|PRでは絶対に出ない情報

事業等のリスクとは、企業自身が「経営上の脅威」として認識している項目を有報に開示するセクションです。ディップが開示しているリスクから、就活生のキャリア選択に直結する5つを抽出します。

ディップが有報で開示する5つのリスク──人材サービス依存88.1%/個人情報・サイバー攻撃/市場縮小・競争激化/関係法令違反/生成AI業界構造変化

Risk 01 / 人材サービス依存 売上の88.1%が人材サービス事業

リスク1: 人材サービス事業への売上依存(88.1%)

ディップが有報で構造リスクとして明示しているのが、人材サービス事業への売上依存です。「2025年2月期の当社売上高563億86百万円に占める人材サービス事業の売上高比率は88.1%(496億62百万円)であり、依存度が高い状況にあります」と数値付きで開示されています。求人広告市場における他媒体との競合激化などにより、人材サービス事業の売上変動が全社業績に直接影響するという構造です。

これに対する対応として、「事業ポートフォリオの分散によって安定的な収益基盤を確立するべく」DX事業を2019年4月に開始したと明示されています。DX事業67.2億円(+12.4%)は順調に伸びていますが、当面は配属領域・キャリアパスを左右する論点として理解しておくべきです。

Risk 02 / 個人情報・サイバー バイトル等の登録求職者データ・コボット顧客データの管理

リスク2: 個人情報管理・サイバー攻撃リスク

人材サービス事業・DX事業の両方で個人情報や顧客企業の機密情報を扱う構造のため、情報漏えい・サイバー攻撃は重大な構造リスクです。ディップは2004年7月にプライバシーマークを取得、2005年10月にBS7799・ISMS認証基準を取得し、2006年11月にISO/IEC 27001(JIS Q 27001)へ移行して認証維持しています。それでも有報には「個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、契約内容にかかわらず、法的責任を課される可能性」と明示されています。配属直後からコンプライアンス・情報セキュリティ意識が問われる職場です。

Risk 03 / 市場縮小・競争激化 アルバイト・パート求人市場のマイナス成長と競合多数

リスク3: 求人広告市場の景気変動・競争激化

人材サービス事業は採用市況に直接連動するため、景気減速・雇用情勢悪化・感染症拡大時の業績変動を覚悟する必要があります。経営方針自身も「景気動向や雇用情勢、求人市場等の経済環境、感染症の拡大・流行等により事業環境が著しく変動した場合、当社の事業運営及び業績は大きな影響を受ける可能性」と認めています。競合には、リクルート(タウンワーク)・マイナビ(マイナビバイト)・インディードといった国内外の大手プラットフォーマーが存在しており、機能・価格・営業力の三軸で継続的な競争が続いています。

Risk 04 / 関係法令違反 有料職業紹介事業者許可(2027年1月31日まで有効)

リスク4: 関係法令違反リスク(職業安定法・有料職業紹介許可)

ディップは看護師人材紹介事業を行っているため、職業安定法・労働基準法・男女雇用機会均等法等の法的規制を受けています。有料職業紹介事業者の許可番号13-ユ-303788を保有し、有効期限は2027年1月31日と有報に明記されています。許可の取消事由は職業安定法第32条の9に規定されており、ディップ自身は「2025年2月28日時点において当社が認識している限りでは、これら許可取消の事由に該当する事実はありません」と明示しています。配属後のコンプライアンス研修で押さえる論点として認識しておくべきです。

Risk 05 / 生成AI業界構造変化 求人広告ビジネスのAI再設計/自社のAIエージェント開発で対応

リスク5: 生成AI・AI技術による業界構造変化

生成AIによる求人マッチングの再設計は、求人広告業界全体に5-10年スパンで構造変化をもたらす可能性があります。ディップ自身は研究開発費50百万円をAIエージェント開発に投下し、設備投資5,778百万円の主用途も運営サイトのDX再設計に充てています。賭け3で述べたとおり、業界変化に主体的に取り組む姿勢が有報に開示されていますが、Indeed等のグローバルプラットフォームのAI機能進化との競争は続きます。

リスクの活用 → リスクを「ネガティブ情報」として避けるのではなく、面接で「なぜそのリスクを受け入れた上で志望するのか」を語れる材料に変えてください。有報のリスク欄の読み方ガイドで、リスク開示の構造を理解しておくと、面接での返答に厚みが出ます。

ここまでの内容を踏まえて、ディップがあなたのキャリアにマッチするかを次章で確認します。

あなたのキャリアとマッチするか

本章では、ここまで見てきたディップの戦略・投資・リスクをあなた自身のキャリア志向と照らし合わせ、噛み合うかを判断します。まず、志向別にどの情報を見るべきかをナビゲーション表で整理します。

あなたの志向該当するディップの特徴詳しく見る
求人広告営業志向(新卒から数字を持ちたい)メディア(求人広告)サービス84.1%・直販9割弱・新卒中心の営業組織→ 本記事の賭け1
HRテック・SaaS志向DX事業(コボット)+12.4%成長・中堅中小向けパッケージ→ 本記事の賭け2
AI・プロダクト開発志向研究開発費50百万円(AIエージェント)・設備投資5,778百万円→ 本記事の賭け3
ハイクラス転職コンサル志向ディップはアルバイト・パート中心。JAC等の方が適性→ 本記事のリスク1

合う人

  • アルバイト・パート求人広告の営業を新卒から担当したい人
  • HRテック・SaaSビジネスに関心がある人(コボット商品のセールス・カスタマーサクセス・プロダクト企画)
  • 若い組織で短中期に成果を出したい人(平均年齢30.3歳・平均勤続5.6年)
  • 生成AI時代の求人広告ビジネスにプロダクト軸から関わりたい人
  • 【文系学部生レーン】経済・経営・社会学・心理学 × メディア(求人広告)営業職 → 想定職種:営業職/カスタマーサクセス/求人広告プランナー
  • 【理系学部生・院生レーン】情報工学・データサイエンス × DX事業のコボット開発/AIエージェント研究開発 → 想定職種:プロダクト開発エンジニア/データサイエンティスト/AIエンジニア

合わないかもしれない人

  • 大手プラットフォーム型でスケールメリットを活かしたい人 → リクルートHDの有報分析
  • 派遣+人材紹介の複合モデルでキャリアを描きたい人 → パーソルHDの有報分析
  • 海外駐在・グローバルキャリアを描きたい人(ディップは国内専業)
  • 正社員ハイクラス転職を扱いたい人(アルバイト・パート・派遣・専門職領域が主軸)

従業員データ

ディップの従業員データも判断材料になります。提出会社の連結従業員は2,530人(単体同数)、平均年齢は30.3歳、平均勤続年数は5.6年、平均年間給与は5,246千円(2025年02月期)です。同業のJACリクルートメント(平均年齢35.0歳・勤続3.9年・年収816万円)やパーソルHDと比べると、より若い組織で勤続年数も長めという特徴があります。

平均年齢30.3歳・勤続5.6年の裏側は若手中心の組織カルチャー。新卒中心の営業組織を直販9割弱で運営している以上、新卒1年目から数字に向き合う環境です。これは「若いうちから経験を積める」というポジティブな側面と、「短中期で成果を出すプレッシャーが強い」というネガティブな側面の両面があります。長期勤続で大企業の中で育てられたい人より、若手のうちに事業を動かす経験を積みたい人に向く構造です。健康経営とDEI(多様性・公平性・包括性)施策を有報で明示しているのも、若い組織を持続可能にするための工夫として読めます。

今から学ぶべき分野

有報が示す投資方針から、ディップで活躍するために今から学ぶべきことを整理しました。

投資方針今から学ぶべきこと具体的なアクション
バイトル系メディアの深耕求人広告ビジネスの構造と主要プレイヤー比較バイトル/タウンワーク/マイナビバイト/インディードの機能・UI・価格を実際に使って比較する
DX事業(コボット)拡張HRテック・SaaSビジネスのKPI構造解約率・アップセル・カスタマーサクセス指標の業界事例を学ぶ
AIエージェント研究開発生成AIの求人マッチング応用事例Indeed・LinkedIn等のAI機能の動向を月1で確認する
ディップ・インセンティブ・プロジェクトアルバイト・派遣市場の労働経済学的背景最低賃金推移・人手不足業界(飲食/小売/介護等)の動向を押さえる

最後に、ここまでの分析を面接で実際に語れる形に落とし込みます。

面接で使える有報ポイント

ここまでの分析を面接の場で実際に使えるフレーズに変換します。「有報を読みました」と伝えるだけでも企業研究の深さは伝わります。さらに、具体的な数値とストーリーを結びつけることで面接官の印象に残るレベルになります。

志望動機での活用

ディップの面接── 「なぜリクルートではなくディップか」と聞かれたとき

[あなた自身のエピソードを15秒で:例「アルバイト時代に職場を選ぶ際にバイトル・タウンワーク・マイナビバイトを比較した経験から…」]私は新卒1年目から数字に向き合える環境で成長したいと考えています。ディップのセグメント情報を拝見し、メディア(求人広告)サービスが市場マイナス成長下で+3.7%伸長し、DX事業も+12.4%成長している両軸戦略に共感しました。直販9割弱の営業組織で、若手が早期に責任を持てる環境が私の志向と合致すると判断しました。

ディップの面接── 「アルバイト求人市場は飽和では?」と聞かれたとき

有報の経営方針に「アルバイト・パート・派遣求人メディア市場が前年からマイナス成長となる中、堅調に推移」と明示されている点に注目しました。市場縮小下でも+3.7%の成長を実現していることは、商品力と直販9割弱の営業力の両方が機能している証拠だと考えます。さらにDX事業のコボットで中堅・中小企業の業務自動化ニーズに応える第2エンジンを育てており、求人広告に閉じない事業ポートフォリオへの拡張が進んでいる点も評価できると考えています。

面接で伝えるべき3つの軸

  • 「両軸戦略」をメディア+3.7%とDX+12.4%で裏付ける。経営方針と具体数字をセットで出すと抽象論にならない
  • 研究開発費50百万円のAIエージェント開発に触れる。営業職志望でも「AI時代の求人広告ビジネスに主体的に取り組む会社」という文脈を理解していることを示す
  • 人材サービス事業88.1%依存・求人広告市場の競争激化など弱みにも触れる。強みとリスクをセットで理解して志望する姿勢を見せる

逆質問で使えるネタ

「中期経営計画『dip30th』では運営事業強化・新規事業展開・システム強化の6項目が優先課題と理解しています。新卒がどの課題に関わるキャリアパスがありますか?」

「DX事業の売上比率は2025年02月期で11.9%ですが、人材サービス事業への依存度低減という観点で、中期的にどの水準を目指していますか?」

「AIエージェント開発に研究開発費を投下されていますが、求人広告ビジネスの中でAIマッチングの位置づけはどのように設計されていますか?」

避けるべきこと: 「年収が高い」「待遇がよい」など、有報の給与データだけに言及する志望理由です。有報の本質は企業の戦略とリスクの開示であり、就活生が読むべきはその会社が何に賭けているかです。

面接での有報活用法の詳細は有報を面接で活かす方法、ESで使える具体的なフレーズは有報データをESに落とし込む技術もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事のポイント3選

  • ディップは売上の88.1%が人材サービス事業(バイトル系メディア+看護師人材紹介)の単一事業集中型。一方でDX事業(コボット)が+12.4%成長中で、両軸戦略への移行段階にある
  • 設備投資5,778百万円のうち3,735百万円を運営サイトの開発・リニューアルに、721百万円をDX事業ソフトウェアに投下。研究開発費50百万円もAIエージェント開発で、テクノロジー投資が経営方針の中心
  • 連結2,530人・平均年齢30.3歳・勤続5.6年の若い組織。直販9割弱・新卒中心の営業カルチャーで、若手で数字を持つ経験を積みたい人と、長期勤続前提で大企業の中で育てられたい人で適性が分かれる

次のアクション →

本記事は有価証券報告書(2025年02月期)に基づく企業分析であり、投資判断を目的としたものではありません。就活におけるキャリアマッチの判断材料としてご活用ください。

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よくある質問

ディップの将来性は?今後どうなる?

人材サービス事業(バイトル系メディア)が売上の88.1%を占めつつ、DX事業(コボット)が前期比+12.4%で成長中です。2023年策定の中期経営計画『dip30th』(2027年2月期目標)で運営事業強化と新規事業展開を推進する両軸戦略を打ち出しています。

ディップの強みと課題は?

強みはROE 23.8%の資本効率とバイトル系メディアの+3.7%堅調成長(求人広告市場が前年マイナス成長下)です。課題は人材サービス事業88.1%への売上依存と、求人広告市場の景気変動・競争激化です。

ディップは何で稼いでいますか?

2025年02月期の売上56,386百万円のうち84.1%がメディア(求人広告)サービス(バイトル系)です。次にDX事業(コボット)11.9%、看護師人材紹介(エージェント)サービス3.8%という構成で、人材サービス事業全体では88.1%を占めます。

アルバイト求人市場は飽和では?

経営方針で『アルバイト・パート・派遣求人メディア市場が前年からマイナス成長となる中、堅調に推移しました』と明示されています。市場縮小下でも+3.7%の成長を実現しつつ、コボット商品で中堅・中小企業のDX支援領域に拡張中です。

ディップの面接で有報の知識はどう活かせますか?

メディア(求人広告)サービスの+3.7%成長とDX事業の+12.4%成長を結びつけ、事業ポートフォリオ拡張戦略を語ると企業研究の深さが伝わります。研究開発費50百万円のAIエージェント開発にも触れると深いです。

企業名

ディップ

業種

人材サービス

証券コード

2379

対象事業年度

2025年02月期

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